63錬金目、ワイバーンの魔石を確保する
土人形の基本、それは核作りだ。土人形の心臓とも言える核を作れなきゃ話にならない。
それは自動人形も同じ。だが、それに内包される質量が段違いだ。
材料は、基本的に魔石のみ。魔石を加工する際に道具や薬品が必要なだが、黄昏の場合は自らの手で加工出来るので、道具やら薬品やらは必要ない。
問題は魔石選びだ。魔石は大きく分けて2種類ある。鉱石のように鉱山で取れる鉱山産と魔物から取れる魔物産がある。
鉱山産のは加工がし易い代わりに強度がない。その一方、魔物産は強度はあるが、加工がし難い面がある。
作りたい物で使い分けるが、今回作るのは自動人形だ。
自動人形に必要な核は強度が無くては話にならない。
それ故に、自然と魔物産になる訳だが、そうするとどの魔物にするかの問題が自然と浮上する。
「やっぱドラゴンの魔石かな」
魔物の中で最強種と言われるドラゴンの魔石となれば、半永久的に壊れない核が出来るだろう。
だが、値段も半端なく確実に国宝級と並ぶ目が飛び出る程の金額になる。
そのドラゴンでもピンからキリがあり、一番最低のワイバーンの魔石でも確実に国宝になるレベル。
「クロウはいるか?」
「はっ!ここに」
クロウは八体いる龍王の一角にして一番俺に忠誠心が強い。たまに強過ぎて引き気味になったりもする。
「同じ龍種としてワイバーンを狩るのはあり?」
「あ奴らは、ドラゴンであって龍ではない。何も問題ありません」
国によるが少なくともエリュン国は、ドラゴンを魔物、龍種を亜人として認識している。
「それならワイバーンの魔石を………20個欲しいんだけど大丈夫かな?」
「ふむ、そうですなぁ。儂以外にも手伝って貰いましょう」
「それって、他の龍王に?」
「えぇ」
マジか!会いたくないってウソになるが、出来るなら借りを作りたくない。
いや、嫌って訳じゃないが、何故か龍王全員が俺に甘いというかベッタリというか。
長期間、俺の固有武装である【素材の次元鞄】の中に居座るかもしれない。
「誰を呼ぶ気なんだ?」
全員は流石にないだろう。王であるため長い間は龍の国を不在にする事は出来ないはずだ。
「そうですなぁ。直ぐに来そうなのが、黄と緑当たりですかな?」
あのギャル風な口調の娘と一際、お姉さん気質があり何処か妖艶な雰囲気を醸し出してる娘か。
「今直ぐにでもカズト殿が号令すれば、即座に参る事でしょう」
「えっ?俺がですか?」
「はい、さようで御座います。何やら少し会わん内に創造神様から素敵な技能を授かったようで」
【異世界図書館】の事か?創造神から貰ってから、まだ半日程度なのに把握してるの流石すぎる。
「どうやら全ての叡智が集まっているとか」
「直感ですが、我々龍種の事も載っていると存じあげます」
それなら1回展開してみるか?【異世界図書館】を発動すると、一冊の本が手元に現れた。
「『誰でも分かる龍言語』?」
どうやら龍種の言葉の参考書らしい。開くと見た事のない言葉で埋まっている。だが、不思議と理解出来てしまう。
「うんっ『あっあっ、これで話せてるのか?』」
『カズト殿、流石です。1発でマスターしてしまうとは』
俺の技能だからか?この本が魔道具なのか?は、俺の神眼でも見抜けなかった?
やはり創造神から授かっただけはある。予想以上に強力なものらしい。
『カズト殿、龍言語で2人に話し掛けてみてください』
『ここからでも届くのか?』
『龍言語は、ただの言葉ではありません。1種の魔法みたいなものとお考えください。距離は関係ないので、名前をお呼びすれば2人に届くでしょう』
所謂、テレパシーみたいなものか。それなら2人を呼ぼうか。
『あっあっ聞こえるか?アース、リンリン』
『えっ?この声はカイトきゅん』
『間違いない。愛しのカズト殿の声だ』
人間の時間では懐かしいが、龍種の時間では昨日の様な感覚だ。
『どうしたの?カイトきゅん』
『カズト殿が呼ぶなんて珍しい』
『2人に頼みがあって』
かくかくしかじかと、ワイバーン20匹を捕まえて来てくれないかと頼んだ。
クロウが間違う事はないけど、それでも2人の都合がある。断れても俺は怒らない。
『カズトきゅんの頼みなら直ぐにお届けに参上するのよ』
『カズト殿の頼みならお姉さんにお任せない』
20匹と言ったが、倍以上狩って来そうで何か怖い。




