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1、アゲハ蝶に拾われました

 これからどうしよう。

 地面に生えていた葉っぱを食べながら、これからの事を考える。

 虫の王者って、虫の王でしょ?

 はっ、無理、ムリ、むり。

 そんなめんどくさいこと出来ない。

 礼儀作法は出来るけど……かったるい。

 これでも私は、お嬢様なのだ。

 幸せではなかったけど………。

 うまっ、葉っぱうまうま。


「まぁ、こんな所でどうしたの? 迷子?」


 葉っぱうまうま。


「はっ、まさか、捨てられたの? なんてかわいそうなの! こんな幼い子を捨てるだなんて、最低よ! 産むならちゃんと、自分で育てなさいよ!」


 葉っぱう……え?

 自分で育てる?

 虫って、卵産んだら終わりじゃないの?

 異世界だから?

 異世界だからなのね!?


「ダーーーーーリーーーーーン」


 道理でここらで、青虫を見かけなかったのね。

 て言うか、どちら様?

 残念だけど葉っぱを食べるのをやめ、声がした方を見る。

 そこに居たのは、綺麗なアゲハ蝶さん。

 綺麗だなー。


「何だーーーい!? マイ、ハニー!!」


 うっざ!

 何こいつら!


「この子、捨てられてたの。私たちで、立派に育てましょう?」


「なんてかわいそうなんだ。そうだね、そうしよう。ハニー、君は優しいね」


「まぁ、ダーリン。優しいだなんて……」


 頬(?)に手(?)を当てる、アゲハさん。


「ふふ、可愛いなー、ハニーは」


「そんなことないわ。それより、この子に名前をつけましょう」


「そうだね、ハニー」


 名前をつけるのは大歓迎だけど、こいつウザい。


「カラリエーヴァなんてどうだい?」


 おっ、中々いい名前じゃないか。

 うざいけど、いい奴だな、お前。


「いいわね、ダーリン。初めまして、カラリエーヴァ。私は、ハニー」


 えっ、ハニーって、名前だったの?


「僕は、ダーリン。よろしくね、カラリエーヴァ」


 こいつも……。

 まともな名前貰えて、よかった。


「カラリエーヴァじゃ長いから、エヴァって呼びましょう?」


「そうだね、マイハニー」


「さっ、家に帰りましょう」


 ハニーさんはそう言うと、私を持ちながら飛んだ。

 おお、すごい。

 ハニーさん力持ち。

 それに比べて、ダーリンは……。

 いやっ、そうでもなかった。

 ダーリンは、木のツルで編まれている大きめな籠に、大量の葉っぱを乗せながらハニーさんの横を飛んでいた。

 ごめんよダーリン。

 お前の事、馬鹿にして。


「エヴァ、もう少しで着くからね」


 そう言ったハニーさんを改めて見る。

 そして驚いた。

 さっき見たときは、ただのアゲハ蝶だと思ったが、近くで見ると、人の体に羽が生えていたのだ。

 人のように、ちゃんと服を着ている。

 大きさが蝶だけど。

 もしかして、私もこうなるの?

 それなら、人に戻らなくていいかも。


「エヴァ、着いたわよ」


 ハニーさんはそう言うと、木に開いた穴の中にひらりと入った。

 家の中の家具は、ほとんどが木で出来ていて、ソファやカーテンなどは、布などで出来ている。

 なぜ、ここに布が?

 虫だろう、お前ら。

 しかも木の中に家って、どうやって彫ったんだよ。


「ここが私たちの家よ、エヴァ」


「ようこそ、エヴァ」


 不思議がいっぱいだけれど、私がこの生活になれるのは案外早いかもしれない。



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