第8話 -死にたい私はバレました-
「……何言ってるんすか」
とりあえず、とぼけることにした。
まぁ、こいつが何を言いたいかわかってはいるが。
「わからないですか?あの件についての話です。転入初日で行方不明となってしまった、ハルカさんについてですよ。」
「あぁ、片手間に探してはいるが、まぁ俺に見つけられるわけねーわ。他を当たれ」
俺がそう言っても、食い下がろうともしないで続ける。
「だ~~か~~ら~~~~」
「──君がやったんでしょ?彼女を開放してください。要件はそれだけです。」
ふむ、どうやら俺がハルカに関わっていることはわかっているらしい。
ただ、殺したということには気づけていないらしく、誘拐した、とでも思っているみたいだ。
ならば、あくまで自然に、冷静に、俺にはそんなことできないと証明すればいい。
「なんでそうなるんだ、俺は知ってのとおり、学園最弱だぞ?というか俺がそんな事してなんに──」
俺が話している時、足元の地面が変形する。
それはとげのように尖って俺を襲う。
アースニードルだ、それをひょいと体をひねってよける。
が、すぐさまそれは空気に溶けるように消えてしまった。
どうやら、幻影を見せられただけだったようだ。
「なるほど、避けたのは失敗だったか。」
「なにが学園最弱だ!!あのEクラスで──いや、あの学園で最強に足りうる化け物が!!」
フェイはそう言いながら、立て続けに攻撃を続ける。
次は本物だ。
どうやらさっきの攻撃に見えた幻影は俺を精査……最終確認みたいなものだったのだろう。
あれを避けるか、避けられないか、はたまた幻影だと見破ったうえで避けないのかを見分けるための。
だが、俺は避けてしまった。
それは、Eクラスではありえない実力を隠していることの証明となってしまったということだ。
上下左右、前も後ろも、とてつもない量の攻撃が俺を襲う。
だが、俺はすべてするすると避けながら思考を続ける。
地、水、火、それに幻影も混ざっている。
4種以上の属性の攻撃、この速度……間違いない。
「囲まれている……か。──計5人ってとこだな。」
「なっ!?」
フェイの顔が歪む。
どうやら当たりらしい。
それでも攻撃を止めないところを見るに、なかなか戦いに慣れているようだ。
「まぁ、戦闘ってよりいじめに近いけどなぁ。」
「──なぜ反撃してこないんです??」
こいつは息を切らしながらそう問いかける。
当然のように攻撃をすべて最小限の動きで避けながら答える。
「そりゃ、俺が攻撃しても意味ないくらい弱いからなぁ。こんないじめみたいなことはやめて、おしゃべりでもしようじゃないか?そうだ、なんでハルカに関わっていると思ったんだ?」
「うるさい!!…………それは、私の、スキルに、理、由が、あります!」
折れかけてる……か、油断を誘おうとしているか、話に応じてくれるようになったな。
なら、そろそろ現実ってやつを突き付けてやるか。
「そうだな、知ってる。」
「──?!」




