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「TS」エルフの人生は長すぎる  作者: おおかみみみ
やくそう留学した事になった編
11/12

初日からエルフの作法を学ぶ

よろしくお願いします


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ああ······、うん······?


私は少しだけ、気を遠くしていたようだな

鼻腔を花の蜜ような甘たるい香りがくすぐった


気がつくと体にまとわりついた蔦は消えていて

ホワイトエルフの少女に背負われていた


「歓迎するよ、ここが妖精の森の唯一の入り口になる。人間達はこの辺りを幽明の境となど呼んでいるらしいが、ただの我々の棲みかだよ」


いくつの部屋があるのだろう

森の中に存在するには、いささか大きく真っ白な屋敷がそこにはあった


私は彼女の背から降ろして貰った

少しフラフラする


「大きい建物ですね」

「おかしな連中を相手にするには、こういった物も必要になってくる」


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·


私が案内されたのはやたらに豪奢な広い一室だった

置かれている調度品はどれもが、エルフ風ではなかった。奥の方には天蓋つきのベッドまである

私には金をかけすぎた子供部屋に見えた


「飲み物を運ばせよう」


ホワイトエルフの代表者がそれだけ言うと

すぐに、エプロンを着けたエルフ娘がワゴンを押してやって来た


流麗といって良い動作で紅茶と(ざる)に乗ったにんじんがテーブルに配膳された

瑞々しい葉の付いたにんじんは、私が知るものよりも小ぶりで細く表面がでこぼこしていた

とても新鮮そうだった




······にんじん?


·

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·


紅茶の香りが部屋の中を包みました

にんじんは嫌いではない、だから大丈夫

気を取り直して聞きました


「ええと、これは?」

「遠慮はいらないよ、君らの最大の嗜好品であるにんじんだ。今朝、思い立ってね掘りに行ったのだ、存分に楽しんでくれ」


生まれて初めて見る生にんじんは、葉っぱも皮もそのままだった

とても自然体でした。せっかく、手ずから掘りに行ってくれたようですが

これをどうしろと?


「そういうことでなくて······、初めて見る野菜なんですけど」


私はいつも、そういうことにしているから今日もそうした


「そうか、今は食べられていないのか。悪かったね、食べ方の作法を教えよう」


著名者さんは、にんじんの葉っぱの方をつかむと

尻尾から食べ始めました

解りやすい作法でしたが、これは断りにくくなってきました


まー、食べられ無いことは無いだろと

私も尻尾のの先からかじりました


コリコリと口の中に硬質な音が広がります

思ったより食べやすく、甘みもありました


「この部屋にある物は、自由に使ってくれ。欲しい物があれば、そこの呼び鈴を鳴らしてくれ、いつでも誰か控えている」


至れり尽くせりだが、一日中見張られたりするのだろうか


にんじんは葉っぱまで食べるのが作法でした




ここまで読んでくれてありがとう

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