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勇者、懲役1000年。 千年後、俺は勇者ではなく悪魔になっていた。  作者: 直助
第五章 再生の灯火

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第102話 静寂の遺跡

 巨大な魔光石の輝きが。


 ゆっくりと、

 少しずつ淡くなっていく。


 地下空間に残る、

 静かな光。


 ミヅキは、

 石棺を見つめていた。


 ――残っていた……。


 静かな思考。


 ――王家の魔力が。


 ――レグルスへ流れている。


 そして。


 魔力の流れを追うように、

 レグルスを見る。


 ――太陽の王家の魔力が、

 強まっている……。


 リオラが、

 レグルスとミヅキを見る。


「これで――」


「魔力は刻めた?」


 レグルスが頷く。


 ミヅキも、

 静かに頷いた。


 わずかな沈黙。


 そして。


 ミヅキが周囲を見渡す。


「あとは……」


「どうやって、

 ここから出るか……」


 石棺。


 壁。


 閉ざされた空間。


「ここで行き止まり……」


 その時。


 ミヅキの表情が、

 わずかに変わる。


 ――でも……。


 ――空気の流れを感じる……。


 レグルスも、

 周囲へ視線を向ける。


 そして。


 再び魔光石を見る。


 その瞬間だった。


 魔光石の光が、

 一筋だけ伸びる。


 静かな光。


 それは。


 地下空間の壁へ向かっていた。


 三人は、

 自然とその先を見る。


 壁には。


 アウレリア王家の紋章が刻まれていた。


 太陽を象った紋章。


 三人は、

 導かれるように歩き出す。


 光の先へ。


 王家の紋章へ。


 リオラが、

 紋章を見つめる。


「ここに……」


「なにかあるのかしら」


 レグルスは、

 静かに紋章へ手を伸ばした。


 そっと触れる。


 その瞬間。


 レグルスの目が見開かれる。


 感触がない。


 壁へ触れたはずの手が。


 そのまま奥へ沈んでいった。


 リオラとミヅキも驚く。


 リオラが、

 恐る恐る壁へ手を伸ばした。


「うわっ」


 思わず声が漏れる。


「ホントにすり抜けた……」


 そして。


 そのまま壁の奥へ入っていく。


 レグルスも続く。


 ミヅキも、

 静かにその後を追った。


 壁を抜けた先。


 そこには、

 細い廊下が続いていた。


 地下の空気。


 古い石壁。


 そして。


 その奥には、

 上へ続く階段が見える。


 三人は、

 自然とそちらへ歩き出した。


 階段を登る。


 一段。


 また一段。


 長い石段だった。


 やがて。


 前方から、

 わずかな光が差し込んでくる。


 地上の光。


 リオラが、

 少しだけ表情を明るくした。


「出口……?」


 三人は、

 さらに階段を登っていく。


 そして。


 ついに最上部へ辿り着いた。


 だが。


 出口は完全には開いていない。


 崩れた柱。


 瓦礫。


 積み重なった石壁が、

 天井を塞いでいた。


 レグルスが、

 上へ手を伸ばす。


 外の空気を感じた。


 リオラが、

 少し不安そうに見つめる。


「大丈夫?」


「行けそう?」


 レグルスは、

 小さく頷いた。


 そして。


 力を込める。


 瓦礫を押し上げた。


 重い音。


 崩れる石。


 差し込む光。


 次の瞬間。


 外の空気が、

 一気に流れ込んできた。


 レグルスは、

 そのまま地上へ這い上がる。


 周囲を見る。


 静かな遺跡。


 崩れた建物。


 風だけが吹いていた。


 ――影は、

 もう消えている……。


 レグルスは、

 穴の下を見下ろす。


「手を貸す」


 まずリオラを引き上げる。


 続いてミヅキも。


 二人が地上へ出る。


 リオラは、

 大きく息を吸い込んだ。


 外の空気。


 青空。


 そして。


 静かな遺跡。


「影も消えたし……」


 安堵したように笑う。


「どうなるかと思ったけど……」


 小さく肩を落とす。


「なんとかなったわね」


 レグルスとミヅキは、

 静かに頷いた。


 リオラが、

 ぱっと前を向く。


「さっ!」


 明るい声。


「ドラゴンのところに戻りましょうか!」


 そう言うと。


 リオラは、

 先頭で歩き出した。


 レグルスとミヅキも続く。


 三人は、

 遺跡の入口へ向かって歩き始めた。


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