四八戒 そして
そう、任務は全てリオンを通して言われていた。蒼猪さんを連れてくる任務だって、使千器集めだって。
「世界政府の考えがリオンの考えそのものなんだよ。」
「あー、半年後に政府庁に乗り込んでリオンを殺せば、神を作って世界が終わることも無くなるって事ね。」
かっちゃんは黙って頷く。すると使千が突然立ち上がって部屋を出ようとする。
「俺の目的は身体を取り戻す事だった。それが果たされた今、命を懸けてお前たちに協力する義理はない。」
使千が扉を開く。
「でも、この身体で、人間の言う『死』を味わうのも悪くない。必要になったら呼んでくれ。」
使千が部屋から去っていった。なんだかんだ言って、協力してくれる彼の優しさに俺は感銘を受ける。
「びっくりしたなぁ。素直に頼ってくれって言えやいいのによ。」
かっちゃんも立ち上がって扉を開ける。
「そうか、ここにはもう誰も来ないんだったな。」
俺と闇犬に聞こえるような独り言を言って外に出ていった。
「こ、虎閃。かっちゃんの所着いたら話するって言ったよね。」
闇犬がモジモジしながら話し始める。そういえばそんな事言ってたな程度でしか覚えていなかった。
「あたしと蒼猪の事。」
闇犬は被っていたフードを外す。口には蒼猪さんのマスク、顔も髪も全て彼女と同じのその顔だが、雰囲気や話し方はまるで違う。そんな闇犬が口を開く。
「あたし達――」
コンコンコン――
ドアをノックする音がする。
「あー、今行く。」
扉を開けると長い箱を持ったザク屋が立っていた。
「なんか、さっき来た女の人が黒い女に渡せって。」
箱を受け取り闇犬に渡す。闇犬が受け取った箱の包装を破ると、1枚の紙が入っていた。紙にはこう書いてあった。
『そろそろだと思って渡しておく。触る時は注意してね。あなたの親友より。』
闇犬が箱を開ける。そこに入っていたのは蒼猪さんの使千器、『紅剣』だった。
「これ……。」
闇犬が刀に触れる。




