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第17話 潜入、帝国の町コサージュ



  京矢の属性が判明してから3日、京矢とマドラは王国だけではなく共和国のあら

 ゆる場所に現れては、魔法の習得に勤しんでいた。


 「なあマドラさんよ、今日はとんと魔法が覚えられないんだがやっぱりそろそろ

 魔法の種類が頭打ちになって来たんじゃねえかな」


 「そうよのう。では今日はちと趣向を変えて北の方にでも行って見るか?」


 「北って何が有るんだっけ?」


 「北にはなあ魔族が多く住んでおるんよ」


 「ほう、それは興味があるな」


 「けんどな、魔族はあまりヒューマンの事好かんから見つかると面倒な異なるか

 もしれんけど行くか?」


 「ちょっとだけ行って見るか。ヤバかったら俺の転送魔法で戻れば良いし」


 「じゃあ行って見るかの。掴まれ」


  すぐさま2人は移動を開始した。



  北の大地は過酷だ帝国領の殆どは1年の3分の1が雪に埋め尽くされるのであ

 る。その中でも最南端の町であるコサージュの町に2人は降り立った。この町は

 獣人とドワーフが多く住んでおり魔族は帝国にしては比較的少数しか住んでいな

 かった。共和国とも接している為商売に来ているヒューマンやエルフもたまに見

 かける程度は歩いていた。


 「寒いなあ、こんなんだったら上着持って来るんだったな」

 

