2話 前
投稿しました。
「はぁ・・・・はぁ・・・・ついたわ 」
「あ、お疲れ様でーす。」
「でーす。」
僕達は、詩織さんに首根っこを引きづられながら我が家へと帰って来た。
詩織さんが走っている間、かいちょーがいつの間にか器用にクレープを二人分買っていたので美味しくいただいてました。
「さぁ、陽くん! お姉さんを紹介して!! 」
え〜、絶対めんどくさい事になるから嫌なんだけどな〜。
「そうだよ、お義姉さんもきっと会いたがってるよ」
かいちょー今「お義姉さん」って言わなかった?
「そもそも、なんでそんなに僕のお姉ちゃんに会いたいんですか? 」
僕の質問に対し、詩織さんは俯いてしまった。
あれ? 余計な事言ったかな??
「ただいま〜 」
だからかいちょーは空気呼んでよぉっ!!
かいちょーが(勝手に)ガチャッと玄関のドアを開ける。
すると、パタパタとスリッパを引きずるように歩く音が聞こえた。
「あらぁ? おかえりなさぁい」
ここで登場我が姉
お姉ちゃんは詩織さんを見ると動きが止まった。
「あらぁ? その子って・・・・」
「やっぱり・・・・」
やっぱり?
突然、詩織さんがお姉ちゃんに向かって跪いた。
「お久しぶりです! 師匠ッ!! 」
え? 何々? どうなってるの??
状況を把握出来ていない僕とかいちょーは顔を見合って首を傾げた。
☆☆☆
わたしには妹がいました。
妹の名前は『志姫』と言いました。
志姫ちゃんはいつもお父様やお母様に怒られていました。
「あんなに良い子なのに? どうしてかしら?? 」
幼い私にはさっぱりわかりませんでした。
小学生になると、私の周りにはたくさんのお友達がいました。
でも周りのお友達はこう言いました。
「あなたの妹はとっても意地悪だわ。」
なんてひどい事を言うのだろう?
私はとても悲しくなりました。
中学生になっても、志姫ちゃんにはお友達が出来ませんでした。
私は志姫ちゃんが心配でした。
「いいえ、お姉様。私のそばにはお姉様がいてくれますもの。私、ちっとも寂しくなんかないわ。」
志姫ちゃんは優しく微笑んでそう言いました。
でも、私にはわかりました。
あの娘の目には私の姿なんて写っていませんでした。
だからでしょうか? その笑顔が、私の頭の中でどうしても離れてくれませんでした。
高校生になったある日。
志姫ちゃんの帰りが遅い日がありました。
「志姫ちゃん、どこか行っていたの? 」
「・・・・別に。」
この頃から、志姫ちゃんは私と目を合わせてくれなくなりました。
しばらくして、志姫ちゃんは自分のお部屋に閉じこもってしまいました。
「ねぇ、大丈夫? 一体何があったの?? 」
「お願い、来ないで。もう私の事は放っておいて。」
「そんな訳にはいかないわ! 私は貴女が心配なの!! 」
「お姉様にはわからないわッ!! 」
私はとっても悲しくなってしまいました。
「 あぁ、どうして? どうしてそんな事を言うの? だって貴女は何も言ってくれない。貴女は私と目も合わせてくれない。
そうよ、私は貴女と一度だって目を合わせて話した事がないわ。私達、一度だって姉妹らしくあった時が無いわ! 確かに、私達、仲の良い姉妹とは言えないけれど、きっと、これからやり直せるわ! 私、信じているもの!! だから、お願い。ちゃんと私とお話しをしましょう?? 」
そうです。辛い事があっても、姉妹が一緒なら乗り越えられる!
貴女の悩みも全部、私が受け止めてあげる!!
私と貴女の人生は、きっと美しいものになる!
誰もが羨む、そんな物語になるわ!!
私は、これからの未来にワクワクしながら妹にたくさんお話をしました。
妹は、一度も返事をしてくれなかったけれど・・・・
翌日、妹のお部屋の前を通ると扉が開いていました。
「きっと私の気持ちが伝わったんだ! 」
そう思うと、嬉しくなりました。また、妹に会える。何を話そう? 私はお姉ちゃんなんだ、わからない事もいっぱい、不安な事もいっぱいだろう。だから、私がいっぱい志姫ちゃんにお世話してあげるんだ!
