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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

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第76話 抗いの名

 ――エクリシウスを倒すことができるのは……。


 ――レグルスだけ。


 ミヅキが、

 静かに頁を見つめる。


 やはり。


 彼に頼るしかない……。



 ミヅキの視線が、

 さらに下へ落ちる。


『これから私は、


レグルスと共にアウレリアへ向かう』


『エクリシウスを倒すための、


同志を求めて――』


 そこで、

 大賢者の記述は途切れていた。



 ミヅキが、

 静かに頁をめくる。



 空白の頁。



 その次。


 最後の頁に、

 別の筆跡が残されていた。



 ミヅキの目が、細まる。


 ――これは……。


 ――後世に、

 書き足されたもの……?


 静かな空気。


 ――ここへ辿り着いた者が、

 他にもいた……?


 ミヅキが、

 静かに読み進める。


『ここで、

歴史の真実を知る』


『王国を、

かつてのエクリシウスの城へ移し』


『エクリシア王国と名を変えてから、

約二百年が経過した』


 ミヅキの瞳が、揺れる。


 ――今からだと、

 五百年ほど前か……。


『私は、

あの城に不穏な魔力を感じていた』


『倒されたエクリシウスの魔力は――』


『わずかに、

残っているのではないか』



『レグルスは、

この地に封印されている』


『地下から、

今も魔力が漏れ出している』


『私では、

近づけないほどの――』


『作り話ではなかった』


『まだ、

生きている』


『エクリシウスが復活した時は――』


『レグルスの封印を、

解くことができるのか』


 ミヅキが、

 静かに息を呑む。


 さらに、

 読み進める。


『大神官の一族は、

自分たちに都合のいいように』


『歴史を書き換えている』


『何が目的なのか』


『エクリシウスは神』


『レグルスは、

裏切り者』


『なぜ、

このようなことに』


『我々王家は、

何の力も持たない』


『実権は、

あの一族にある』


『後世の者へ、

私ができることは』


『ほとんど、

ないのかもしれない』



 そこから先だけ、

 筆圧が強くなっている。


『エクリシウスが復活した時――』


『その時のために』


『レグルスを、

アンタレスと呼ぶことで』


『抗う意味を、

残せればと思う』


『誰かが、

気づくことを願って――』


 ――アンタレス……。



 ――時代の流れで、

 変わっていったものではなく。



 ――そこには、

 意図があったのね……。



 ミヅキが、

 静かに筆を取る。



 最後の頁。



 残された空白へ、

 文字を書き記していく。


『エクリシウスは、

復活した』


『レグルスと共に、

この災厄を終わらせる』


『ここに残された意志を、

無駄にはしない』



『ミヅキ・セレナリス』


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