2話 後
投稿しました。
「どうしてこんな事に・・・・」
オリエンテーションも終わり、帰りにまたお饅頭を買おうと思っていたのに痴女担任に捕まってしまった。そしてそのまま生徒会実に連れて来られていた。あの人は一体なんの権限で生徒会に出入りしてるんだ?
「かいちょー? なんで僕呼ばれたんですか?? 」
「ん? だって生徒会に入るんだろう?? 」
「いやいやいや」
「いやいやいや」
我ながら往生際が悪いなと思っていると
「どうでもいいから早く自己紹介して」
ツインテールさんに催促されてしまった。
あ、これもう入るしかないヤツや。
「あ〜、斉藤 陽です。一年生です。誕生日は2月12日。バレンタインデーの2日前です。趣味は散歩、釣り、虫捕り。得意な事は妹のお世話です。えーっと・・・・」
参ったな。これ以上何を話せばいいんだろう??
「スリーサイズは?? 」
「あぁ、えっと・・・」
「言わんでいい!! 」
かいちょーが言えって言ったのにツインテールさんに怒られた。厳つい先輩はギョッとした顔をしてるし、ほんわか先輩はなんだかぼ〜っとしてる。和服先輩は本読んでないでまず人の話を聞きましょ?
「じゃあ今度はこっちから自己紹介しようか。わたしは昨日やったから・・・・詩織から時計回りで頼む。」
かいちょーがそう言うと、おっとり先輩が立ち上がる。
「はい〜、鳥塚 詩織です〜。役職は副会長さんですよ〜? 桃花ちゃんと同じ、二年生ですよ〜。物語異能は『雉(桃太郎出展)』です〜」
語尾を伸ばす独特な喋り方に、不思議と嫌味を感じず、むしろなんとなくお上品な・・・・それにしてもおっぱいでっけぇな。
「彼女は良家のお嬢様だよ」
「あ、なんとなくそんな気はしてました」
「後おっぱいデカイよ」
「僕生徒会入ります」
「このタイミングで言うなよッ!?」
ツインテールさんはツッコミのキレが良いね。
当の詩織さんは
「あらあら〜」
と他人事みたいな顔をしてる。
詩織さんの自己紹介が終わると、次は金髪ツインテールの背の低い女の子が立ち上がった。
「沢田 マリア(さわだ まりあ)。書記よ。物語異能は『猿(桃太郎出展)』言っとくけど二年生だから、敬語使いなさいよね」
お、やっぱツンデレっぽい。暴力振るうかな? 怖いからあんまり近付かないでおこう。
「あぁ、マリアちゃんは怒ると暴力振るうけどその後罪悪感でめちゃくちゃヘコむから気を付けてね」
「なんすかそれ、自業自得じゃないっスか」
「う、うっさいな!! 」
おぉ、ガチギレだ。
次に立ち上がったのは厳つい先輩だ。
「剛力 源太だ。物語異能は『臼(猿蟹合戦)』。一応三年生で残念ながらもうすぐ引退だ。短い間だがよろしく頼む。」
おぉ、なんか名を体で表す様な人だ・・・・。
腕とかすげぇな。僕の足ぐらいの太さじゃ無いかな?
「ちなみに趣味は裁縫とお菓子作りだよ」
「何それ可愛い!! 」
「後マリアちゃんと付き合ってるぞ」
「な!? 会長知ってたのッ!? 」
「うん、よくデートしてる所見かけるよ? 」
「う"ぇ"ぇ"・・・・」
おぉ、カップルが2人とも真っ赤だ。
特に剛力先輩の顔が真っ赤だ。
いいな〜、これ。
可愛い。ムリ。尊い。
写真撮っていいかな?