そんな事を考えながら、勢いよくドアを開きました。
「志姫ちゃん、一緒に学校にーーーー」
ドアを開けると、妹は顔を真っ青にして死んでいました。
侍女さん達の噂話をこっそり聞いたら、どうやら首を吊って死んでいたらしかった。
悲しかった。
悔しかった。
私の目からは一滴だって涙が流れませんでした。
だって、涙が流れる程、私達はお互いを知り合う事は出来なかったのですから。
ねぇ、神様? 私達、どこで間違えちゃったのかなぁ??
☆☆☆
「いや〜、久しぶりだねぇ、詩織ちゃん」
「はい! 月夜さんも元気そうで!! 」
説明しよう、現在我が家のリビングには
一人は『弟に甘え、がんばっている弟にはちゃんとご褒美をあげるスキンシップ大好きお姉ちゃん』こと、スウェット姿の斉藤 月夜。
続いて、『困った人はほっとけない。お世話大好きお姉様』こと、制服姿の鳥塚 詩織。
と、その他三人。
「ねぇねぇ、わたし達の紹介雑じゃない?」
「うん、ひなたくんそうゆう所あるよね。」
「次文句言ったらかいちょーの今朝の寝起き姿SNSでアップします。」
「ん〜!? 今日の晩御飯の準備でもしようかな〜っ!? 」
誤魔化した。雑に誤魔化した。
てか、あの人料理出来たんだ。
「あの〜、お二人はどんなご関係なんですか? 」
お、さすが風香ちゃん。これ聞かないと始まらないよね〜。
「「『弟妹大好き同盟』の会長とヒラ会員」」
「なんじゃそりゃ」
え、何それ? 僕のお姉ちゃんってそんな所の会長やってたの??
「そ、それって、『お兄ちゃん大好き同盟』とかは無いんですか? 」
「ちょいちょいちょーい、君は一人っ子でしょうが」
「え? あ、あぁ! うん!! そうだね!! 私一人っ子だった〜」
んもぉ〜、風香ちゃんのドジっ娘♡
「みんな今日カレーにしようと思ってるんだけど良いかな〜? 」
「「「「おっけー(です)」」」」
う〜ん、かいちょーも弟とかいそうだな。
結構面倒見良いし、男の趣味にも理解あるし、普段はだらし無いけどやる時はきちんとやる人だし。
あれ? 結構理想のお姉ちゃんなんじゃないか??
うん、間違いない。
試しに「お姉ちゃん」って呼んでみるか。
「桃花お姉ちゃ〜ん」
「待ってワンコくん、今の発言で1つの尊い命が犠牲になりかけてる。後ろ、後ろ見て、あれもう山で人間を誘き寄せて食べる化け物みたいな目した2匹のお姉ちゃんがいるから」
化け物? 全く漫画の読み過ぎですよかいちょー。
そんな物が現実にあるわけーーーー
「私の事はお姉ちゃんって呼んでくれないのに。私の事はお姉ちゃんって呼んでくれないのに。私の事は・・・・」
「お姉ちゃんは私なのに。お姉ちゃんは私なのに。お姉ちゃんは・・・・」
いた。なんか黒いオーラをユラユラさせてる化け物がいる。
あれ絶対人を喰う類。
「陽くん? 」
1匹の化け物が呟く。
「は、はい? 」
「『お姉ちゃん』って、呼んで? 」
「ひーくん? 」
もう1匹の化け物も呟く。
「貴方のお姉ちゃんは、だぁれ? 」
これはマズイ。
「お・・・・」
「「お?」」
「おやすみなさーいっ!! 」
僕は走った。誰の為でもない。保身の為。そうだ、僕は負け犬なんだ! 父さん、母さん、僕、今はまだまだ負け犬だけどこれからもがんばるよ!!
俺たちの戦いは、これからだーーーー!!
その後、斉藤邸に一人の男性の断末魔が響いたのだった。
ギャグ要素を入れてみたいのですが、ユーモアセンスが皆無なので難しいですね。がんばります。
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