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俳句集:思ひ出革命 Ⅳ
□思い出革命 承前
あやめ咲く
とつくにびとの画帖にも
小函から逃げしものあり
夏立ちぬ
ほととぎす
同じき夢をみてさめぬ
* * *
唐糸草
あめちかづけば揺れそろふ
あじさいは知らずともよし
雲のはて
深々とねむる父あり
川鵜なく
* * *
京鹿子
けがれもつ身も夢とあり
なみだ出ぬかなしさがあり
葵咲く
雨蛙
思案して聴くはやり歌
* * *
佛壇の隅まできよし
梅雨籠
蟻地獄
ときの外なる穴で待つ
青桐や
まよひしころの懐かしさ
* * *
雷をきく
白日夢なる座敷にて
山へゆくバスおりて泣く
蓼の雨
迂回路のはては何町
つゆぐもり
* * *
懐かしく吹くオカリナや
梅雨寒し
蟹ひとり
黄昏橋をわたりゆく
晴れをまつしづかなる夏
すみだ河
* * *
蝸牛
ゆめに酔いたる朝かな




