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Judge all  作者: 蒼猪
67/80

四二戒 本気

 俺は拳を打ちつけて2匹の動物を睨みつける。

「あー、本気見せてもいいか?」

「はぁ? そんなんで僕らが楽しめるならいくらでも見せて欲しいけど。」

 や(・)り(・)た(・)い(・)事(・)がある人間はその欲求を満たすために多少の無茶をする。俺以外の人がそうするように、今の相棒がそうであるように。

「俺は、俺のためにこの技を使う。」

 抱拳礼をしてて2秒間静止する。静止後、親指で喉をかっ切る動作をして、そのまま親指を下に向ける。

「『滅神閃光《めつじんせんこう》』」

 今までに感じたことの無い高揚感と、戦いに向ける興奮。俺のや(・)り(・)た(・)い(・)事(・)は、強敵との戦闘だ。

「いい闘争心だね。酉朱雀は少し下がっててよ。」

「なんで私が呼ばれたのでしょうか……。」

 ビャッコは地面を殴って土煙を上げる。俺からビャッコは見えないが、巻き上げた本人も周りを見れてない。俺はそのままビャッコが居たであろう場所に向かって飛び蹴りをする。

「少しは待ってくれよ。」

 蹴りを手で掴まれた。そこには、4足で立っていたはずのビャッコが2足で立っていた。しかも、動物のフォルムではなく、見た目は人のような形をしていた。

 3メートルほどある身長、体は白い毛に流れる黒い模様があり、手足の爪は長く鋭い。人の顔の形をしているが、体全体が毛で覆われているため、そこから伸びる髪も白い。

「君の誠意に答えないとね。」

 俺はぶん投げられ、白い家の壁に激突する。痛みなどお構い無しに、俺は壁に足をつけ、白い綺麗な壁がめり込む程の力で壁を蹴ってビャッコの元に戻る。

「本気を見せるからには様子見はしねぇ。最初からクライマックスだぜ。」

 滅神閃光の強みは速さだ。速さは一定まで行くと、空気の壁という障害にぶち当たる。俺の速さはその空気の壁を触れる程にまで上がる。

「いくぜ、『雷豪駆動(エボリックドライブ)』!」

 俺の獣器はビャッコに効かない。そんな事は百も承知だったが、なりふり構わず本気をぶつけたいと思い、両拳に青い稲妻を走らせる。

 初速からトップスピードで走っていきビャッコをぶん殴る。そのまま空中へ身体を放り、空気の壁を蹴って方向を変えて再びビャッコをぶん殴る。方向を変えてぶん殴る。変えてぶん殴る。ぶん殴る。ぶん殴る。ぶん殴る。ぶん殴る。ぶん殴る。

 この技は、生物の死角を突く『神鳴(かみなり)』とは違い、本気の威力の拳をところ構わず打ちまくる。

「良い具合に痛いね!」

 そんな速さにも慣れてきたビャッコは、段々と俺の攻撃を受け流し始めた。規則性の無い、完全にデタラメな方向からの轟速の拳を見極めている。

「ほらほらどうしたの!?」

「ぐっ……!」

 ついにビャッコはカウンターまでしてきた。顔面に喰らったビャッコからのカウンターは凄まじく、俺が速い分威力も段違いだった。

「あーやばい、マジかよ。」

「虎閃、少し提案がある。」

 話しかけてきたのは使千だった。

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