胸に掲げられた番号
広場が待っていたのは、試験の開始ではなかった。
標的が、それぞれの胸に掲げられる瞬間だった。
その朝、アルマザ学院は不自然なほど静かだった。
安らぎをもたらす静けさではない。
まだ誰も大きさを知らない何かが落ちる直前の、重く動かない静けさだった。
各隊は、森の門を正面に望む大広場へ整列していた。
暗い石で造られた高い門。
両脇にはアルマザの紋章が刻まれ、その向こうには、終わりの見えない木々の間を細い道が伸びている。
森は学院から遠くない。
それでも、学院の一部には見えなかった。
別の土地。
別の法則。
教師たちの手が簡単には届かない場所。
イザンはラカン隊の中で、シグランとマヤの少し後ろに立っていた。
胸にある唯一のアルマザの徽章が、いつもより冷たく感じられた。
今日は誰もが、自分を示す何かを身につけていたからかもしれない。
一族の徽章。
国の徽章。
名前。
そして間もなく、全員を標的へ変える番号。
イザンは並ぶ各隊を見た。
アルマザ第一隊は、揺るぎなく立っていた。
先頭にラーイド・オーラセン。
隣にアスマー・ザファラン。
その後ろではワーイル・イヴェルセンが、この場所よりも自分の存在を小さく見せようとしていた。
反対側には第二隊。
アミール・サーランは顎を上げ、アナス・ガスカンは自らを主張しない影のように静かだった。
ナダ・ディヤランは、横を見た瞬間に何かが露見するのを恐れるかのように、必要以上の力で前方を見つめている。
そしてラカン隊は――
世界規模の試験へ入る準備が整った隊には見えなかった。
シグランは、門を、現れるのが遅れた敵でも見るように睨んでいる。
マヤは落ち着いて見えたが、指先は完全には力を抜いていなかった。
イザンは、小旗争奪戦がこれに比べれば、安全な壁の内側の遊びにすぎなかったことを考えないようにしていた。
三人の後ろにはラカン・ディヤラン。
いつものように、顔にはわずかな皮肉が浮かんでいる。
だが目は笑っていなかった。
近くには、壁のように硬いアルダ・ジャルジャラン。
そして、まだ始まっていない音を聞いているように静かなアドナン・オーラセン。
広場中央の石造りの壇上には、学院長ナデル・ジャルジャランが立っていた。
隣には隊の名簿を持つアマル・ディヤラン。
そのそばには、試験の公式監督官がいた。
長身で、濃い灰色の外套をまとい、肩にはアルマザの徽章と試験委員会の徽章がある。
監督官の前には、横長の黒い箱が置かれていた。
大きくはない。
それでも、門よりも多くの視線を集めていた。
監督官はゆっくりと箱を開けた。
中には、はっきりとした番号が刻まれた小さな金属札が並んでいる。
彼は声を張り上げることなく、広場の端まで届く声で言った。
「世界騎士試験は、決闘でも、訓練でも、安全な壁の内側で行われる大会でもない」
誰も動かなかった。
「試験区域へ入る者は、必ず帰れるとは限らないと理解した上で入ることになる」
言葉が、冷たい風のように生徒たちの上を通り過ぎた。
ワーイルが唾を飲み込む。
今回は、それをうまく隠そうともしなかった。
監督官は一枚の札を指の間に掲げた。
「各隊の隊長は、胸の目立つ位置に番号札を身につける」
札をわずかに傾ける。
金属の表面で光が跳ねた。
「九つの番号が、九つの別々の戦いを意味するわけではない。八隊は二隊一組で四つの直接対決へ振り分けられる。奇数であるため、残る一隊には特別経路が与えられる」
いくつかの視線が動き始めた。
だが、誰かが口を開く前に監督官は続ける。
「直接対決では、それぞれの隊が相手の番号を知り、相手もまた自分たちの番号を知る。双方が互いを追うことになる」
札を正面へ掲げる。
「相手の番号札を奪い、それを持って制限時間内に塔へ到達した隊が合格となる」
そして少し下げた。
「番号札を奪われた隊は、その時点で正式に失格だ。森に残っていようと、探索を続けようと、その後に塔へ到着しようと関係はない」
その言葉が広場へ沈んだ。
負けたからといって、動けなくなるわけではない。
だが、試験は終わる。
監督官が続ける。
「特別経路の隊には、直接の対戦相手はいない。任務は、番号札を守ったまま制限時間内に塔へ到達すること」
少し間を置く。
「番号札を失えば失格となる」
