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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

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第69話 終わらぬ意志

 ミヅキが、階段を上り切る。


 外。


 空は、すでに暗い。


 冷たい夜風が、吹き抜ける。



 その時。


 光が、揺れる。



 魔光石。


 それを持った手が、大きく振られている。



「おーい!」


「大丈夫!?」


 リオラが、駆け寄ってくる。


「遅かったから、心配したよ」



 ミヅキが、わずかに目を細める。


「ええ」


「思ったより、階段が長くて」



 リオラが、息をつく。


「早く、みんなのところに戻りましょ」


「明日から、また大変よ」



 ミヅキが、小さく頷く。


「そうですね」


「早く戻って、休みましょうか」



 二人が、歩き出す。


 遺跡の中心部へ。



 リオラの持つ魔光石が、揺れる。



 その少し後ろを。


 ミヅキが、歩く。


 ――この場所には、まだ何か残っているかもしれない。


 ――きっと、大賢者が……。






 リオラとミヅキが、戻ってくる。


 遺跡の中心部。


 人々が、火を囲んでいる。



 揺れる炎。


 小さな話し声。


 疲れ切った空気。



 その中で。


 ふと。


 ミヅキの視線が、少し離れた場所のレグルスと合う。



 レグルスが、目を細める。


 ――この地の魔力。


 弱まっていたが……。


 視線が、ミヅキへ向く。


 ――ミヅキの魔力……。


 さらに。


 リオラへ。


 ――リオラの魔力も……。


 二つの力が。


 共鳴するように。


 高まっている。


 ――二つの王家の力……。



 その時。


 リオラが、声を張る。


「みんな、今日はお疲れ様!」


「また明日から、頑張っていきましょ!」



 人々の視線が、集まる。


 少しだけ。


 空気が、和らぐ。



 そして。


 人々が、それぞれの場所へ散っていく。


 休息を取れる場所へ。






 夜が、更けていく。


 遺跡は、一段と静まり返っていた。



 レグルスが、腰を下ろす。



 視線の先。


 小さくなった火が、揺れている。


 静かな炎。



 レグルスの目が、細まる。


 ――俺の中にある、エクリシウスの魔力……。


 ――あの時。


 ――エクリシウスに戻ったことで……。


 拳が、わずかに握られる。


 ――やつの力が、上回っている。


 ――さらに、魔力を高める方法……。



 ――いや。


 ――それ以外で、勝つ方法を考えなければいけないか……。



「レグルス殿」


 背後から、声。


 レグルスが、振り返る。



 メルクリウス。


「少しは、休んでくださいね」



 レグルスが、小さく頷く。


「ああ」


「お前も、少しは休んだらどうだ」



 メルクリウスが、小さく息をつく。


「剣士団は、順番に休憩していますので」


「私も、もうすぐ休みます」



 少しの沈黙。


 火の音だけが、響く。



 やがて。


 メルクリウスが、口を開く。


「これから……どうなるのでしょうか」


「あの……」


「王国を破壊した闇は」


「倒すことが、できるのでしょうか」



 レグルスの視線が、火へ戻る。


「わからない」


「今の俺は……」


「あいつに、勝てない」



 メルクリウスの目が、見開かれる。


 言葉が、止まる。



 だが。


 レグルスが、続ける。


「ただ――」


「太陽の王と、月の王」


「二人がいる」


 炎が、揺れる。


「まだ、続いている」


「千年……いや、それ以上前から続く意志を」


「ここで、終わらせるわけにはいかない」


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