四五戒 最後の共闘
使千は地面に降り立つと、そのまま力なく地面に倒れる。おそらく意識はないだろう。俺が使千を心配している中、少し掠れた声で竜が言った。
「戻ってこい。」
竜は爬虫類の鱗で覆われた腕を俺へと伸ばす。俺は右肩をさすり竜に呟く。
「悪い。」
特別なことは言ってないが竜は察してくれた。
「僕のこと忘れてない!?」
ズドン――
ビャッコは俺と竜に割って入り地面を叩く。叩いた場所はひび割れ土煙が舞う。
「俺はお前を連れ戻しに来ただけだ。でも無理なら俺は帰る。その前に……。」
竜は槍を振り土煙を払いながら俺に近づく。
「最後に仲間として邪魔なやつを消す。」
竜は俺の右側に立ち、毛を逆立てているビャッコに槍を向ける。ビャッコは険しい剣幕になり、牙を立て咆哮を轟かせる。
「酉朱雀を殺ったからって、僕も殺れると思ってる!?」
ビャッコは手負いの俺を狙い雷撃を放つ。俺は左腕で雷撃を弾き、ビャッコに飛び蹴りをする。
「もう効かないんだよ!」
「ぐっ……!」
ビャッコの身体は帯電していて、足が触れた瞬間稲妻が弾ける。
「どけ!」
竜は感電している俺を突っぱねて、槍を突き出しビャッコに突進していく。
「『画竜点睛』」
槍の穂先がビャッコに突き刺さると、竜はビャッコを上空へ打ち上げる。傷口から出る血飛沫が桜の花びらのように散り、竜の槍にハマっていた玉のような物が蛇の目のようになる。
「お前はそこで大技構えてろ。」
竜はそう言うと、上空に打ち上がったビャッコを追いジャンプする。
俺は考えた。獣器での攻撃が通用しない相手にどう攻撃をするか。辺りを見渡していると、とある物が視界に入る。
「闇犬!」
完全に蚊帳の外にいた闇犬に話しかける。
「な、なに!?」
「あー、太ももの銃って使千器だったよな! 貸してくれ!」
闇犬は慌てて太もものホルダーから銃を外して俺に投げる。
「サンキュー!」
と言っても、俺は銃なんて撃ったことなかった。軽そうに見える拳銃は見た目よりも重く、両手で押さえられないから照準は安定しない。
「それでもやるしかないだろ。」
俺は自分に喝を入れ、竜とビャッコが降ってくるのを、青い閃光を纏いながら待った。
「『桜花狂乱』」
青い龍がビャッコに噛みつき、牙のくい込んたビャッコの体からは桜の花びらが散る。
ドシャ――
降ってきたビャッコは竜の槍を噛み止めていた。
「準備出来てるか!?」
「あー! ワンチャン!」
竜は槍を器用に回転させてビャッコから引き抜き、そのままビャッコの顔を蹴って俺の方に向ける。
「当たれ! 『弾丸駆動』」
ダン――
ビャッコの眉間目掛けて弾丸を放った。放たれた弾丸は青い閃光を纏い、やがて稲妻の虎に成る。




