表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

0、青虫になりました

 あぁ、死ぬんだな。

 どんどん迫るトラックを見ながら、そんな事を思う。

 来世は、猫になりたい。

 自由気ままな猫になりたい。

 あっ、でも、犬もいいかも。

 まぁ、どっちでもいいや。

 そう思ったと同時に、激痛が走った。


「――――――っ!!」


 トラックにはねられ、ごろごろと転がる。

 トラックの運転手め、よくも私を引いてくれたな。

 残った力で、うっすらと目を開ける。

 トラックは止まったが、数秒後、物凄い勢いで走り去った。

 この、クソ野郎! ひき逃げかよ!

 あっ、もう無理。

 さようなら、私……。

 さようなら。











「おい! いい加減、起きろ!」


 うるっせーなー。


「もう少し寝かせろ……」


 おやすみ。


「寝るな!」


「うるさいんだよ! いいじゃないか!」


 ガバリと起き上がり、私を起こそうとするうるさい奴を見る。

 私を起こそうとしたのは、黒いローブを着て木の杖を持った老婆だった。


「誰だよ……」


「やっと起きたか。わしは、魔女じゃ」


 何言ってんの? 頭、大丈夫?

 はっ、まさか、認知症!?


「認知症ではない! 魔女じゃ」


 偉そうに胸を張って腰に手を当てる老婆。

 ………あれ?

 私って、死んだんじゃなかったっけ?


「それは、わしの力じゃ!」


 更に胸を張る婆。


「てか、ここどこ?」


「ここは、アーネルス。異世界じゃ」


 異世界……? ここが?


「お主にはここで、虫の王者になってもらう」


 む、し?


「そう、虫じゃ」


 婆はそう言うと、木の杖を振った。

 木の杖の先が光ったと思えば、婆が突然でかくなった。


「虫の王者になれれば、お主の姿を元に戻してやろう」


 元の姿?

 えっ、じゃぁ、今は?


「ほれ、見てみぃ」


 婆は大きな鏡を私の前に置いた。

 その鏡を見ると、そこには、青虫が映っていた。

 え、青虫?


「お主の今の姿は青虫じゃ」


 おお、結構かわいいじゃん。

 青虫もいいかも。


「……とにかく、虫の王者になれ。いいな」


 あっ、ちょ、待ってよ!

 婆は木の杖を一振りし、どこかに消えた。

 虫の王者って何?

 でも、まぁ、青虫かわいいし、いいか。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