003
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それから帰りのホームルームが終わり愛可と一緒に帰り道を歩いている訳だが・・・今気付いたけど、そういえば凄いことだよな。
何が凄いって、クラスのアイドルみたいな存在の愛可と一緒に帰ってることだよ。
しかも愛可から誘われて。
帰る最中、学校付近での他の奴らの視線ったらないよ。もう殺気みたいなやつも感じたし。
そりゃあ競争率高いしな。仕方ないか。
「彼方君ってどこの高校受けるの?」
「別に決まってないよ。」
決まってないのではなく決まらなくなった。
バレ―が出来なくなったから志望していた高校は全ておじゃんになったのだ。
まさに志望した高校は全て死亡した・・・みたいな。
「っていうか、もう別にどこでもいいよ。」
「そんなこと言わないの。彼方君、成績いいんだし。」
「これから落ちるさ。」
「もう。また、そんなこと言って~。」
「そういう愛可はどこ目指してんだよ?」
「ん?そういう私も実は決まっていません。」
「お互い様じゃねえか!」
「えへへ~。」
「笑って、ごまかすな。」
そんな他愛もない会話をしながら帰り道を歩く。
その途中、愛可との会話が一旦、途切れた時に僕の横を小さな5歳ぐらいの女の子が走って通り過ぎて行った。
ずっと目で追っていると、なんか辺りをキョロキョロしながら走っている。
迷子なのかな?
それとも誰か探しているのかな?
そう思っていると、
「どうしたの彼方君?」
愛可が後ろを向いてる僕に聞いてきたので僕は愛可の方を向きなおして
「いや、あそこにいる女の子、迷子なのかなって思ってさ。」
「ん?女の子なんて何処にもいないよ?」
「え?」
僕も愛可が向いている方を見ると確かにいなかった。
「本当だ。なら、そこの角でも曲がったんじゃない。」
なんて角を曲がるのが速い女の子なんだ。
僕が愛可の方へ顔を向けている間に角を曲がるなんて。
そうやって僕は感心しながら再び愛可と一緒に足を進める。




