第9話 -救済-
「そ、そんな適当!騙されないぞ!!」
焦りながら、よくも威勢を張りながら、攻撃も止めずに続けるものだ。
だが、疲れも、焦りも、着実に出てきているな。
それはほかの奴らも同じだろう。
俺はすべての攻撃をかわしながら話を続ける。
「いーや、本当だよ。じゃあ手始めに……お前のさっき言ってたスキル、代々受け継ぐ特別なスキルだな。それを当てようじゃないか。」
「そ、そんなこと──」
「できないってか?」
「──っ」
これは、できるかもしれない、と思い始めてるな。
じゃあ後は事実をそのまま告げるだけだ。
「お前のそれは……読心。つまり、心を読む魔法だ。」
「っ……そうだ。」
ふむ、もう折れるのも時間の問題か。
じゃあ、疲れてきたしそろそろ終わりにするかな。
そう考えた俺は、探知していた全員を空間魔法によってフェイの近くに落とす。
「なっ。」
「さすがに疲れた。もういいだろ?」
そう言いながら、魔力を縄のようにし、全員を拘束する。
これで、簡単には動けない。
「ちなみに、助けはこないぞ。お前らと接敵したときから、俺の結界の中、つまり偽物の世界の中だったからな。」
「……は?」
もういらないか。
そう考えた俺は、結界を真っ黒な世界へと変える。
なかなか精密な世界を偽造するってのは、面倒だし疲れるからな。
「お前が、俺がハルカに関係するって気づいた理由、大体わかるが、お前の口からいえるか?」
そう尋ねると、不服そうながらも答えた。
完全に折れたな。
「……さっきあなたが当てたように、私のスキルは読心です。これは代々受け継いだもので、学園内のできる限りの人間の心を読み、危険な思想を排除する役割を持っています。特に、ハルカさんが転入するとなってからは、その命はより一層強まりました。そんな中、一人だけ、イレギュラーがいたんです。」
「俺だな。」
「そう、EからSクラスまで、全員の心を読んできましたが、唯一あなただけ、心を読み取ることができなかったんです。最初は何も考えてないバカだと思った。なぜなら、学園最弱で名が通っていたから。でも、そうとは思えなかった、ずっと、ずっと。そして、今回の事件が発生してから、もう一度全員の脳を読み取り、調べましたが、学園内では特に怪しい人がいなかった……だから、あなたが怪しいと思った。」
やっぱり、こいつは賢いな。
放っておけば、後々、計画に支障をきたしたかもしれない。
まぁ、そんなことは起こらないのだが。
「大体正解だよ。俺は最初から、お前の読心をレジストし続けたし、ハルカをどうこうしたのだって俺だ。」
「やっぱり──」
「ただ、二つ違う。一つ目、俺はハルカを殺したってことだ。」
「……は?勇者が……死んだ???」
「そして二つ目、俺はハルカを救うってことだ」