 「この辺りは帝国の中でもまだ暖かいほうやで。キリエンベルグ辺りはこの時期

 まだ雪が残っておるかもな」


 「良かったわそんなところに転移してたら大変だったろうな」


 「お喋りはここまでや」


  そう言ってマドラが指さした先には帝国の魔装兵がこちらに歩いてきた。京矢

 達は怪しまれない程度に自然に路地に入って行った。その姿を見て魔装兵達は気

 にも留めず歩きすぎて行った。


 「何だよあれは?」


 「あれは魔装兵と言ってな、まあ帝国の一般兵やな。今おったのは下級兵だった

 から良かったが上級兵になるとちょっと厄介なのが多くなるからここから注意し

 ていくで」


 「上級兵ってなんか違いあるのか?」


 「そうやな。帝国の兵は階級が上がって行くと帽子の飾りがどんどん豪華になって

 いくんや」


 「豪華ねえ。あんなのか?」


  京谷が指をさした先には身の丈2m以上もある豪華な飾りの魔装兵の将校が1

 個小隊と酒場の前でたむろしていた。


 「あれはまずい、逃げるで」


  マドラが路地を引き返そうとした所、既に2人の魔人がこちらをけん制してい

 た。


 「あちゃー、やってまった」


 「マドラさんよ、これどうすんだよ」


 「大事にはしたくないが何とか誤魔化せんかのう」


  取り合えず京矢達はそのまま路地から出た、すると魔装兵の将校がこちらにゆ

 っくりと歩いてきて質問をした。


 「あまり見ない顔だが、その薄着の様子だと商人でもなさそうだし冒険者でも無

 いよな。どこから来たのだ?」


 「私たちは共和国のアルマから新婚旅行で来たものです」


 「ほうアルマからか。新婚旅行とはヒューマンとは不思議なことをする種族だ

 な。しかしこの辺りにはそぐわぬその薄着はなんとしたのだ?」


 「はい、実はここに来る前にベルデの森辺りにてリザードマンに襲われまして、

 身ぐるみ剝れかけたのですが命からがらここまで辿り着きまして」


 「リザードマンがか。それは難儀したな。しかしそれであればアルマに直接戻っ

 たほうが良かったのでは無いか?」


 「逃げる途中、方向が分からなくなりたまたま商人の馬車が通りかかったので乗

 せてもらったらここに着いたのでございます」


 「そうか大変だったな。我々帝国は助けを求める者は誰であろうと手を差し伸べ

 る。それが例えヒューマンであってもな。それでお主達は助けの必要あるか?」


 「幸い路銀は持ち合わせておりましたので、1日こちらで逗留させてもらい明日

 にでも商人の馬車でも見つけて乗せてもらいます」


 「分かった。何か困ったことが有れば魔装兵に相談してみるんだぞ。しかし、失

 礼ながらお主達新婚というには歳がいっているのではないか?」


 「女性に歳の事を言ってはなりませんよ」


  マドラは怒りに身を震わせながらも笑顔で言った。


 「それは失礼したな。それでは道中気を付けてな」


 「有難うございます」


京矢達は足早にその場を立ち去った。


 「いやあ助かったぜ。唐突だったとはいえよくもあんな嘘が出るもんだぜ」


 「まあ年の功と言ったところかや。しかし、あの将校め妾の事を抜け抜けと。今

 度会ったら只ではおかんわ」


 「まあまあ、あの将校気が良くていい奴だったじゃねえか」


 「ふん、女の歳をとやかく言う奴は死んでも良いんや」


  そう言うとミドラは道に落ちていた小石を蹴った。すると近くに居た魔神神官

 の足に当たった。


 「おいそこのヒューマンの女、何をする!」


 「おいやべえぞ、逃げろ」


  京矢達は逃げ出した。それを見て神官は兵達を集めすぐに追い始める。


 「どうすんだよ、まったく」


 「まあ良いではないか。いいチャンスだ、ついでにあ奴らの魔法を頂くとするか

 の」


  そう言うとマドラは土魔法で土塁を作り出しそこに立てこもった。


 「こんなんで戦えるのかよ?」


 「大の男がこの位でおたおたするもんやない」


 「っていうかあいつら何人いるんだ?」


 「兵隊が5人、神官が2人ってところかの。この位じゃ相手にもならんけどな。

 それよりもキョーヤ魔法を覚える準備をしときや」


  さすが王国魔導騎士団長だ、この辺りに居るようなレベルの低い兵士如きでは

 全く攻撃が通らない。京矢は安心して魔法を覚える事に集中出来た。


 「マドラさんよ、出だしは良かったがもう頭打ちみたいだぜ」


 「なんやもう終わりかえ?全くだらしがないのう」


 「魔人といっても基本の魔法は変わらないのな。兵隊の魔法は全然だめだった

 ぜ、でも神官の魔法は面白そうなのが手に入ったぜ」


 「ならば撤退かのう」


  その時、強烈な一撃が土塁を破壊した。その衝撃で京矢達は数メートル先まで

 吹き飛ばされる。

 

 「驚いたでまさか妾の障壁がこんなに早く破壊されるとは」


 「そこに隠れているテロリストよ、観念して出て来るんだ」


 「テロリストだと!?あいつは何を言ってやがんだ」


  物陰から相手を覗き込むと先程別れたばかりの将校がこちらに向かって立って

 いた。


 「おいまずいぞ、あの将校が来やがったぜ。どうするんだ?」


  京矢がマドラに近寄るとマドラは腹部を抑えていた。


 「どうしたんだやられたのか?」


 「ああやられたよ。全く凄い術者がいたもんやで。あの障壁を破った魔法は障壁

 を破った後破裂し一部が妾の腹を食い破りおった」


  そう言うとマドラは痛みで気を失った。京矢はマドラを抱え思案した。


 (どうする?この状態じゃマドラはもう無理だなしかし逃げるにしても転移魔法

 は詠唱に時間がかかる。どうやって時間を稼ぐか・・・)


 「おおい将校さんよちょっと聞いてくれないかな。俺たちは謂れのない無実の罪

 で追われているんだ。まずは攻撃を止めてくんないかな」


 「何を言って居る神官が言うにはお主達が神官に攻撃を仕掛けてきたと言ってお

 るぞ」


 「いやいやそれこそが勘違いってやつでしょ。だから冤罪って言ってんの」


 (まずは神官から奪った魔法キャンセルを付近に展開それから奴らの意識を遠く

 に向けるため氷魔法で左側にある塔の鐘を攻撃)

  すると、突然に塔の鐘が鳴りだし兵士達がざわめき始める。  

  

 「新手の敵か?」


 「兵士達よ落ち着け」


  その間に京矢は転移の魔法を詠唱する。(間に合ってくれ!)


 「おのれヒューマンめ我々を謀りおってもう許さぬ」


  将校は炎魔弾を再び放った。がしかし魔法キャンセルにより効果が無くなる。


 「何だと!?キャンセルされただと」


  次の瞬間京矢達はロッヂに転移した。魔装兵は京矢達が居たと思われる場所を

 探すが何も居なくなっていた。


 「魔法キャンセルに転移魔法か。ヒューマンにしてはかなりの使い手だったな」


  帝国の若き将軍候補ジルベルトは突如消えたヒューマンに思いを馳せていた。

 



 

 



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