【00-03】日常の終焉(勇者SIDE)
ここは、学園都市内にあるとある高校。その名も、私立御託狭間学園高等学校。
この高校には、所謂オタク系の子供が多く通っており、中には行くところろまで行ってしまった子も数人存在している。
そうした結果、校則自体もとっても緩くなっており(たぶん学園都市内では、一番自由度があるかもしれない)、授業の進行の邪魔をしなければ、どんな格好でも、何をしていても構わないという事になっている。
もちろん部活動、もこれまた特殊なモノが揃っている。
鉄道研究会や、お料理研究会なんてものは結構おとなしい分類であり、中には犯罪一歩手前といった感じの部活動すら存在しているのだ。
そんな中、唯一まともなのが生徒会執行部だろうか。
なお、まともとはいっても、オタクが通う学校である。当然生徒会のメンバーは、とっても濃い連中が集まっており、生徒会長はハーレム物のラノベをこよなく愛し、自他ともに認める変態紳士である。
現在2年生で、名前は白鳥蒼佑という。
服装は、今時珍しい学ランである。まあ、改造学ランではなく、標準デザインの学ランだが、色は何故か白色だ。ちなみにこの学校の男子制服は、白色の学生服である。ロリコンな本人は、(日本古来からある)あらゆる剣術を嗜んでいる剣術オタクでもある。そのうち、現在までも続いている剣術に関しては、すでに免許皆伝の腕前である。
そんなロリコンがトップの生徒会メンバーはといえば・・・・、もちろん全員が幼女体系のロリで統一されている。つまり、生徒会長は、趣味全開(ただし4人とも校内で、トップ10にはいるほど頭がいい)のロリコンハーレムを気付いてしまったわけである。
まずは副会長の森本早苗。
身長145㎝という小柄な女の子だが、胸は標準サイズのモノもをお持ちである。蒼佑とは幼馴染でお隣さんで、家事が大得意という女の子だ。もちろん会長の好み、ドストライクである。
末期の魔術オタクであり、(できるかどうかは関係なく)あらゆる魔術関連の書籍を鬼集しており、家の書棚はそういった関連の本で埋め尽くされている。
次に書記の服部美奈絵。
1年生の彼女は、”くのいちの免許皆伝”という、実家が忍者の末裔という身長140㎝の女の子。胸はとっても大きくてDカップ。
趣味は徒手空拳を極めるという格闘技オタクであり、現在、世界中にあるそういった武術の約6割を、免許皆伝しており、その中の3割は師範の資格を持っている。
最後に会計の鴻坂真由美、16歳。
身長が150㎝で、Aカップの幼女様体型をしている女の子だ。
彼女の趣味は、御朱印集めであり、現在日本国内の寺社仏閣の約7割を、すでに制しているほどの強者である。そんな彼女の実家は、地元にあるとある有名な神社の神主の娘だ。なお、本人も趣味が祟って、その神社で巫女さんを生業にしていたりする。
なお、女子の制服は、セーラー服となってはいるが・・・・・。そこはオタク学校の制服、タダのセーラー服ではない。
セーラー服(セーラー服っぽい制服でも可)に限るという注釈は付くが、毎年デザインがコロコロと変化する。今年のデザインは、校内アンケートで1位を取った、とあるアニメの主人公たちが着用していたセーラー服だ。今はなき、東京都練馬区を舞台にしたアニメに出てきた、お金持ちの通う高校のセーフだったセーラーすくだ。そう、あのピンク色のセーラー服である。
もちろん特注であり、お値段もほかの学校よりも10倍程度高いが、男子も女子も全員がオタクであり、コスプレ大好き人間である。高かろうが安かろうが、そこら辺のお金には無頓着だったりする。
来年度の制服アンケートの結果、このセーラー服は2年連続で1位を取ってしまっているため、来年度の制服も、当然このピンク色のセーラー服になっている。
閑話休題。
「では本日の議題だが・・・・。」
生徒会室では、毎週月曜日に行われる朝の会議が始まっている。
時刻は午前7時半。他の高校では朝練が始まる時間だが、ここオタク学校は朝練などというものはない。というか、朝練をするほどの部活動がないともいう。
唯一この時間に集まっているのが、生徒会執行部という事になるのだ。
「会長、その議題を話し合う前に、今週の行事予定の確認をしませんか。」
「そうだったな、副会長。確か明日から4日間の日程で、後期中間考査があるんだったな。皆は勉強は体上部か?」
「私たちにその言葉は不要よ。」
「すまない、書記よ。」
なお、さすがオタク系学校の生徒会。
互いを呼びあうのも、名前ではなく役職であるという点が面白い。なお、そうなっている理由は、平安貴族社会のころの考え方とよく似ている理由だ。
いろいろな話し合いをしていくうちに、予鈴が鳴り響く。
「予鈴が鳴ったか。それじゃあ、本日の会議はこれにて終了だな。今日は、ここにいるメンバー全員が、それぞれ勉強会を主催するので、放課後の会議はなしとする。
では、これにてかい・・・・・。」
そこまで話し終えたところで、いきなり周囲の景色が漆黒の闇に染まった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
気が付いた時俺たちは、何処か知らないが荘厳な空気が漂う、丸い建物の中にいた。足元には淡く光り輝き、今にも消えそうな幾何学模様がある。周囲を見渡せば、宗教関係者が着ているような服装の人が、今にも消えそうな魔法陣を取り込んでいる。
ここはいったいどこなんだろう?
