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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

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第75話 レグルスとエクリシウス

 レグルスが、

 森を抜ける。


 さらに進む。


 やがて。


 遠く。


 レグルスの視線が、

 止まる。



 エクリシア王国が、

 あった場所。



 その場所を、

 巨大な闇が覆っている。


 黒い魔力が、

 渦巻いている。



 レグルスの目が、細まる。


 ――あの闇を、

 どうにかしなければ……。


 ――近づくことすら、

 できない。


 レグルスの目が、

 さらに細まる。


 ――まだ、

 力を高め続けている……。




 渦巻く闇。


 その中心。


 エクリシウス。


 闇が、

 静かに揺らいでいる。



 ――この魔力……。


 ――レグルスか。



 黒い魔力が、

 揺らぐ。



 ――やはり、

 魔力は私が上だ。



 わずかな沈黙。



 ――だが……。


 ――油断はできない。



 闇が、

 さらに膨れ上がる。


 魔力が、

 この地へ集まり続けていた。






 地下の部屋。


 魔光石の淡い光が、

 静かに部屋を照らしている。



 ミヅキが、

 記述を見つめる。



『ある青年について、

ここに記しておく』



『レグルス――』


 ミヅキの瞳が、揺れる。



 ――ここに、

 わざわざ記しているということは……。



 ――やはり、

 彼には何か秘密が……。



 ミヅキが、

 さらに読み進める。



『銀色の髪の青年』


『強大な魔力を秘めている』



『しかし――』


『穏やかな魔力』



『私は最初、

気がつかなかった』


『この青年が――』


『昔、

私が助けた赤子だったということに』



『エクリシウスの城を、

偵察した時だった』


『赤子が、

捨てられていた』


『赤い髪をした、

 幼い子だった』


『そこに、

アウレリアの魔力を感じた』


『さらに、

わずかにエクリシウスの魔力も……』


『アウレリアから、

連れ去られたのか……』


『赤子は、

今にも息絶えそうな状態だった』



『私は、

魔力を分け与えながら』


『セレナリス王国へ連れ帰った』


『そして、

孤児院へ預けることにした』


『その後、

関わることはなかった』



 ミヅキが、

 頁をめくる。



『これは、

私の仮説だが――』


『アウレリアと、

セレナリスの魔力が混ざり合い』


『まるで、

連なる光のように――』


『この強大な魔力が、

生まれたのではないか』



 ミヅキが、

 静かに目を伏せる。



『レグルスには、

申し訳なく思っている』


『王家の尻拭いを、

させようとしている』



『しかし――』


『エクリシウスを倒すことができるのは』


『おそらく――』


『レグルスだけだ』


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