表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/126

第73話 影の名

 大賢者が、記した本。


 ミヅキが、静かに頁をめくる。



 ――セレナリス王家の罪……。


 ――どういうこと……?



 そこに記されていた言葉。



『今より、五百年ほど前――』


『セレナリス王家の皇太子は、

虚弱な体質であったという』



 ミヅキの目が、細まる。


 ――今からだと、

 千五百年前くらいか……。


 さらに、読み進める。



『魔力も、極めて弱かった』


『王族たちは、

皇太子を継承者として見ていなかった』


『蔑む者さえ、

少なくなかったという』



 頁を、めくる。



『それが、

皇太子を追い詰めたのではないか』


『そう記された記録も残っている』



『王国内の異変に、

もっと早く対処すべきだった』



『城内で、

人が消えていた』



『消えていたのは、

主に王族へ仕える者たち』



『身分の低い者たちであったことも、

理由の一つだったのだろう』



『王族や賢者たちは、

大きな問題として捉えていなかった』



 ミヅキの目が、止まる。



 頁を、めくる。



『事態が大きく動いたのは、

第二皇子と賢者の一人が消えた時だった』



『そこでようやく、

王国は調査へ乗り出した』



『調査によって、

最初に消えていた者たちは』


『皇太子と関わりの深い者たちだったということ』



 ミヅキの瞳が、揺れる。



『皇太子を疑い始めた一人の賢者は、

恐ろしい光景を目にする』



 頁をめくる手が、止まる。



『皇太子が、

人を喰らっていたのだ』



『皇太子の魔力は、

すでに一人の賢者を上回っていた』


『賢者たちは、

王族の地下施設へ皇太子を封じることを選んだ』


『王国中の賢者たちが、

協力したと記されている』



 ミヅキの指が、

 わずかに止まる。



 頁を、めくる。



『それで終わったと――』


『当時の王国は、

考えていた』



『だが、

半年ほどが過ぎたある日』


『様子を見に行った者は、

地下で異変を目にする』



『そこに、

皇太子の姿はなかった』



『そこには――』



『影が、

蠢いていた』



 ミヅキの瞳が、揺れる。



『王族や賢者たちへ報告されるが、

すでに封印は破られていた』



『影は、

地上へ現れた』



『一人の賢者が問う』


『あなたは、

皇太子殿下なのかと』



 ミヅキが、息を呑む。



『影が、答えた』



『我が名は――』


『エクリシウス』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