ワーイルがわずかに顔を上げた。
簡単そうに聞こえた。
だが、いくつかの隊の視線は違うことを語っていた。
誰も追わない隊は、道を失った者や、最後の機会を求める者の標的になり得る。
監督官が言う。
「番号と封筒が渡された後、開始が宣言されるまでは、相手へ敵意を示す視線を繰り返すこと、合図を送ること、意図的に接近すること、ケメンを使用すること、その他、隊の意図を明らかにするあらゆる行為を禁ずる」
彼の目が各列を横切る。
「違反は即時失格」
そして付け加えた。
「森へ入った後に白旗はない。一時停止もない。教師が入ってきて、お前たちの失敗を修正することもない」
ラカンの目がわずかに細くなった。
だが表情は変わらない。
「負傷はあり得る。死もあり得る。その条件を受け入れられない者は、今ここで退け」
誰も退かなかった。
全員が勇敢だったからではない。
あれだけの視線の前で退くことが、別の形の死に見えたからだ。
監督官は続ける。
「試験を通過した者には、騎士階級Eが与えられる。騎士名簿へ正式に記録される、最初の位だ。失敗した者は生徒の席へ戻る」
言葉を止める。
「戻れればな」
今度は、唾を飲み込んだのはワーイルだけではなかった。
アミールさえ笑っていない。
監督官は最後に言った。
「この瞬間から、お前たちは狩人であり、同時に獲物でもある」
アマルへ頷く。
彼女は名簿を開いた。
声は明瞭で、恐怖の上へ秩序を置くには十分な冷たさを持っていた。
「一番――アルマザ」
ラーイド・オーラセンが前へ出た。
急ぎもせず、遅くもない。
いつも立つ時と同じように歩いた。
まるで、足を置く前から地面がその位置を知っているかのように。
監督官は箱から札を取り出し、赤いオーラセンの徽章の上へ留めた。
一番。
ラーイドは一度だけ番号を見下ろし、自分の場所へ戻る。
アルダは無言で見ていた。
視線がラーイドの手で止まる。
シグランの炎を受けた後のようには、指は震えていなかった。
だが、完全に力が抜けているわけでもない。
アマルが読み上げる。
「二番――アルマザ」
アミール・サーランが、必要以上に大きな歩幅で前へ出た。
自分が恐れていないことを、広場全体へ知らせなければならないかのように。
胸に二番が留められる。
口元に小さな笑みが現れた。
喜びではない。
宣言だった。
後ろのアナスは、番号だけを見ていなかった。
その番号を見た者たちを観察している。
ナダは、横目が裏切ることを恐れるかのように、前だけを強く見つめ続けた。
アマルが言う。
「三番――アルマザ」
空気が変わった。
目に見えることは何も起きていない。
だが、シグラン・ザランが前へ出た。
その名だけで、視線が動くには十分だった。
ザラン。
シグランは頭を下げない。
笑いもしない。
番号を受け取りに来たのではなく、その番号こそ自分の胸へ掲げられるべきだと確認しに来たかのように、監督官の前へ立った。
三番の札が、ザランの徽章の上へ留められる。
その下で、徽章がさらに重く見えた。
イザンは、シグランへ集まる視線を見た。
賞賛。
警戒。
好奇心。
そして、異なる視線を一つ。
ティルマラのナドラン。
あるいは、ナドランに見える者。
彼は番号を先に見なかった。
シグランを見た。
短く。
静かに。
それから、自然な順番だったように番号へ目を移す。
イザンの胸に、狭い何かが沈んだ。
理由は分からない。
マヤはシグランを見ていた。
シグランは、三番が身体の一部になったかのように戻ってきた。
遠くのラカンは、嬉しそうには見えなかった。
アマルが続ける。
「四番――ハガリス」
エヴリン・ストロムが前へ出た。
歩みは静かで、挑発も謙遜もない。
一歩一歩が、それだけで完結しているかのようだった。
監督官が胸へ四番を留める。
表情は変わらない。
後ろでは、クララ・テフィールドが札よりも地面を見ていた。
ルーカス・ヴァイルは、名乗る必要のない壁のように立っている。
「五番――ティルマラ」
ナドランの名をまとったライが前へ出た。
笑みは正しい場所にあった。
だが、昨日の笑みとは違う。
あるいは、イザンがそう見たがっただけかもしれない。
礼儀正しく。
計算され。
必要以上を与えない。
後ろには、サリムの名をまとったハル。
身体には、やや過剰な軽さがある。
