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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

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第77話 反転への狼煙

 ミヅキが、

 空白の頁へ記した文字を見つめる。


 静かな空気。


 やがて。


 本を、閉じる。


 ――また、

 長居をしてしまった。


 ――早く戻らないと……。


 ミヅキが、

 入口の方へ視線を向ける。


 その時。


 ふと。


 部屋の中央にある魔光石へ、

 目が止まる。


 ――それにしても……。


 ――大きな魔光石ね……。


 ミヅキが、

 静かに近づく。


 淡い光。


 その表面へ、

 そっと触れる。


 次の瞬間。


 強烈な光が、

 部屋を包み込む。


「っ……!」


 ミヅキが、

 咄嗟に腕で目を覆う。


 白い光。


 魔力の奔流。


「うっ……」


 やがて。


 光が、

 静かに収まっていく。


 部屋は再び、

 淡い光へ戻る。


 ミヅキが、

 ゆっくりと目を開く。


 呼吸が、

 わずかに止まる。


 ――これは……。


 ――魔力が、

 広がっている……。


 ――この国を、

 覆うように……。


 ゆっくりと息を吐く。


 ――私の魔力と、

 共鳴したのか……?


 ミヅキが、

 自らの手を見る。


 不思議な感覚。


 ――魔力の繋がりを、

 刻まれたような感覚……。


 ミヅキの瞳が、

 静かに細まる。


 ――もしかすると……。


 ――エクリシウスの円環は、

 まだ完全ではないのかもしれない。


 思考が、

 静かに繋がっていく。


 ――それぞれの国の遺跡で、

 同じようなことを起こせれば……。


 ――それが、

 反転への狼煙になるのかもしれない……。





 外。


 空は、

 すでに暗くなっていた。


 冷たい夜風が、

 遺跡を吹き抜ける。


 光が、揺れる。


 魔光石。


 それを持った手が、

 大きく振られている。


「おーい!」


 リオラが、

 こちらへ駆け寄ってくる。


「また、

 何してたのよ」


「遅かったから、

 心配したわ」


 ミヅキが、

 わずかに目を細める。


「何度も、

 すみません」


 リオラが、

 小さく息をつく。


「早く、

 みんなのところに戻りましょ」


 二人が、

 歩き出す。


 遺跡の中心部へ。


 リオラの持つ魔光石が、

 静かに揺れる。


 その少し後ろを。


 ミヅキが、

 歩いていく。


 ――外へ出ても……。


 ――以前より、

 強い魔力を感じる。


 ――この地から……。



 やがて。


 リオラとミヅキが、

 中心部へ戻ってくる。


 火が、

 揺れている。


 人々が、

 その周囲を囲んでいた。


 静かな声。


 食事の匂い。


 ミヅキが、

 周囲を見渡す。


 ――レグルスは……。


 魔力を辿ろうとした時。


 リオラが、

 口を開く。


「レグルスなら、

 エクリシア王国の様子を見に行ったわ」


「明日には、

 帰ってくるでしょ」


 ミヅキが、

 静かに頷く。


「そう……ですか」


 静かに、

 意識を巡らせる。


 ――魔力は、

 こちらへ向かっている……。


 ――戻ってくる途中のようね。


 その時。


 リオラが、

 周囲を見渡しながら口を開く。


「少し――」


「ほんの少しだけど」


「人の暮らしっぽく、

 なってきたわ」


 火の光。


 人々の笑い声。


 運び込まれた廃材。


 ミヅキが、

 静かに目を細める。


ここまで読んで、少しでも面白いと感じていただけたら、

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引き続き、お付き合いいただければ嬉しいです。


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