海底遺跡の第二層は…
穴を出た先は、先程までのような上下左右どこにも電気が走る水中ではなかった。
水の高さは膝より下の位置で、電気は走っていなかった。
その浅い水の中には数匹カニがいた。
そのカニは右手だけではあるが入口付近にいたものよりも大きなハサミを持っており、挟まれれば普通のプレイヤーなら一発で倒されそうであった。
しかしそれはHPと【VIT】が普通であれば、だ。
そしてここには普通よりも高いプレイヤーがいる。
「一回私が挟まれてみるから、危なくなったらカニを倒して」
「りょーかい」
さばじろうはそばにいたカニの大きなハサミに自分から挟まれに行った。
そのハサミはさばじろうを挟むと、その力をだんだん強めていく。
しかし一定まで強めるとその強さの変化はなくなった。
「【VIT】と【AGI】が下がってる?」
さばじろうが自分のステータスを確認すると、徐々に【VIT】と【AGI】が下がっていること、HPは減っていないことがわかった。
「一応倒しておいて」
「わかった。【対応属性球】!」
電気を帯びた球はカニに直撃し、そのまま光となって消えていった。
「どうやら【VIT】と【AGI】が下がるだけっぽい。そして、基本的に反応するのは一匹だけかな?さっきも反応しなかったし」
「じゃあ私が挟まれに行くからフェスティが攻撃してね」
「わかった」
ハサミによるデメリットが【VIT】と【AGI】の低下のみであれば、その数値が0であるまーちゃんにとってそれはデメリットではなくなるということである。
その攻略法を採り、三人は次々とカニを倒していく。
そして先程もあったように目の前にドームのような空間がある。
その中央にいるのは右手のハサミだけが異常に発達したカニ。
そしてこのカニは先程までのものと違ってダメージを与えてくることが容易に想像できた。
「【農家式防御術】!」
「【魔力開放】!【魔法陣・極】!」
「たぶんハサミにはダメージ軽減がたくさんかかってると思うから胴体を狙って!」
さばじろうのそのアドバイス通り、フェスティは先程と変わらず電気の球を打ち続ける。
そのフェスティを守るのは、まーちゃんである。
いくら【AGI】0とはいえ、大振りかつゆっくり振り下ろされるハサミをガードできないわけがない。
どうやらこのボスは先程までの通路で【VIT】と【AGI】を下げ、大振りの一撃で仕留めるというコンセプトだったらしいが、【VIT】が下がらないとなってはなすすべがない。
「とどめ!【対応属性球】!」
その球により、カニのハサミ以外の部分は光となった。
ハサミはというと、ふよふよと浮かび、奥の方へと進んでいった。
「次がこのダンジョンの主っぽいから、もう一度気を引き締めていこう!」
「「おー!」」
三人は改めてこのダンジョンの攻略を誓って先へと進んでいった。
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