四九戒 辰①
虎閃は光狼を無視して帝の間へ向かう。しかし光狼は彼を追い大剣を振る。
「あー! 分かってくれよ!」
虎閃は左腕の聖器で大剣を払う。光狼は大剣を地面に突き刺して引き抜く。『叢雲』と地面に残った『羽々斬』も引き抜き、2本の剣を構える。
「行かせねぇよ!」
光狼は斬り掛かる。躊躇はありながらも、怪我だけでは済まさないと割り切り虎閃を斬る。虎閃は剣を避け、受け流しながら光狼を止める方法を考える。
バコン――
バラバラ――
彼らが戦っている中、突如爆音と共に天井が崩れる。
「お、虎閃!」
「あー龍さん! てことは戦ってるのは竜!?」
龍の目線の先に竜はいた。しかし、半年前に虎閃が会った時とは姿が違っていた。
「驚くのも無理はない、獣器を使いすぎたんだ。もう時期獣になってしまうよ。」
竜の姿は異形だった。顔の半分まで鱗が蝕み、身体に至っては全身が爬虫類の鱗で覆われていた。
「殺す!」
竜は虎閃と龍を狙って派手に槍を突きだす。
「虎閃、竜は私が始末するから早く行くんだ。」
龍は虎閃を叩いて走らせる。後を追う光狼に石を投げて手招きをし挑発する。
「まずはお前から消してやるよ龍!」
光狼はターゲットを龍に変えて剣を構える。
「相手してやろう。」
竜は一心不乱に槍を突き出す。龍は槍をギリギリで躱しながら竜を煽る。
「そんなんじゃ当たらんよ。」
竜の猛攻で建物はバコバコ壊れる。
「『光炎十字』!」
光狼は竜にかまけている龍に燃える斬撃を放つ。それでも龍はひらりと躱して竜の攻撃を躱し続けている。
「おい竜! もう使うのやめろ! 分かってんだろ!」
「だまれ! 『神黒槍』!」
竜は槍を回転させる。すると段々と槍が黒いモヤがかかり、刃の部分が漆黒に覆われる。
「死ね!」
さらに禍々しくなった槍を龍に振り回す。それでも龍は反撃をせず避けることに専念している。
「クソ!」
光狼は『羽々斬』を『叢雲』に戻して大剣にする。そのまま龍の後ろから斬り掛かる。
「いて!」
光狼の攻撃は龍の腕をかすめる。集中力が切れたのか、龍は竜の槍を喰らいそうになる。
「危ないね。」
龍は挟み撃ちを避けるため2人から大きく離れる。すると誰かに電話をかけ始める。
「私だ。手を挙げたら大剣を持ってる方を狙撃してくれ。」
「戦え!」
光狼と竜は龍に向かって走り出す。そこで龍は手を挙げる。
バチン――
光狼の後ろから銃弾が飛んでくる。光狼は振り向いて剣を振り銃弾をぶった斬る。心配した竜は光狼の方を向く。
「おいお前は前見てろ!」
「遅いよ。」
龍は竜の槍を握り引き寄せる。それと同時に竜の腹に掌底をし竜をぶっ飛ばす。
「竜、これの使い方知ってるかい?」
龍は槍を地面に滑らせて自分を中心にして円を描く。
「頑張って耐えてね。」
すると槍にある珠のような物が眼になり開眼する。龍はその槍を自分の腹に構えて突き刺そうとする。
「何してんだ!」
「私は死なないさ。」
槍の刃が龍の腹に触れる。
その時、光狼も見た事のある文字の輪と光が龍から伸びる。




