重いのは嫌いです
よろしくお願いします
ブゴゴゴ、ブゴン、ブゴン
ハンスさんは豚鼻を震わせ大笑いをしていた
「おれの教え子が、お前が、あの女怪に一杯喰わすとは······」
私は、この豚妖精の実質的に魔法的な弟子だ
だから、私をこの集落から連れ出すにあたって
両親以外には、一番最初にあのエルフは筋を通しに来たらしい
「いいか?、アルシェ。今のお前には理解出来ないだろうが、あいつらを支配下に置いたと感じたとしても決して油断するな」
私はこれから村を出る
「おれはな、お前を一人前と思っていたし。そう扱ってきたつもりだ」
普段使いの道具袋から、一本の無骨な短刀を取り出した
「だからこれを贈る」
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別の集落まで「やくそう」の勉強をしに行く
そう決めた時のこの集落の反応はびっくりした物だった
良くも悪くも、私は箱入りだった
それなりに事情を知っているはずの両親は、背負い袋に有らん限りの物を詰め込もうとした
ティティアも手作りの小物を持たせてくれた
あまり、親交のないアーヴェですら愛用の剣を持たせようとした、馬鹿みたく重すぎたので丁重に断ったが
正直、私は重荷に感じた
私は、これから嘘をつき続けなければいけないのだ
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私はハンスさんと集落のちょっと先まで来ていた
隣の村まで付き添ってくれるという設定だ
そして、ホワイトエルフ達は音もなく私達を出迎えた
「来てくれたね、アルシェ」
その中から署名者さん、私がそう呼んでいるホワイトエルフ達の代表者が現れた
横のハンスさんが背中の長剣に手をやったのが分かった
「これからは、我々があずかる。話しは通しておいた筈だぞオーク」
「フンッ、面白くねぇ。そんだけのことだ」
「多くは言わん、大宣誓を忘れるなよ」
「魔王様が言うことかよ」
ハンスさんはせせら笑った
どうも、二人の相性はあまり良くないようだ
「教えるべきは伝えたつもりだ」
だが、帰ってこいよ
そう言って森の中に消えた
時間を潰して集落に戻る積りなのだろう
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「オークは良く解らないね、アルシェ。同じ妖精種だけれど、あいつらは意味不明だ徳だの仁だの人みたいなことを言い出す」
「そうですね」
私は、それだけ答えた
「さあ、背中に乗っておくれ、我々の棲家に案内しよう」
私を背に乗るよう促した、彼女は私と同じぐらい小さいのに
仕方なく、彼女におぶさるとホワイトエルフの少女達が蔦を私達に巻き付けた
彼女は走り出した
とても、不自然な光景だった
音もなく揺るぎもしない
そのうち、ぱぁっと景色が白くなった
これは魔法かもしれない
ここまで読んでくれてありがとう




