第25話 本物
私の、せいなのか。
私の、せいなんだろうなあ。
「マジか…。本当に、目の前にある…」
「びっくり、だよね…」
急いでログアウトした私達は、リビングで当然のように壁に立てかけられている『聖盾アイスフィールド』を眺めて、呆然としている。
「なあ、ちょっと装着してみろよ」
「え、でも…」
「それともお前、このままウチに置いていくつもりかよ」
それは勘弁。まあ、私ならアイテムボックスで回収できるけど。
「そ、それじゃあ…よっと。あれ、案外軽いな…」
カチャカチャ
…
……
………
「何も、起きないな」
「え、じゃあこれ、着けたまま帰らなきゃいけないの?」
「運営会社の人に連絡して回収してもらうって手もあるけど、うーん…」
ここは、お約束を試してもらおう。
「ねえ、装着したまま『ステータスオープン』って言ってみて」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいな…。『ステータスオープン』」
ぶおんっ
「うわっ!?」
「おお、すげえ、俺にも見える! 表示見せてみろよ!」
「拓也、がっつかない」
ステータス表示には、『ユーマ』の簡易プロフィールと装備状況が記されている。
「あれ? アイスフィールドの装着しか表示されてない」
「それでいいんじゃ? 実際、この盾しか『現界』してないし」
「ゲーム内のユーマの装着状況じゃないってこと。前島さん、メニューから剣を選んで装着してみて」
「わかった」
ポチポチ
ピッ
ぶんっ
「うわっ! け、剣も出てきた!」
「すげえ、他の装備も『現界』できるのかよ!」
「でも、アイテムボックスにはアクセスできない…」
…
「なあ、これってなんか役に立つのか?」
「むしろ、おまわりさんに逮捕されそうだねえ。銃刀法違反で」
「そうだねえ…」
とりあえず、ユリシーズさんに連絡だな。ああでも、ふたりの前で私から伝えるのは変だよね。アナウンスは向こうも把握しているだろうから、連絡待ちってことでいいのかな。
とはいえ、そんなことは二の次、三の次だ。もっとマズいことがある。それは、
「でもよー、こんなことが起きるってことは…」
「イベント会場に現れた、あの『ミリアナ・レインフォール』は、本物だったってことか…」
ということを、このふたりに知られたことだ―――




