第24話 ユニークウェポン
エリア76のボス、ブルードラゴンを単独討伐すれば、ユニークウェポンをドロップする可能性がある。私がその条件を知っているのは、ある意味当然だ。私…この場合はミリアナとしてだが、既に何度もブルードラゴンを単独討伐しているからだ。
【アバター名『ミリアナ・レインフォール』がエリア76の単独攻略に成功しました。アバターが既に『魔剣レインフォール』を所有しているため、ユニークウェポンはドロップされません】
ワールドアナウンスにならなかったあたり、ユニークウェポンの存在は秘匿したいらしい。単独討伐しても必ずしもドロップするわけではないから、なおさら知られていない。
もっとも、そもそも私以外に単独討伐しようとしたアバターは皆無だったらしい。前衛と後衛がひとりずついれば討伐できる可能性はよく知られていたからだ。
と、いうわけで。
「かはっ」
どさっ
シュウウウウ…
「魔導士のヘラルドだと、1回でもブレスの直撃を受けたらHP全損しちゃうんだよね」
ひゅんっ
「くっそー! もう一回!」
「ヘラルド、今日はずっとペナルティが続くよ。あきらめなさい」
「うう…」
マイルームへの死に戻りは、ステータス半減が半日ほど続く。ゲーム内保有通貨まで半分しか使えないようになるのはやりすぎではないだろうかとも思うが。
「じゃあ、今度はボクが行くね」
「気をつけてね。剣士のユーマでも3回くらいの攻撃で終わっちゃうから」
「パーティ攻略では盾役に防御してもらっていたから、それがわからなかったってことか…」
つまり、剣士であっても単独討伐はとても難しい。普通の剣士なら。
「ふんっ!」
ぐぎゃああああああっ
ぼうっ
ぼぼぼぼぼっ
「くっ…!」
よし、ブレスを避けた! これまで中途半端に痛みを感じていたユーマだからこそ身についた回避のプレイヤースキル! なんか酷いな、私。
「うおおおおおっ」
がきんっ
ガッ
グウアアアアアアアッ
「…いける! もう一撃!」
ずしゃあっ
ガアアアアアアッッッ…
ドスン…
「やった…倒した…」
倒れたドラゴンが、光の粒となって消えていく。うん、普通はこうだよね。『魔剣レインフォール』を使うと、光の奔流で対象を封印して消しちゃうから。
【アバター名『ユーマ』がエリア76の単独攻略に成功しました。また、ユニークウェポン『聖盾アイスフィールド』をドロップしました】
よし、ドロップした! しかも、ワールドアナウンスですよ! これで少しは好奇の目がユーマの方に流れる! と、いいな。
聖盾アイスフィールドが、ユーマの左腕に自動装着される。
「これが、ユニークウェポン…」
【なお、初めて単独討伐した『ミリアナ・レインフォール』にちなみ、ユニークウェポンは現実世界に転移させることができるようになりました】
「「「…え?」」」
だから、これ誰の言葉なのよーーー!




