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第13話 それぞれの旅立ち。京矢修行開始


 

  緊急会議から一夜が明け京矢達は騎士団の応接室でシフォナが来るのを待って

 いた。少し遅れてシフォナは部屋に入ってきた。


 「待たせたな。騎士団の連中には今朝早く話をしてしまったので、お主達にはこ

 れから伝えようと思う」


 「婆さん何を勿体着けてるんだ?そんなに大層な話でも無かろうに」


  場が重いと感じ取ったのかガーウィッシュはワザと砕けた喋り方をした。


 「そうじゃの。今回の作戦はとりわけ難しい訳じゃ無いし勿体着けてもいかん

 な」


 「シフォナ様、何か昨日までとは雰囲気が違うんですがどうしたのですか?」


 「大丈夫じゃ。それでは今回の作戦を伝えるぞ。まずスレインとカタリナ、お主

 達にはエルフの里に戻りリザードマンと一戦交えて欲しいんじゃ」


 「え?私とカタリナだけですか?」


 「そうじゃ」


 「どうしてですか?キョーヤやピッポそれにガーウィッシュ様は?」


  カタリナは食い下がったどうしても納得が行かなかったからだ。(やっとPT

 が出来上がったのに何故?)


 「今回その3人は別の所で特訓を行ってもらう。キョーヤには一刻も早く勇者に

 覚醒して貰わんといかんのでな」


 「そうなるだろうな。今のままではいずれイヴァンとぶつかった時に勝てないだ

 ろうからな」


  スレインとカタリナは少し不満げに京矢を見た。


 「そうなるとエルフの里の方はどうするんだ?」


 「大丈夫じゃエルフ達には最強の助っ人を用意したで」


  その時応接室の扉にノックする音が聞えて来た。(コンコン)


 「来たか、速かったな。入れ!」


 「失礼します」


  そこに入って来たのは魔導騎士団副団長のミランダと魔導騎士団の精鋭達であ

 った。京矢達は彼らを一目見て一人一人の魔力の高さに驚いた。


 「王国魔導騎士団戦術特化中隊12名、これからリザードマン討伐支援の任に着

 任いたします」


 「ご苦労じゃったな。ミランダには特に急な申し出で申し訳ないが、スレイン達

 を良く助けてやって欲しい。今回はエルフを支援しリザードマン陽動部隊の駆除

 及び敵戦力の把握をやって貰いたい」


 「外ならぬシフォナ様からのお頼みこのミランダ恐悦至極に御座います。我ら戦

 術特化中隊は精鋭、リザードマンなど軽く捻って見せます。それに相手の戦力分

 析にも長けております故、必ずやシフォン様のお考え通りの戦果を持ち帰る事で

 しょう」


  いつもは控えめな言動が多いミランダだったが、今日は興奮のあまり、いつも

 よりも饒舌になっていた。


 「まあまあ、そんなに鯱張らずに聞いて欲しいんじゃが。先程も申したが今回の

 作戦はリザードマンの戦力を削ぐ事と奴らの戦力を測るために有るのじゃ。多分

 奴らも今回は陽動だろうて本気では攻めに来ぬ。じゃから適当に相手をしながら

 奴らの戦力を見極めてきて貰いたい」


 「過分なご支援有難うございますシフォナ様。作戦の指示承りました。エルフの

 里にもその旨報告いたします」


  スレインとカタリナは十分な戦力を割いて貰った事に感謝し、シフォナの考え

 をエルフの里に持ち帰る事を誓った。

 