ユーヌスの名をまとったキオは、無言のままだった。
外交団の護衛にしては、目が鋭すぎる。
アマルが名簿から顔を上げた。
徽章は正しい。
名前も正しい。
立ち方も、十分に近い。
それでも――
視線が半瞬だけ長く止まった。
監督官がライの胸へ五番を留める。
ライは小さく、正確で美しい礼をした。
だがイザンには、その礼が完成されすぎているように感じられた。
理由ではなく、形だけを学んだ者のように。
アマルが続ける。
「六番――カスナラ」
カシムが前へ出る。
胸に札が留められても、ほとんど瞬きをしなかった。
後ろのマリアムは真っすぐ立ち、ヤーメンは広場を囲む塔を観察している。
「七番――ティゾラ」
ユーバは、儀式が長引くことを嫌うかのように前へ出た。
七番を受け取っても、一度以上見ることはなかった。
後ろではセイラが目で出口を数え、マシンは光と影の間に立っている。
「八番――サティラン」
ファリスが自信ある歩みで進む。
胸に番号札が留められると、誇示ではない小さな笑みが現れた。
後ろのリアンは、門が開く前から走り出せそうだった。
ムラドは、温かな岩のように静かに立っている。
そしてアマルが言った。
「九番――ビスカラ」
イザンの呼吸がわずかに止まった。
サーレムが前へ出る。
服が誰より豪華なわけではない。
歩みが大きな音を立てるわけでもない。
それでも彼は、足元の砂、遠くのナツメヤシ、横から割るデグレットの実をイザンへ思い出させる何かを運んでいた。
監督官が胸へ九番を留める。
サーレムが一度顔を上げ、アルマザの列にいるイザンを見つけた。
大きく笑うことはない。
ただ、胸へ手を置いた。
旅人同士の挨拶。
イザンも、目立たないように返した。
見た者は多くない。
だがマヤは見ていた。
そして、その後のイザンの顔が、ほんの一秒だけ変わったことも。
サーレムの胸の番号が、番号だけではなく、遠い場所へ届いた古い香りのように見えた。
監督官が箱を閉じた。
すべての隊長が番号を持った。
すべての番号が、勝利か敗北の約束になった。
補助員が封印された封筒を配り始める。
監督官が言った。
「合図で開封せよ。開けた後は覚えておけ。足より先に意図を晒す顔は、始まる前に負ける」
手を上げる。
そして下ろした。
封筒が開かれた。
大きな音はしない。
薄い紙の破れる音。
止められる呼吸。
普通を装おうとする目。
三番隊では、マヤが封筒を受け取った。
シグランは反対しなかった。
だが、納得しているようにも見えない。
マヤは静かに封を切り、小さな紙を取り出した。
三人が見る。
八番――サティラン。
シグランの目が、ファリスへ動きかけた。
マヤが、ほとんど唇を動かさずに言う。
「見ないで」
彼は前を見続けた。
だが顎が固くなる。
イザンはそれを見た。
試験は、森へ足を踏み入れる前から始まっている。
反対側で、八番隊が封筒を開く。
三番。
アルマザ。
ファリスはシグランを見なかった。
だが笑みは消えた。
リアンが紙へ少し身を寄せる。
ムラドは、岩を担ぐ準備でもするように肩を動かした。
対戦は決まった。
三番対八番。
アルマザ対サティラン。
遠くからラカンは自分の隊を見ていた。
マヤが視線を止めたこと。
止められることをシグランが嫌ったこと。
そしてイザンが、見る者だけでなく、見なかった者を観察していること。
心の中で言う。
悪くない。
災難の半分は先送りできた。
九番隊では、サーレムが封筒を開いた。
五番――ティルマラ。
サーレムは彼らを見なかった。
表情もほとんど変わらない。
ヌーリヤは番号を確認すると、砂漠の道を記憶へ刻むように一瞬だけ目を閉じた。
ジャラルは眉を上げそうになった。
だがサーレムが紙のそばで指を一度動かす。
理解した。
そして黙った。
ティルマラの列では、ライが封筒を開いていた。
読む。
九番――ビスカラ。
ハルが紙を見る。
サーレムへ目が動きかける。
ライが低く言う。
「見るな」
ハルは、楽しさのない笑みを浮かべた。
「なら、あいつらが俺たちを追うのか」
キオが言う。
「俺たちも追う」
ライは封筒を閉じた。
「番号は目隠しだ」
キオの指がゆっくり動く。
「ザランの小僧は?」
ライの声は変わらない。
「生きたまま」
短い言葉だった。
