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二人目の再会 sideフリッツ

今日はさんざんな日だ


ゴードンさんがいる小屋を後にして、師匠が建てた小屋に向かう途中でいきなり後ろから投げられた。


死ぬかと思ったよ。


そのあとは何時撮ったかわからない俺の恥ずかしい写真を堂々とスイの前で見せたり。


まあ、昔の俺のことはばれずに済んだので良しとしよう。



俺の体のことも話したし、とりあえずはひと段落ついた。


師匠は二階を片づけに行き、することがなくなったのでコーヒーを淹れてスイと飲むことにした。


時折、ものすごい音がするが無視無視。


いちいち師匠の行動に疑問を持ったらきりがないからな。


俺がこの学校を卒業した時から家具などの位置は変わっていない。


俺専用のマグカップも残っていた。


へへ、懐かしいな


淹れ終わって椅子に座り、コーヒーを飲もうとしたとき。



「すいませんアヤメさん。少し遅くなってしまいました」



急にドアが開いて女性が一人勢いよく入ってきた。


歳は俺と同じぐらいだろうか。


女性用のスーツを着ていて、いかにも教師という感じの人だ。



「えーと、お帰り?」



あっ!


テンパってしまい、反射的に「お帰り」と言ってしまった。


スイも俺の方を向いて「何言ってるんですか」と目で訴えてくる。


そんな凄い目でこっちを睨んでくるな。


それに反して女性はじーっと俺の方を見てくる。


ちょっと待てよ? こいつは確か……



「えっと……フリッツ・アルデバート君、だよね?」



「お前まさか、シェリオット・フルールか」



そうだ、思い出した。


確か、4年生のときの同じクラスだった。


授業なんかで同じ班だったことがよくあったので、それなりに仲良くしていた。


いや、あの時の俺からすれば一番仲が良かったのはコイツかもしれない。



「ここってフリッツ君の家だったっけ?」



そういえばシェリオットはバカだった。


それも桁違いの。


俺が吐いた嘘にも簡単にひっかっかっていたなあ。



「フリッツ。片づけは終わったから荷物を……って、シェリー、帰っていたの」



「はい。ただいまです。」



そこで、師匠が二階から降りてきた。


シェリオットは師匠に大きく手を振って応える。


子どもかお前は。


ていうか、振ってる手が俺に当たって少し痛いんだけど。



「師匠、なんでシェリオットがここに?」



シェリオットはバカだが卒業はしていた。


しかもなかなかの好成績で。


普段の言動はバカだが、なぜか頭はいいのだ。



「ふっふっふ、聞きたいかねフリッツ君」



なぜか、にやにやと笑いながらシェリオットが言う。


やべ、ちょっとイラッときた。


お前に聞いてんじゃなくて師匠に聞いたんだよ。


だからそのにやにや顔やめろ。



「私はね、今年からここの教師をやってるんだよ」



「は…」



嘘だろ。


卒業してから2年ぐらいしか経ってないよな。



「正確には私の補佐ですけどね」



「補佐、ですか?」



師匠の補った言葉にスイが疑問の声を上げる。



「そ、補佐。アヤメさんの授業の手伝いをしてるんだ」



「要するに研修中ってこと。でもこの子は凄いわよ。教え方も上手だし、生徒たちにも人気だし」



「知能レベルが生徒たちと一緒なだけじゃないのか?」



「主人、流石にそれは失礼じゃないですか」



スイがやや引いた感じで言う。



「君の言うとおりだよ。みんな元気でいい子たちばっかりだよ。ときどき調子に乗ったことをする子たちもいるけど、その時は追いかけまわしてアヤメさん直伝の技で沈めてるよ」



「私が間違ってました、主人」



「だろ、これで頭がいいんだから驚きだよな」



沈めてるって、研修してるやつが言うセリフじゃないだろ。


こいつならアヤメさんの性格をそのまま引き受けそうだ。


良くも悪くもバカだからな。



それにしても教師か。


面と向かっては言えないけど、シェリオットには似合いそうな職業だな。



「まあ、研修がんばれよ。ちょっとは応援してやるよ」



「へへ、ありがとう。そういえば、フリッツ君はなんでここに?」



また、答えにくい質問を…


スイも師匠もどうする、といった具合でこちらを見てくる。


どうするかな。


まあ、隠しても仕方ないか。


何も知らないで俺の叫び声を聞かせるのも嫌だしな。












「なるほど、大体のことはわかったよ」



うんうん、と一人で納得したようにうなずいている。


シェリオットは全部聞いても落ち着いていた。


何度か小さな反応はあったが、大声で叫ぶようなことはしなかった。


本当は騒ぎながらいろいろ質問されると思っていたんだけどな。


ちょっとは成長したのか。



「ってそれ凄い不思議だよね。何時から痛むの。旅の理由もそれ? 目的地はどこ? もっと詳しいことをいろいろ聞かせてよ。そういえば、この子って何者。まさかフリッツ君の彼女!? まさかもう結婚したのか。この妻帯者め!あのいつもツンツンしててたまにちょっとデレッとするのが可愛かったフリッツ君がもう結婚とは。お母さんは寂しいですよ。あ、旅についても詳しく聞かせてよ。いろんなところに行ったんでしょ。うらやましいなコンチクショー。私だってね………」




前言撤回、やっぱりシェリオットはシェリオットばかのままだ。


余談だが、その後20分ほどシェリオットは話し続けた。

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