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友人が異世界転生したのでぼっちになりました  作者: まさかさかなかな
よく出来た異世界転生は神隠しと区別がつかない
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行動するのに理由が必要ないわけない

 如月さんと向かい合いおやつを食べた僕は、一人になりたいからと寝ていた部屋、つまりはエリスの寝室のはずの部屋に入る。

 僕は変わった事が多すぎて、混乱して何から考えれば良いのかと思う。

 ここまでで、僕に変わった出来事があるのは確かだが、正直そんな事は些細な事だと思った。


 エリスがここに居た痕跡がかき消されている事に比べたら。


 まず、朝起きたら隣にエリスがいない。これはそこまで不自然でもないかもしれない。

 けれど、連絡手段はかき消えて、本人からの報告も何もない。

 家の鍵は僕と如月さんの分二つしかなかった。

 そして何より如月さんが僕のメイドである事を当然のように受け入れている。


 エリスがこの世界から消えてしまったかのように情報が不自然なまでに欠けてしまっていた。

 消えたというのは正確では無いだろうか?どちらかと言えば最初から彼女が存在しなかったかの様に変わってしまっていた。


「ここの部屋にある本はよく見ると僕のとすり替わってるし……」


 最初に一瞬見て確認した時彼女と僕の読むラノベの七割は似通っているから最初気付かなかった。しかし、昨日風呂から上がってきた時に読んでいた本が棚に見当たらなかった。


 その代わり本棚の奥の方、辞書カバーに隠されて見覚えのあるエロ本が出てきたりした。

 以前買って、本来は元のアパートにあるラノベの山に埋もれているはずのものだ。


「……何というか、これが出てきたのがここが自分の部屋である証拠って恥ずかしくないか?」


 そう呟きながらも僕はこの部屋がエリスの部屋から僕の部屋にすり替わっている事を確信していた。


「教科書にしろ、ゲームにしろ僕がやった痕跡しかないなら、そりゃここが僕の部屋ってことになるよね」


 そうやってため息をついて天井を仰ぐ。


 今更ながら自分がいかに不条理な状況にあるのか思い知らされる。


「でも……まあ、僕のことはどうでも良いんだよ。問題はエリスのことだって」


 ここまで色々と調べてきたが、僕は別に僕自身がどうなろうがどうでも良い。というか、変化後の環境が以前より良いものだからそれもあって気にする必要がない。


 だが、僕が一番不安なのはエリスのことである。今彼女がどうしているか考えなければならない。

 エリスが居なくなれば、また昔みたいに特に楽しみもなくて、動画やラノベみたいな娯楽を消極的に消化するだけの生活になってしまう。


 だって彼女と過ごすのは、楽しかった。楽しすぎるくらいには。


 エリスが綺麗だったのは事実だが、彼女は元々あんまり笑う方ではなかったと思う。

 だから、彼女の事が最初はあんまり好きではなかったと思う。僕は笑った女の子が好きだから。


 高校入学したてのころは授業を退屈そうに受けていたのを覚えている。淡々と当てられた箇所の回答だけをして特にリアクションもない。

 昼休みはクラスメイトによく話しかけられながらも、最低限の返事だけしながら勉強していたのを横で見ていて知っている。

 放課後はすぐに立ち上がると、取りつく島もないといったばかりにすぐに教室を出て行く。


 僕が教科書を忘れたり、体育でメガネを壊したりとドジすぎたせいで隣の席にいたエリスに散々迷惑をかけなければ、恐らく関わり合いになる事は無かっただろう。


 エリスが僕のことを……えっと、好きであってくれた事は事実だから良いのだが、普通に考えれば迷惑ばかりかけている気がする……。


 僕は自分が不器用だったり、運動音痴だったり、忘れっぽかったりで人に負担をかける。そんなだから、その場面で助けてくれる優しさも含めてエリスが好きなんだ。

 僕はそうやって彼女に散々助けられたとから、エリスのためであればなんでもするべきだと思うのだ。


「……だから、まずはエリスを探さないと」


 そうやって決意すると、僕はすぐに立ち上がり行動を開始したのだった。


 まずは、最初に思いついた考えが『僕とエリスの立場が入れ替わっている』という事である。

 非現実的ではあるが、僕は二次元の物語に触れすぎていて、こういう考え方に違和感をあまり持たない方だ。


 そもそも、如月さんが僕のメイドをしている時点で何かが致命的におかしくなっている事は明らかだし、僕がエリスの立場に近くなっていることを考えれば当たり前に浮かぶ考えだと思う。

 これに関して言えば確認は簡単で、僕の住んでいたアパートに向かえばいい。

 立場が入れ替わっていればそこにエリスが居るはずである。


 そういう訳で、僕は如月さんに出かける事を告げる。

 彼女はその事に少し驚いたような顔をしながら言った。


「え、今から出かけるんですか? 遅くならない様にして下さいね。明日は実家で婚約者の方との顔合わせも有るんですし」

「は?」


 口から呆れたような声が漏れてしまう。

 ……あまりに驚きすぎて、丁寧に喋ろうという気持ちが吹き飛んでしまった。


 ……ああ、少し話すだけで衝撃的な事実が出過ぎて、もう大抵の事に対して驚く事を忘れそうだ。

休みの日に早起きしても家を出るのは午後

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