だが、広場に掲げられたすべての番号より重かった。
一番隊では、ラーイドが封筒を開いていた。
六番――カスナラ。
顔は動かない。
だがアスマーが紙を見ると、呼吸が一瞬止まった。
ワーイルは、カスナラを見そうになった。
ラーイドが紙の端を上げ、視界を遮る。
低く言う。
「始まる前から正体を晒すな」
ワーイルは慌てて顔を下げた。
反対側では、カシムが一番を読んでいる。
静かに封筒を閉じる。
獲物を追う者には見えない。
壁の後ろで待つ者に見えた。
一番対六番。
アルマザ対カスナラ。
アミールが二番隊の封筒を開いた。
現れたのは――
七番、ティゾラ。
完全な笑みを見せまいとした。
低く言う。
「入ったらすぐ動く。時間を与えない」
アナスは紙を長く見なかった。
アミールを見る。
次にナダ。
そして広場。
「急ぐ者は、いつも長い痕跡を残す」
アミールが苛立たしげに見る。
「今は謎かけを始めるな」
ナダは口を開かなかった。
番号とともに、ティゾラ隊の位置を記憶している。
ユーバも七番隊の封筒を開く。
二番。
アルマザ。
セイラが低く言う。
「サーラン」
ユーバはアミールを見なかった。
「力を追うな。力が残す道を追え」
マシンは何も言わない。
顔の半分が光。
もう半分が影。
二番対七番。
アルマザ対ティゾラ。
一つだけ、異なる封筒が残っていた。
エヴリンが開いた。
中に番号はない。
二行だけだった。
塔への特別経路。
四番を保持し、制限時間内に塔へ到達せよ。
クララが無言で読む。
そして言った。
「直接の相手はいない」
ルーカスが眉を寄せる。
「何だと?」
エヴリンが紙を傾ける。
ルーカスが読む。
一瞬、動かなかった。
それから真剣な顔で言った。
「退屈だ」
エヴリンは答えない。
ルーカスが顔を上げ、一番近い隊を見る。
カスナラだった。
一歩前へ出る。
もう一歩。
カシムへ手を上げる。
「おい、そこの」
いくつかの顔が彼へ向いた。
ルーカスは六番を指さした。
「札を交換しないか? そっちが四番を持って、俺たちがその任務をもらう。それで――」
監督官の声が響いた。
「四番!」
ルーカスが止まる。
ゆっくり振り返った。
監督官の顔は硬い。
「もう一歩ほかの隊へ近づくか、抽選を変えようとすれば、門が開く前にハガリスを失格とする」
沈黙が落ちた。
ルーカスは手を下ろす。
完全に真剣な顔で言う。
「提案しただけだ」
「その提案が規則違反だ」
ルーカスは戻った。
エヴリンへわずかに身を寄せる。
「やはり退屈だ」
クララが彼を見ずに言う。
「札を失わない努力でもすれば?」
ルーカスはエヴリンの胸の四番を見る。
次に、ほかの隊を見る。
「誰が奪いに来る?」
エヴリンが静かに答えた。
「簡単な道を、自分の権利だと思う者」
ルーカスは黙る。
やがて口元に小さな笑みが現れた。
「それなら、少し面白い」
エヴリンは紙を封筒へ戻した。
彼らには追う標的がない。
だがその瞬間から、四番は、追い詰められた隊なら誰でも欲しがる番号になった。
イザンは、もう自分たちの紙を見ていなかった。
ティルマラのナドランを観察していた。
封筒を開いた後、多くの隊が、何らかの形で同じことをしていた。
動きかけた目。
固くなった肩。
止まった指。
意図を隠した者でさえ、何かを隠していることは明らかだった。
だがナドランは――
紙を読む。
閉じる。
ビスカラを探さない。
今、相手を知った者のようには見えなかった。
番号よりも重要な何かを、最初から頭の中へ持って広場へ入った者のようだった。
マヤが彼を見ずに聞く。
「何を見たの?」
イザンは迷った。
「分からない」
「言って」
声を落とす。
「あいつ……番号を探さなかった」
マヤが一瞬黙る。
「誰?」
「ティルマラ」
彼女の目が動きかける。
だが止めた。
シグランが冷たく言う。
「お前ほど怯えていないだけだろう」
イザンは答えなかった。
シグランが正しいのかもしれない。
違うかもしれない。
だが、胸の違和感は消えなかった。
しばらくして、アルダが一番隊へ近づいた。
長い演説はしない。
ラーイド、アスマー、ワーイルの前へ立つ。
「カスナラは一直線には追ってこない。姿を見せる前に、地面そのものを敵にする」
ラーイドを見る。
