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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第三章 太陽と月、そして影

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第58話 影との衝突、開戦

 廊下。


 壁に手をつき、ミヅキは歩く。


 足取りは、重い。



 ……この時間なら。


 聖職者たちは、まだ動かない。


 息が、浅い。


 ……あの二人は、まだ太陽の王国。


 戻ってくるまで――。



 角を曲がる。


 人影。


 給仕と、鉢合わせる。



「ミヅキ様!?」


 慌てて駆け寄る。


「どうされました」



 ミヅキは、息を整えきれないまま。


「……お願いがあります」


「メルクさんに……」


「東門へ、すぐに……」


 言葉が、途切れる。



 給仕が、戸惑う。



 ミヅキは、さらに力を込める。


「急いで……!」



「……わかりました」



 給仕は、走る。


 剣士団の宿舎へ。



 ミヅキは、再び歩く。



 東から、魔力が現れた。


 突然に。


 ――エクリシウス。


 なぜ……


 王国内に、直接入り込んでこない。



 ……まだ、守られている。


 この王国は。


 ーー大賢者の、魔力によって。





 剣士団の宿舎。



 扉を、叩く。


 音が、続く。



 内側。


 足音。



 扉が、開く。


 メルクリウス。



「……どうした」


「こんな時間に」



 給仕が、息を切らしている。


「ミヅキ様が……」


 言葉が、詰まる。


「東門へ……」


「すぐに、向かえと……」


 息が、乱れる。



 メルクリウスの表情が、変わる。


「……ミヅキ様が」


「……わかった」


「すぐに行く」





 メルクリウスは、数人の剣士を連れて走る。


 東門へ。



 石畳を、打つ足音。


 ――何が起きている。



 前方に、人影。


 剣士が、こちらへ走ってくる。


 血の気の引いた顔。



「どうした」



 剣士は、その場に崩れるように膝をつく。


 息が、乱れる。


「影が……」


 言葉が、切れる。


「とんでもない数の影が……」


「こちらへ……」



 メルクリウスが、肩に手を置く。


 視線を、合わせる。



 ――影。


「わかった」


「俺たちは、東門へ向かう」


「お前は、国中に知らせろ」



 剣士が、頷く。



 メルクリウスは、立ち上がる。


 再び、走る。

 ――何が、起きている。





 東門。



「急げ!」


「門を閉めろ!」


「中には入れるな!」



 剣士たちが動く。



 門が、閉じられていく。



 鎖。


 扉が、閉じきる。


 音が、重なる。



 門の外で、影が迫っている。


 数が、多すぎる。



 門が、閉じ切る。



 剣士たちが、構える。


 中心に立つ剣士が、声を上げる。


「囲まれるな」


「城門を背にする」


「引きつけて、削れ」



 影が、迫る。


 ――来る。



「持ち場を守れ!」


 剣士たちが、踏み出す。



 影と、ぶつかる。


 剣。


 影を、薙ぎ払う。



 だが。


 数が、減らない。


「足を止めるな!」


「時間を稼げ!」



 剣が、走る。


 押し返す。



 だが。

 手応えが、薄い。


 ――軽い。

 削れているはずなのに。


 減らない。


 それでも。


 前へ出させない。



 だが、押されている。


 ――持たない。


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