 「それからキョーヤ殿にはケルフェウス山に行って欲しいのじゃ」


 「ケルフェウス?そうか婆さんあれをキョーヤにもやるってか」


 「そうじゃ、何しろ時間が無いからの。あそこが手っ取り早いじゃろうて」


 「それってピッポも?」


 「そうじゃお主もじゃ。お主はその尻尾、プロシアンじゃな」


 「そうよ、ピッポはプロシアンなの」


 「ならば連邦に対する切り札になるやもしれぬ」


 「そうなのか!ピッポお前凄いのか?」


 「ピッポは凄いよ。キョーヤもだけどね」


  京矢とピッポは二人して喜び合った。


 「まあ落ち着いて聞くのじゃ。お主達は潜在的に能力は有るはずなのじゃが今の

 ままでは戦えぬ。なのでケルフェウス山でガーウィッシュと共に修行をして覚醒

 してきて欲しいのじゃ」


 「覚醒かあ。修行ってつらいの?」


 「そうだなあ。俺とクラウスもあそこで修行したんだが結構つらかったな」


 「そうなのか、楽な修行って無いもんかね」


  京矢はうんざりっていう感じの顔をした。


 「キョーヤ。お前の場合まず魔法の習得をしなければならないから、俺達より大

 変だぜ。まあ俺が付き合うんだから、魔法はすぐ出来るようになるさ」


 「それに妾も行くから覚醒など簡単にさせてやるわ」


  いきなりマドラ魔導騎士団長が部屋に入って来て京矢達に話しかけた。


 「うわっ、あんたは確か魔導騎士団長だったっけ?」


 「ハゲの勇者だからなコツさえつかめば妾位の魔導士には簡単になれるはず」


 「そう言う事じゃから各自明日の朝から作戦行動に移るのじゃ」


 「めんどくせー」


 「キョーヤ頑張ってね」


 「キョーヤ浮気するなよ」


 「うるせー」



    ◇      ◇      ◇



  京矢達は翌日朝早くカタリナ達と別れてケルフェウス山に出発した。


 「ここからそのケル何とか山って馬車でどのくらいで着くんだ?」


 「ケルフェウス山だ。お前は物覚えが悪いのか?全く。馬車なら半日って所だ」


 「へいへい分かりました。俺はね興味ない物は記憶しない質なんだよ」


 「ピッポも興味ない物は気にしない。仲間ね」


 「おおピッポもか仲間だな」


  そう言って京矢達は握手した。

  京矢達を乗せた馬車は東の街道を北上し王国を出て、やがて高くそびえる山並

 みの一つにたどり着いた。それを登って1刻程して道が急に狭くなった辺りでガ

 ーウィッシュは馬車を止めた。


 「馬車はここに止めて行く。ここからは徒歩でしか行けんのだ」

 

 「やれやれ現地まで馬車かと思いきやここから歩きとは・・・現代人にはきつい

 んだぞ」


 「キョーヤ何を言ってるんだ。戦争になったらこの倍程も歩かにゃならなくなる

 んだぜ」


 「そんなもんなのかね」


  京矢は観念した様子で歩き出した。当然ピッポは京矢の背中だ。

  山道を半日ほど歩き少し見晴らしの良い場所に出た。


 「この辺りで良いかな。取り合えずここでお昼にしようか」


 「やったぜ。もうお腹がすいて倒れそうだったんだよな」


 「ピッポも同じよ本当に疲れたわ」


 「お前、俺の背中に乗ってただけだろ」


 「そんなこと無いわピッポも大変だったんだから」


 「はいはい分かったよ」


  最近ピッポとはこんなやり取りばかりなので京矢はまたかよという感じで諦め

 た。(何で俺はこいつを背中に乗せているのだろうか?)


 「それでここからはどう行くんだ?」


 「あそこに建物が見えるだろ、今日はあそこに泊るんだが注意しろよ。ここから

 が本番だ、とにかく夜が更ける前にはあそこにたどり着け。そうじゃないとこの

 辺りの魔物に食い殺されるぞ」


 「たどり着けって、ここからあんたは・・・っていなくなりやがったあいつ」


 「突然消えたわ」


 「あそこに行くのはいいが道なんて分らんぞ。ピッポ分かるか?」


 「う~ん無理ね。匂いも無いし、足跡も見えないわ」


 「しょうがねえな、取り合えずあの建物の方に歩いて行くか」


  修行に為に訪れたここケルフェウス山で、突然試練が始まった。京矢達は無

 事目的地にたどり着けるのか。


  



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