3 .目覚めた彼へ、計画起動!
遅くなりすみません。
「…ここはどこだ?」
そういうと、リエジーは体を起こした。
♢♢♢
「サリー殿、報告いたします。」
リエジー様を病院に預けてお嬢様のお屋敷に帰ってきた次の日。私はクリスタから報告を受けていました。
「…なんですか?」
「サリー殿…お嬢の元婚約者が目を覚ましたようです。」
「お嬢様には報告は…?」
「まだです。」
「ありがとう。じゃあ、向かいましょう!来て。」
こんな清々しい朝からあいつに関しての報告を聞きたくないと思いつつも私は三階の掃除の手を止めて報告のために歩き出しました。
ちなみに専属メイドといってもずっとお嬢様の近くにいるかといえばそれは大間違いです。この時間帯はお嬢様が家庭教師の方から勉強を習っていらっしゃるので私は基本お嬢様のお部屋のお掃除をしてるのです。
お嬢様の部屋は一階。一階はお嬢様のお父様とお母様の部屋もございます。二階は男性使用人の部屋、三階は私も含むメイドの部屋。このお屋敷のつくりで決まったものなのです。
階段を降りていくとすぐにお嬢様の部屋がありました。
コンコン
ノックしてドアを開きました。
今日はお嬢様の嫌いな算術の勉強のようです。お嬢様がひと段落したことを見計らって声をかけます。
「すみません、お嬢様。少しよろしいですか?」
「あら、サリー!とクリスタ。どうしたのかしら?」
「…俺、忘れられてる?」
「いえ。…それでサリー、報告は?」
「流された…!」
「クリスタ、今大事な報告をしているの。…はい。リエジー様に関してのご報告が。」
ごちゃごちゃとうるさいクリスタを軽く睨み、私はお嬢様へ話し出す。
「分かりましたわ!ミエナ、少し待っといてくれるかしら。」
そう頼まれた家庭教師――ミエナはため息を吐きつつ許可を出してくれた。それを見るや否やお嬢様は歩き出した。算術が嫌なのだろう。その後ろを私とクリスタがついていく。
「それで、報告ってなんですの?」
廊下に出ると、お嬢様が尋ねてくる。そういいつつもどうやら察しているらしいお嬢様に私は答えます。
「どうやら今朝リエジー様が目覚められたようです。」
「そう、では――」
瞳をキラキラさせて見つめてくるお嬢様。その通りです。
「ボコボコリエジー計画第二ラウンドといきましょう!」
「ええ!」
お嬢様がうなずいていらっしゃる…!可愛い。
「では、作戦の確認としましょう。まずは、彼に会いに行きます。そして、めいいっぱい睨むんです!きっと、天使のように可愛らしいお嬢様に嫌われるとわかれば精神的にボコボコに出来ること間違いなしです!そして、その後に言うのです!どうして婚約破棄したのですか!と。」
「キャァァァ!サリー、かっこいいわ!」
「ふふ。よかったですわ!」
「…え?普通だよな?浮気で婚約破棄された方がなんでしたの、っていうの普通だよな?カッコいいというより怒ってるだけだよな?」
クリスタは考え込み出してぶつぶつ呟いていたが拉致があかないので、考えることをやめた。英断である。
「その後は1000イオルを取り敢えず貰いましょう。これで終わりです!」
「サリー、あなた素晴らしいわ!」
「身に余る光栄です。」
サリーは頭を下げる。と、最後に相談することがあることを思い出した。
「お嬢様、あの貴族方が投げ入れたお金のことなのですが、リエジー様と半分ずつの取り分としてお嬢様の分は旦那様ーーお嬢様のお父様に預けさせてもらってもよろしいでしょうか?」
「えーと、一応医療費としてリエジー様の方が多くしておいた方がいいかもしれない。あとサリー、貴方の分は…」
「いりませんわ。お嬢様が持っていらっしゃる方がお金も幸福でしょうから。」
「そんなことはないだろうけど…ありがとう。」
お嬢様、サリーにはその笑顔が何よりの価値でございます。そうやってにっこりする彼女はサリーがそう思っていることを知らない。
「なんで、ボコボコリエジー計画とか言ってお金しっかり分けるって結局お人好しじゃねぇか。」
クリスタがそういって苦笑していることを。
とはいえ、なんやかんや二人を許容しているクリスタの雰囲気は柔らかく穏やかな時間が流れていた。
「って、ゆっくりしてる場合じゃない!算術の授業戻らないと!ミエナが怒っちゃう。」
しばらく三人で立ち止まっていたがおよそ3分ほど経過した頃オルレお嬢様が授業中だったことを思い出されました。
「それは、戻らないとですね。お嬢様、頑張りください。」
「ええ!頑張るわね!」
そういうとお嬢様は戻っていきました。
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