64錬金目、緑龍王アースと黄龍王リンリン
クロウと一緒に【素材の次元鞄】内にあるログハウスでコーヒーを飲みながらクロウと一緒に待っていると、外からバシャバシャと羽搏き音が聞こえてきた。
「どうやら来たようだな」
ログハウスの外に出てみると、そこには黄色い龍が緑の龍を腕に抱え込み着地しようとしていた場面に遭遇した。
『さっさと降りなさい。着きましたわよ』
『リンきゅん、サンキュー』
龍言語を習得していなかったら、ただ単にグワァーグワァーとしか聞こえなかった。
「よっと、カイトきゅん久し振りなのよ」
「カイト殿、我々をお呼びになられた事、嬉しゅーございます」
緑龍王アースと黄龍王リンリンは人化し、2人共に貴族のご令嬢と言われても納得してしまう程の美貌だ。
「アースとリンリン手伝ってくれてありがとう」
「ハァハァ、カイトきゅんのためなら、お姉ちゃん何だってやるのよ」
「アース止めなさい。カイト殿が引いてるらっしゃるでしょ。カイト殿、すみません。ウチのアースが」
「いや、大丈夫だから。うん………だから、もうそろそろ離してあげたら?死にそうな顔をしてるんだけど」
アースが俺に迫って来る事を防ぐため、リンリンはアースの眉間にアイアンクローを喰らわせ持ち上げた。
数秒間は抵抗していたアースだが、後にブラーンと動きが一切無くなった。
「リンきゅん、酷いのよ」
「アースが悪いのです。それでカイト殿、お頼みの品をお持ち致しました」
「あっ、ズルいのよ。カイトきゅん持って来たのよ」
2人が手ぶらで来たという事は、アイテムボックスに入れて持って来たのだろう。
流石にワイバーン20匹を持ち飛んで来るのは、いくら龍種でも非現実だ。
「ここらで頼む」
周囲に何も無い広場に案内し、そこへ2人は一気に解放した。出るわ出るわ、あっという間にワイバーンの山が出来上がった。
「これ、何匹いるの?」
「途中で数えるの止めた」
「およそ、60匹でしょうか?」
「むふー、頑張ったんだから」
アースが鼻息を吐きながらふんぞり返って偉そうに何処かイラッと来るような態度を取っている。
「ていっ」
「痛っ!カイトきゅん何するのよ」
俺は、アースにデコピンをくらわした。痛そうにしてるが大したダメージは入っていない。
「いや、何となく。でも、狩りすぎだろう」
「カイト殿、我々龍種なら兎も角、ワイバーンなど単なる繁殖力がある空飛ぶトカゲでございます。何ら問題もありません」
「そ、そうなのか」
いやいや、ワイバーン1匹で近衛騎士団中隊規模で相手しなくてはならない程に強い魔物のはずだ。
それ故にワイバーンの肉は超高級食材であるし、その魔石も国宝級とされる。
「まぁいい。解体でもするか」
「カイト殿、我々も手伝います」
「いや、俺の技能で一瞬だ」
本来ならワイバーン1匹を冒険者ギルドお抱えの解体職人数名で数時間掛かる作業となる。
「俺の技能にかかれば直ぐだ。【解体】」
60匹のワイバーンが自動的に部位事に切り分けられ、部位事に置かれ整理整頓されていく。
ワイバーンの血はポーションの材料や魔法の試薬に、翼の皮膜は弓の弦や杖の材料に、骨は武器・防具の材料に、目玉は魔道具の材料になる。
肉はもちろん食べる。中々ワイバーンの肉なんて食べれるもんじゃない。
そして、大事なものが魔石だ。拳大の大きさで持って見るとズッシリと重い。これが60個もあると考えるだけで笑みが自然と零れてくる。
「ほぉ圧巻でしたな」
「解体も手伝わせるかなぁと思ってた」
「流石はカイト殿です」
「討伐は頼んだけど、解体は頼んでないだろ」
龍種は他種族と比べ圧倒的に強者な代わりに何処か適当な部分がある。その際たるのが解体や料理などだ。
討伐の時は綺麗なのだが、解体となると腕力が強いからか皮膜を破ったり皮膚がズタボロになったりする。
料理なんか焼くか焼くか焼くか………自慢のブレスで焼くか、そのまま生で食べるかの二択しかない。
例外として、青龍王レインは水属性のため、レインのブレスは焼くというより茹でる状態となる。
「こんなにワイバーンの肉があるんだ。何か肉料理でも作るか」
「カズトきゅんの料理」
「カズト殿の料理楽しみでたまりません」
「カレーか?」
「クロウ、そういつもカレーで飽きないか?」
「カレーこそ至高。我が人生であります故」
クロウを、ここまでカレーの虜にしてしまったのはカイトのせいかもしれない。