そんな疑問が頭をよぎるが、よくよく考えれば、大好きなラノベの世界観によく似ている事に気づいた。
つまり、名前は知らないが、ここは異世界という事だ。という事は、この足元にある幾何学模様は、所謂魔法陣というヤツなんだろう。それも(この世界における)異世界から、何かをここに召喚してくる魔法陣という事だ。
そこまで思い当たり、俺は心の中でガッツポーズをとる。
夢にまで見た異世界である。さらに言えば、状況的に、俺たちの中に勇者様がいるはず。たいていは男である俺が勇者で、女性陣の誰かが聖女様という事になるのだが、ここはあえてまだそこまで考えない事にしておく。
そうこうしているうちに足元の魔法陣が消え、周囲の景色がクリアーになる。すると、俺の視線の先にいた女の子が、俺たちの元まで歩いてくる。
そして、3mほど離れた場所で立ち止まり、いったんお辞儀をしてから自己紹介を始めた。
「ようこそお越しくださいました、勇者様方。わたくしは、宗教国家『セント=へレンズ大聖国』の大教皇の第1女、メリシア=セントピア=ヘレンシーナと申します。なお、ここセント=へレンズ大聖国では、わたくしは聖女代理をしております。」
「では俺から、詳細は省くがこちら側の自己紹介を纏めて。
まずは俺。俺の名前は、白鳥蒼佑。17歳だ。
続いて、隣のこの子は、森本早苗。同じく17歳。
次はこの子、服部美奈絵。16歳。
そして最後のこの子は、鴻坂真由美。同じく16歳。
ちなみに聞くが、この世界において、俺たちの身分はどうなっている?
もし家名を名乗る事ができない身分ならば、それぞれ、蒼佑、早苗、美奈絵、真由美と名乗る事になる。なお、家名を名乗る事ができる身分ならば、蒼佑、早苗、美奈絵、真由美が前に来る事になる。」
とりあえず俺が、王女様との話し合いの代表をする事にする。
まだ後ろの女の子たちは、放心状態で意識ここにあらずだからな。俺は、女の子たちを現実に戻しながらそれぞれ紹介していく。
「そうですね。まずはそこからご説明していきます。勇者様方の身分は、この国では『貴族に準ずる平民』となります。身分的には平民であり、本来ならば家名を名乗る事は禁じられているのですが、特別扱いで家名を名乗る事が許される平民となります。
そのためそれぞれの名前は、本日からソウスケ=シラトリ様、サナエ=モリモト様、ミナエ=ハットリ様、マユミ=コウサカ様となりますのでお間違えのなきように。」
「わかった。今後はそう名乗る事にする。」
『貴族に準ずる平民』ですか。特別待遇もいいところだな、・・・・・これは。
「ではどなたが勇者様なのかを確認したいと思います。わたくしに続いて、こう呪文を詠唱してください。
『我は願うは、技能と能力を司るウワハル神よ
汝の加護の下に我の現在を映し出す不可視の御板を出現願う
ステータスオープン』」
俺たち4人が、王女様の後に同時に唱えると、目の前に半透明の黒っぽいプレー夜が現れた。これが、ステータス画面というわけか。
ステータス画面を確認すれば、『勇者』という文字が、俺のステータスに輝かしく存在していたのだった。




