007
結構長いです。
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「あれあれ。こんな所でどうしたの?」
「質問の内容が少し変ですよ。この場合はこんな所で何してるの?ですよ。」
さすが委員長。細かい指摘だな。
「真希菜ちゃん、細かいよ~」
ごもっともである。
「そうですか?それなら今後気をつけます。」
意外と素直に反省するんだな。
「それで彼方君は何してるの?」
「え、ああ・・・。」
「制服姿だし・・はっ!まさか親と喧嘩して家から追い出されちゃったの!?」
「どこの世界に親と喧嘩してカバンを持ったまま家を出る人間がいるんだよ!」
制服を着たままならまだしもカバンは無いよ。
「それじゃあ、何があったの?」
何も無えよ。
「見たところ家にすら帰ってないんですか?」
大正解。
「え!?彼方君、家の場所わからなくなっちゃたの?」
「だから何でだよ!どこの世界に中学生にもなって家の場所もわからずにこんな遠くまで来る奴がいるんだよ。」
こいつ今のはワザとだろ。
「そんなに怒らなくてもいいじゃ~ん。」
「あっ、ごめん。」
「いいよ。」
何で僕が謝ってんだよ。
「それで、瀬々良輝君は家にも帰らずにこんな所で何をしているのですか?」
「ああ。いや、ちょっと行きたい所があるんだけどここら辺のことをよく知らなくて迷ってたところなんだよ。」
「へぇ~。そうなんだ。それでどこに行きたいの?」
「えっと・・・。」
僕は二人に住所が書いてあるメモ帳を渡した。
「え、ここって・・・。」
不審に思う愛可。
ん?何だよこの反応。
「真希菜ちゃん、ここって確か・・・」
「ええ、ここは・・・。」
「何だよ。知ってるなら教えてよ。」
「うん。知ってるんだけどね、確かここって半年くらい前に取り壊されてたような気がするんだよね。たぶん・・・。」
「はい。曖昧だし予想でしかないですけど確かそんなことを聞いたような気がします。」
何を言ってんだこの二人は。
さては僕が誘いを断った腹いせに嫌がらせでもしてんのか?
「取り壊されたって、でも予想なんだろ?行ってみなきゃ分からないだろう。」
「そうですね。でも、ここらでは結構遠いですよ。」
「・・・どれくらい?」
「五キロから六キロくらいはありますよ。」
遠い!
これだけ歩いたのに、まだこんなにあるのかよ。
「なるほどなるほど、つまり今あるかどうか分からない所まで行って、あれば良いけども無かったら大ダメージって事なわけか。まさにファンブルだね!」
「へぇ~、ボールを取り損ねるだけで済むのか。」
それは楽だな。
「ってそれを言うならギャンブルだろ!」
まぁここは礼儀としてちゃんと突っ込みを入れとかなきゃかわいそうだしな。
「ナイスツッコミだよ彼方君。」
「この事に関して褒められたって、あまり嬉しくないよ。」
「え~、どうして?」
「どっちかっていうと僕は、お前がこのギャグを言うにあたって前振りをあそこまで長く詳しくそれでも簡単に分かり易く説明をしたことに関して感銘を受けたよ。」
笑いよりも感動があった・・・かな?
「それはそれで予想通りだよ~。だって私の簡明な表現に彼方君は感銘を受けたんだから。」
「上手い事を言ったつもりかよ!」
こいつ急にどうしたんだ。
「そんなことより瀬々良輝君は一人でこの場所を探して何か用事でもあるんですか?」
僕達のやり取りに真希菜が割って入った。
あまりにも楽しそうに喋ってたから嫉妬したのかな?
・・・なんてね。
ん?でも今何か真希菜が言ったことに違和感があったぞ・・・
「そうだよ。彼方君はどうしてそこに行きたいの?」
何かあるの?と聞く愛可。
「どうしてって別に僕が行きたいわけじゃなくて夢花―この子が行きたいから一緒に探してるんだ。」
そうだった忘れてた。夢花ちゃんのことを。
「この子?ってどの子なの?」
「どの子って僕の足に隠れてる子だけど。」
僕の足を掴んでる子がいるじゃないか。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
二人は互いに見つめ合い―愛可が口を開いた。
「何言ってるの彼方君?彼方君はずっと一人だよ。」
は?何を言ってるんだ愛可は。
まだボケるつもりなのか?
「ええ。私たちが見つけた時は瀬々良輝君は一人でしたよ。」
そして今も。と真希菜が言う。
真希菜まで何を言ってるんだ?
・・・でも待て。
そういえば二人は僕と会ってから僕としか話してなかった・・・ずっと。
いくら夢花ちゃんが僕の足に隠れてたって気付くはずだ。
それでも二人は僕としか話してなかった―夢花ちゃん事にはまったくふれずに。
気付いていなかったんじゃなくて見えていなかった。
その時、僕は最悪の予想をする。
「な・・・に言ってるんだよ二人とも。ここにいるじゃんか、夢花ちゃんが。」
それでも信じられず・・・否、信じたくなく僕は言葉を返した。
「夢花ちゃん?私、見えないよその子。」
僕の最悪の予想は外れることなく的を射た。




