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俳句集:思ひ出革命 Ⅵ
□思い出革命 承前
百日紅
生みの親より便りくる
老女ひとり立つこみちあり
夏の街
短夜や
しづかなる夢二つ三つ
* * *
夏空に背のびなされよ
古寺の塔
佛燈に
とほき花火の音とどく
風鈴の音の訪れや
宵惑ひ
* * *
橋占を秘めやかにせり
宵花火
けやき道
西日を影に邪気あらず
朝顔のひらきつつあり
明けの鐘
* * *
なには節きく洋間の燈
なつの月
わくら葉を落とすふるさと
鐘の音
月浮かぶのみの青空
夏の果て
* * *
おほらかな波ばかりなり
湖の秋
へだたりしひとの文よむ
今朝の秋
八月のゆらぎたる海
星を呑む
* * *
カシオペアしどけなく寝る
残暑かな
燈の入りし書斎みあぐる
鳳仙花
ふるさととよびたき土地の
蝗かな
* * *
手をさする手のむなしかる
あたたかさ




