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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

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第68話 さらに古い気配

 リオラに案内され、遺跡の中を進む。


 後ろを、ミヅキが歩く。



 崩れた石壁。


 伸びた草。


 静かな遺跡。



 リオラが、辺りを見渡す。


「たしか、この辺りなんだけど……」



 一歩。


 また、一歩。



「……ここだったかしら」


 視線が、止まる。



 崩れた壁。


 リオラが、駆け寄る。



 覗き込む。


 地下へと続く、階段。



 リオラの表情が、明るくなる。


「ここだわ!」


 振り返る。


 手を振る。


「あったよー!」



 ミヅキが、駆け寄る。



 リオラが、指を向ける。


「この階段を降りていったら、部屋があって……」



 ミヅキの視線が、暗闇へ向く。


 静かに。


「ありがとうございます」


「ここからは、私一人で行きます」



 リオラが、目を見開く。


「えっ?」


「一緒に行くよ!?」



 ミヅキが、首を振る。


「大丈夫です」


「危険な感じは、しませんし」



 リオラが、息をつく。


「……わかったわ」


「気をつけてね」



 ミヅキが、頷く。


 そして。


 階段を、降りていく。



 少しずつ。


 暗くなっていく。



 ミヅキが、杖を握る。



 魔力を、流す。


 杖が、淡く輝く。


 石壁を、照らす。


 さらに、下へ。



 静かな足音が、響く。



 ミヅキの視線が、揺れる。


 ーー石壁の古さが、違う。

 千年前のものではない。


 ――レグルスの封印が決まる前から、

 この地下は存在していた……?


 ――いったい、何のために……。



 一段。


 また、一段。



 ――どうやって。


 ――レグルスの、あの魔力を。


 ――千年も、封じ続けたの……。



 ミヅキの目が、細まる。



 ――部屋まで行けば。


 ――何かわかるかもしれない……。




 湿った空気。


 ひんやりとした、石の感触。


 長い階段を、降り切る。



 その先。


 石の扉が、現れる。


 ミヅキの目が、細まる。


「ここが……」


 扉は、完全には閉じられていない。


 わずかに、開いている。


 ミヅキが、慎重に中へ入る。



 狭い空間。


 残された鎖。


 壁に埋め込まれた、金具。



 ミヅキが、静かに目を閉じる。


 魔力を、探る。


 部屋全体に。


 レグルスの魔力が、残っている。



 ミヅキが、鎖に触れる。


 わずかな、反応。


 魔力。


 ――レグルスを封印するための……?


 だが。


 弱い。



 ミヅキの視線が、揺れる。


 ――これだけでは……。



 部屋を、一通り見渡す。



 だが。


 決定的なものは、見当たらない。


 ――やはり、大したことは……。


 ミヅキが、扉へ向き直る。



 その時。


 違和感。



 足が、止まる。



 ――この魔力は……。


 静かに、振り返る。



 空気の奥。


 さらに、別の気配。



 ――いったい……。


 ミヅキの瞳が、わずかに開く。


 ――レグルスが封印されるよりも前。


 ――誰かが、ここに……。


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