まぁ撮るけど。
「ちょ、ちょっと! 何写真撮ってるのよ!! 」
「あぁ、すいません、つい。」
「勝手に写真撮るなんて礼儀知らずな奴ね! ・・・・後でその写真ちょうだいね? 」
「あら〜・・・・わたしも欲しいです〜。ふふっ♪」
マリアちゃんはわかるけど、詩織さん、あなたは一体何に使うの。
「じゃあ、最後に雪菜」
「・・・・姫川 雪菜・・・よろしく。」
この人、昨日から存在感が凄いんだよな。制服着用せずに和服着てるし。なんか、めっちゃ睨んでくるしさ。ふむ・・・・
「『隠れ巨乳』と見た」
「お、鋭いね」
「・・・・変態」
一通り自己紹介が済んだ訳だが・・・・
「『桃太郎シリーズ』の愛読者、3人揃ってるんですね」
さらっと流してたが、結構すごいことだったりする。
「あぁ、詩織とマリアは幼馴染なんだよ」
「基本的に主役級が生まれると私達の様なメインキャラの者同士は運命的に引き寄せ合うんですけどね〜」
「むしろあんたが幼馴染じゃない方が不思議なくらいね」
あぁ、それは仕方ないね。ちょっと『色々あった』し。
「まぁ、どのみちこうして出会えたんだんだし、いいんじゃないかな? 」
「そうね〜」
「だね」
深追いしてこない。
うん、優しい先輩達で良かったな。ここなら何も問題は無いだろうし。
「あ、そうだ。源ちゃん先輩とマリアちゃんの馴れ初めってなんですか? 」
「このタイミングで聞く!? 」
「わたしも聞きたいな〜」
「会長まで!? 」
「源ちゃん先輩どうなんですか?? 」
「源ちゃん先輩は確定なのか・・・・」
源ちゃん先輩は照れ臭そうに頬をかきながらも色々と話してくれた。
嬉しかった事、楽しかった事、悲しかった事、悔しかった事。
まりりん先輩と出会ってからの思い出を大切そうに語ってくれた。
それにしても・・・・
「「「ラブラブっすね!! 」」」
「言わないで!! 」
このカップル、やりおる。
その後、仕事の説明などを受けて各自帰る事になった。
「あ、ひなたくんは残ってね」
・・・・なぜですか、かいちょー(Part2)
☆☆☆
先輩達みんな帰ってしまったというのに、僕はかいちょーに後ろから抱きしめられる様に座らされていた。
「それで、君の異能についてなんだけどね? 」
「その前にこの体勢について何か言う事無いですかね? 」
「無いね」
「あ、そうですか・・・・」
どうやら合法らしい。さりげなくおっぱいが背中に当たる面積が増える様にがんばろ。
「なに? おっぱい押し付けられたいの?? ほれほれ」
「バレてた」
茶番はこのくらいにして、
「かいちょーは僕の事をどうやって知ったんです? 」
「ん〜?ちょっとね」
「本当に僕が異能を使える様になるんですか? 」
「うん、なるなる」
「話聞いてますか? 」
「聞いてる聞いてる」
「おっぱい揉んでいいですか? 」
「ダメ」
「聞いてたんですね」
「もちろん。それでね、君の異能はわたしの異能でもあるんだ」
「・・・・へぇ? 」
「『桃太郎』に出てくるお供ってさ、元々は普通の動物だったと思わない?」
「まぁ、いや、でも喋りますよね?歌とかで」
「あ〜、まぁ、そこは良いや。それでね、そんな普通の動物達がどうして鬼退治なんて出来るのかな? 」
んん? どうゆう事だろう??
「『きびだんご』って、あるでしょ?」
「ありますね」
「あれ食べたら、不思議な力、手に入れられそうじゃない? 」
「なるほど! 」
この人多分バカだ!!
「と、言うわけで作ってきた」
「さすが! 」
「はい、じゃあ、あ〜〜ん」
「あ、僕そうゆうのNGなんで」
「え? 口移しの方が良かった?? 」
「是非!! 」
なんて魅力的な提案なのだろう! 合法で美女とちゅー出来るぞやったね!!
「・・・・えいっ」ちゅっ
「え」
「・・・・」
「・・・・」
「やっちゃった♡」
イタズラっぽく微笑む会長の横顔を僕は呆然と眺める事しか出来なかった。
僕はその日、初めてキスをした。
初めてのキスは、『おだんご』の味がした。
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