006
ちょっと長いです...
006
「お母さんを?はぐれちゃったの?」
「そうなの。はぐれちゃった。」
それって、つまり迷子じゃないか?
「えっと、お家の場所とかってわかる?」
「うんとね~、このメモに住所が書いてあるんだけど、夢わからない。」
そりゃあそうだ。
小学一年生に住所が書いてあるメモを渡したところで、分かる訳がないよな。
きっと迷子になった時に助けてくれる人に渡すように言われてたんだろうな。
「そのメモ見せてもらってもいいかな?」
「うん。いいよ。」
「どれどれ」
僕はそのメモを見る―・・・・・・結果、わからない。
「この住所、ここら辺じゃないな。聞いたことないし。」
「お兄ちゃんでも、わからない?」
「うん?いや、わからなくもないよ。」
頼られたくて曖昧な表現をしてしまった。
「とりあえず、ここら辺を歩いてみよう。そしたらお母さんに出会えるかもしれないし。」
適当に進んでたら奇跡的にこの住所に着くかもしれないし。
「わかった~。じゃあ行こー。」
なんて素直なんだ。
このまま僕の家に連れていけるんじゃないかと思ったけど僕が変態になってしまうので、それはやめておこう。
「この辺りの場所とかって来たことある?」
十分くらい歩いたところで一度確認する僕。
「うん。ここら辺はあるよ。」
「そっか。」
じゃあここら辺でないか。
「じゃあもっと遠くに行ってみるか。夢花ちゃん、遠くに行くけど大丈夫?」
「大丈夫。」
「じゃあ行こっか。」
「うん。行こう。」
その時、夢花ちゃんが小さい手で僕の手を握ってきた。
キターーーーーー。
やばい、理性が抑えられそうにない。
このままでは夢花ちゃんを抱っこしてしまうかもしれない。どうしよう。
なんて変態みたいなことを思っている僕だった。
そんなことを思いながら歩いていると
前から泣いている七歳くらいの男の子が歩いている。
親とはぐれたのかな?
声をかけようと思ったけど、でも今は夢花ちゃんが優先だからそのままスル―した。
一応言っておくが男の子だったからスル―したわけではないからな。
「あの子も迷子なのかな?」
そう夢花ちゃんに振ってみると
「・・・・・・。」
ん?反応してくれない。
まさか!僕が変態的なことを思っているのがバレて嫌われちゃったのかな。
僕は勝手な思い込みで落ち込んだ。
それから僕達は一時間くらい歩き続け、近くにあった公園で休むことにした。
浪川公園・・・知らないな。
僕達が休んでいるときにメールが来た。
愛可からだ。
『今何してる?よかったら一緒に遊ばない?真希菜ちゃんも一緒なんだけど。』
すげー遊びたい!
・・・でも今は夢花ちゃんだ。
誘ってくれたのは凄い嬉しいけど・・・。
僕は涙を飲みながら断りの文面で返信した。
『先約が入ってて今日は無理、ごめんな。』
はぁ~。
僕が溜息を吐いていた時、に夢花ちゃんが口を開いた。
「お兄ちゃん、お腹すいた~。」
それを聞いて僕は時計を見る。
午後一時を過ぎていた―もうこんな時間なのか。
「それなら近くの食べ物屋さんにでも行くか。ここら辺のことはわかる。」
「うん。わかるよ。」
頼もしいな。―それとは真逆で僕は情けないな。
・・・仕方ないじゃないか来たことないんだから。
僕達は再び公園を出て歩き始めた。
結局、公園の正しい読み方もわからないままに。
さて食べ物屋を目指して少し歩いていると、
「あ!」
「うん?」
「彼方君だ。」
「あ、愛可・・・と真希菜。」
僕達はあろうことか、さっきお誘いをいただいた二人に出会った。