「番号だけを盲目的に追うな。長く立っていた者ほど、機会を多く見る」
視線が彼の手で止まる。
「立ち続けることと、すべての正面に立つことは違う」
ラーイドは答えなかった。
だが目を逸らしもしない。
アドナンが二番隊へ進む。
アミール。
アナス。
ナダ。
三人を見る。
「ティゾラは道を読む。一つの明確な道を与えるな」
アミールへ目を止める。
「森で大きな声を出せば、獲物へ狩人の位置を教えることになる」
アミールが顎を固くする。
気に入らなかった。
おそらく、それこそが彼に必要な理由だった。
ラカンはゆっくり前へ出た。
シグラン、マヤ、イザンの前へ立つ。
シグランの胸にある三番を見る。
次に、イザンの胸にある唯一のアルマザの徽章。
そして、感じている以上に落ち着いて見せようとするマヤ。
「早く死ぬな。俺の訓練が実際よりひどかったように見える」
誰も笑わなかった。
ラカンも期待していなかった。
声から、わずかに皮肉が消える。
「シグラン。番号を追って、後ろにいる者を忘れるな」
シグランの目に、小さな火が灯った。
だが答えない。
「マヤ。二人を一人で背負うな」
マヤが一瞬目を下げる。
それから頷いた。
ラカンがイザンを見る。
「イザン」
顔を上げる。
「自分自身に見えないものを見たら……口にしろ」
その言葉は、森のことだけを指していないように感じられた。
イザンは頷いた。
自分を信じていたわけではない。
それでも頷いた。
教師たちは後ろへ下がった。
もう広場の一部ではない。
この瞬間から、彼らは目撃者だった。
監督官が手を上げた。
森の門が開き始める。
石と石が擦れ合う音。
中から冷たい空気が流れ出し、湿った土と古い葉の匂いを運んできた。
門の向こうでは道がいくつかへ分かれ、それぞれの脇に小さな石標が立っている。
学院長ナデル・ジャルジャランが言った。
「この先に安全な広場はない。中断もない。白旗もない」
各隊へ目を走らせる。
「制限時間は三日目の日没まで。終了が宣言された時点で、合格条件を満たした状態で塔へ到着していない隊は、すべて失格として記録される」
そして言った。
「始め」
最初に動いたのはハガリスだった。
静かに入っていく。
新しい場所へ足を踏み入れるのではなく、知っている土地へ戻るように。
ルーカスは道よりも、ほかの隊を見ていた。
クララが言う。
「二つ目の違反はやめて」
「まだ何もしていない」
エヴリンが言った。
「今日のあなたとしては、それが一番いい状態ね」
三人は森へ入った。
続いて、カスナラが歩く壁のように進む。
ティゾラは、標的より先に出口を探す目で入った。
サティランは自信を持って進み、急がない。
ビスカラは忍耐とともに入る。
先頭はサーレム。
後ろにヌーリヤ。
ジャラルは、薄い笑みの下へ高揚を隠していた。
そしてティルマラが動いた。
先頭のライ。
胸には五番。
笑みは正しい位置に残っていた。
だが、それは彼自身のものではなかった。
その後、アルマザの隊が入っていく。
ラーイドたち。
アミールたち。
そしてラカン隊。
イザンは、門の境目で一瞬止まった。
一つの道へ消えたサーレムを見る。
別の道で木々に飲み込まれたティルマラを見る。
そして、シグランの胸の三番。
シグランが振り返らずに言った。
「入るのか。それとも森に運んでもらうのを待つのか?」
イザンは動いた。
二人の後ろから入る。
足が境目を越えた瞬間、広場の音が一気に途絶えた。
門が各隊の後ろで閉じる。
ティルマラの道では、ライが急がず木々の間を進んでいた。
ハルは後ろで、胸のサリムの徽章を新しい玩具のように触っている。
キオは退屈そうに木々を見た。
ハルが低く言う。
「ビスカラは五番を追ってくる」
ライが答える。
「追わせておけ。自分が狩っていると思う者は、自分から後ろを歩く」
キオが指を鳴らす。
「九番は?」
ライは止まらない。
「任務ではない」
ハルが少し近づく。
「ザランの小僧は、いつ取る?」
ライは森の奥を見た。
道が消え始め、木々が各隊の音を飲み込んでいく。
「番号が、自分たちの中に試験をしていない者がいることを忘れさせた時だ」
全員が、札と騎士の位を求めて森へ入った。
だが黒の帳は、試験に勝つために入ったのではない。
ザランの少年を連れ出すために入ったのだ。




