五二戒 決着(壱)
龍の攻撃はより一層過激さを増す。いくら人間離れした身体能力がある戒盾とはいえ、破茶滅茶に光線を撃たれたら避けきれるはずがない。徐々に光線が腕や脚を掠め始める。
「ほらほら〜!」
「どうすりゃいいんだよあんなの!」
光狼は観察し考える。光線の出る場所や出し方、はたまた躱した後の光線はどうなるのか。
「分かんねぇ! 『放狼』!」
光狼は龍に直進していく。光線が来たら宙へ跳び、跳んだ先に光線があるなら宙を跳んで更に避ける。
「オラァ!」
大きく振りかぶった光狼の大剣を龍は易々と避ける。それどころか、龍が立っていた地面から光線が飛んできた。
キィィィン――
光狼はとっさに大剣で光線を防いだ。すると光線は大剣の刀身を鏡のようにして反射していき地面を焼いた。
「危ねぇ……。でもこれなら。」
「死ぬかと思ったんだけどね。」
龍は攻撃の手を休めない。ニコニコしながら無数の光線が光狼に襲いかかった。
「もう避けるだけじゃねぇ!」
再び光狼は龍に走っていく。その間、襲ってくる光線を大剣で反射させて自らのダメージを最小限に抑える。
「ちょっと芸がないよ光狼くん。」
龍が再び光狼の大剣を避ける。
大剣は地面に突き刺さる。その時、光狼がニヤリと笑う。
「『神炎の狼』」
光狼の眼は青く光る。次の瞬間、光狼は霧のように消えていった。
「これでどうだい!?」
龍は光狼の青い瞳の残光しか見えず、目に見える範囲すべてを光線で埋め尽くす。
「ここだぜ。」
ゾブッ――
『叢雲』が龍の胸を貫く。龍は突き刺さった大剣を右手手で掴み、左手で珠を操ろうとする。
ジュプ――
「ガアァァ!!」
霧から『羽々斬』が現れ龍の左手を切り落とす。
「首も行っとくぜ。」
龍の左手を落とした『羽々斬』は立て続けに龍の首を落とした。
宙に浮いていた龍の珠は地面に落ちる。瓦礫だらけの地面に転がったのに傷一つ付かなかった。
「うし、追うか。」
ヒビの入った愛剣を握りしめ、光狼は虎閃を追うために走っていく。




