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卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
13章 Double 決戦のタッグマッチ!

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第522話 魔力解放

「くっ……」


 せっかく蘇生した新しいフォルダさんが再び落とされ、猫ですさんが苦渋の表情を浮かべる。それでも戦意は消えない。バックステッポでボクから距離を取りつつ、【ストレージ】から水色に輝く宝石めいたものを取り出した。


 深追いは危険そうですね。ボクも同じように後ろへ下がって距離を取ると、彼女はその宝石を躊躇なく地面へ叩きつける。宝石が割れると同時にエリアが形成され、その範囲に【リバースコール】が降り始めた。


 エリア系の魔法は、範囲内に入った時点で命中が確定する。まともに踏み込めば厄介だが、距離を取っていたことで範囲外に逃れ、ダメージは受けずに済んだ。


【リバースコール】

[アクティブ][座標][エリア][水属性][攻撃][支援][妨害][魔法]

消費MP:6 詠唱時間:5s 再詠唱時間:30s 効果時間:4m

効果:[座標]を[起点]として[エリア]を[形成]し、[範囲]の[敵][キャラクター]の[水属性][ELM]を[低下]させ、[ダメージ]を[与える]。[範囲]の[味方][キャラクター]の[水属性][ELM]を[増加]させる。


 ボクは【ファストリカバー】でHPを回復し、メグさんは【アームズスイッチ】で先程投げたばかりの斧を回収する。ゴブ蔵は休みなく牽制に【カタパルト】を射出していく。


 戦況は3対1となり、明らかにこちらが優位な状況――それでも猫ですさんの戦意は消えていない。周囲の砲台を操って【カタパルト】を撃ち落としつつ、手を止めることなく複数のポーションを【ストレージ】から取り出しては飲み干していく。


「〈灼熱の業火を身に纏い、天空より顕現せん〉【メテオ】!」


 ボクが隕石を呼び出すのに合わせ、彼女も迎撃用のアイテムを取り出した。


 それは虹色に輝く御札だった。猫ですさんはそれを自身のおでこに貼り付けると、半透明の障壁が立ち上がり、真正面から隕石を弾き飛ばす。障壁の表面が鈍く揺れたかと思った次の瞬間には、もう隕石の軌道が逸らされていた。


 相当に強力な障壁だ。追撃は無意味か。そう逡巡したほんの一瞬のうちに猫ですさんは御札を剥がし――びりびりに破いた。


 その瞬間、膨大な魔力が空気を震わせながら周囲へ撒き散らされる。灑智のそれを思わせる絶大なエネルギーが、御札から炸裂するように噴き出した。肌の上をびりつかせる圧だけで、危険度が嫌でも伝わってくる。


「なっ、なんなのです!?」


「卍さんを相手に出し惜しみをしているべきではありませんでしたにゃん」


 拡散された魔力は猫ですさんの意思に従って空間に集約され、無数の雷へと形を変えていく。一本一本が槍のような輪郭を帯び、青白い火花を散らしていた。


「〚ライトニングボルト-0〛!」


 所詮は〚ライトニングボルト〛だが――灑智に匹敵する魔力が込められた()()は、プレイヤーのHPを一撃ごとに容易く削り取るだろう。


 そして雷は全てを蹂躙する衝撃を撒き散らしながら光の速度で撃ち出された――。逃げ場を塞ぐように、ボクとメグさんを狙って10発ずつ。


「〚エデン〛!」


 いかなる火力であっても、外界と隔てる〈魔導〉の壁は越えられない。そのすべてを無効化し、正面から受け止めてもなお余裕がある。


 しかしメグさんは〚エデン〛を使えない。«絶対防壁»であれば受け止められるだろうが、〈魔導〉はスキルではないので【アトラクト】で誘導できない。守れても、逸らせない。


「«テレポート»!」


 〚エデン〛を起動したまま«テレポート»でメグさんの前に転移し、庇うようにして降り注ぐ全ての〚ライトニングボルト-0〛を一発残らず受け止めた。


 しかし〚エデン〛は著しい魔力消費を伴う〈魔導〉だ。長く維持できる代物ではなく、このまま受けに回れば次の攻撃は受けきれないだろう。


「まったく、なんなんですか!そのアイテムは!」


「このまえ灑智さんに作ってもらった取っておきの1枚ですにゃん!」


 まったく、また灑智ですか!ゲームが壊れるから魔力は使わないんじゃなかったんですか!そう心の中で文句を言うが、その間にも休みなく〚ライトニングボルト-0〛の次弾が生成されていく。


 しかしやはり本家本元とは違い、魔力は無尽蔵ではないようだ。雷の槍が生み出されるたび、空間の魔力がごっそり削り取られていくのが肌でわかる。撃たせるほど先細るなら、このまま長期戦にはならないだろう。


 ここは魔力を枯らす持久戦でいくか、それとも速攻を仕掛けるか――そうボクが判断を固めるよりも早くメグさんが動いた。


「«縮地»なのです!」


 瞬間、ダンジョンの壁を取り出し、大地を蹴って一直線に猫ですさんへと突き進む。行く手を阻む〚ライトニングボルト-0〛を無敵の壁でまとめて突き飛ばし、真っ直ぐに駆け抜けた。


 ボクもメグさんが切り開いた道に乗じ、遅れず空を蹴って駆け抜ける。


「当たれー!なのです!」


 しかし一直線に突き進むだけの【マクロ】は動きが読みやすい。猫ですさんは〈トンネル避け〉で直撃を避けるが――その回避先へ食らいつくように後ろから続くボクがすかさず杖を叩き込む。


「ソウルフレア!」


 ボクがスキルを宣言すると同時に猫ですさんは奥歯の【タブレット】を噛み砕いたようだが――宣言より僅かに遅れて放たれた白銀の炎が、喰らいつくように彼女のHPを燃やし尽くした。


 『ゲームセット WIN:卍荒罹崇卍&メグ LOSE:新しいフォルダ&猫です』

マクロその23 『縮地』

«疾風迅雷»の改良版の【マクロ】です。«絶対防壁»の壁を全面に突き出すことで、あらゆる障害をものともせず突破します。

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