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俳句集:思ひ出革命 Ⅴ
□思い出革命 承前
遠雷や
鄙つ道のべみどり濃く
雨蛙
卒塔婆小町をくらべきく
夏雨や
もどる魂あり空の家
* * *
夏海や
ひろき彼方はかなしけり
異里でなきたくはなし
夏の空
白樺の花
幾年もうたはざり
* * *
万緑のなかで迷へる児は
われか
声がはりせし仔犬ども
樟若葉
花ぎぼし
めをとへりゆく里に咲く
* * *
夾竹桃
友はおしやべりよして去る
立葵
ゑみてゆらぎて
またゑみぬ
酔ひはぢて
泰山木を見あげけり
* * *
遠雷や
蟹は生地をおもひけり
雨蛙
居場所はよそにあらざるや
夕虹や
ブラスバンドの音が躍る
* * *
梅雨明けや
わらふ声声とほくまで
水鉄砲満タンにして
陽に向かふ
昼食をひそやかにまつ
夏湊
* * *
未知の坂めぐり上れば
虹のあと




