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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第四章 残された光

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第67話 再建の始まり

 月の遺跡。


 崩れた石造りの建物。



 その合間を、人々が行き交う。



 不安。


 混乱。


 ざわめき。



 その中で。


 リオラが、声を張る。


「とにかく、今は住む場所と食料よ!」


「ここを確保できなきゃ、エクリシウスもへったくれもないわ!」


 剣士団の視線が、集まる。



 リオラは、空を見上げる。


 太陽が、傾き始めている。



「今日のうちに動かなきゃ、暗くなっちゃうわ」


「火の確保!」


「食料になりそうなものも集めて!」


「できるだけ、遺跡から離れないように!」



 剣士団が、動き出す。


 散っていく。



 木を集める者。



 周囲を警戒する者。


 食べられそうな植物を探す者。


 崩れた建物の中を、調べ始める者。



 少しずつ。


 人の流れが、形になっていく。



 だが。


 誰もが、時折視線を向ける。


 遠く。


 エクリシア王国の方角へ。




 リオラが、竜を連れて歩く。


 遺跡の中心部から、少し外れた場所へ。


 木々と、崩れた石壁。




 竜が、低く唸る。



 リオラが、振り返る。


「悪いけど、この辺りを使ってくれる?」


「みんな、まだ警戒しちゃうからさ」



 竜が、静かに座る。



 リオラが、腕を組む。


「うーん……」



 赤い鱗。


 大きな翼。


 角。


「……ドラゴン、ね」


 少し考える。


 だが。


「まあ、今はいいか」



 リオラが、その場を離れる。



 遺跡の中を、歩く。


 崩れた建物。


 石畳。


 伸びた草。



「……たしか、この辺りなら」


 足が、止まる。


 建物が、原型を保っている。


 壁も、残っている。


 リオラの目が、わずかに開く。


「やっぱり……」


「ここなら、雨風は凌げそうね」



 だが。


 入口付近。


 崩れた柱。


 倒れた門。


 瓦礫が、道を塞いでいる。



 リオラが、ため息をつく。


「……レグルスに整備してもらいましょうか」





 空は、まだ明るい。


 だが。


 人々は、自然と戻ってきていた。



 枝や、乾いた木片。


 わずかな食料。


 抱えて、戻ってくる。


 火を起こす準備が、始まる。



 リオラが、周囲を見渡す。


「とりあえず、一晩はしのげそうね」


「みんな、ありがとう」


「明日に備えて、早く休みましょ」



 その時。


 ミヅキが、近づいてくる。


 指を向ける。


「あちらに、水源がありました」


「当分、水の心配はないかと」



 リオラの表情が、少し明るくなる。


「さすが、ミヅキね」


「頼りになるわ」



 だが。


 ミヅキの表情は、変わらない。


 少しだけ。


 声の調子が、落ちる。


「……レグルスさんと、初めてここで出会った時」


「地下があったと、話していましたよね……」



 リオラが、不思議そうにミヅキを見る。


「……そうね」



 ミヅキが、静かに口を開く。


「その場所に、案内してもらえませんか?」


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