三六戒 1週間
「そんな事が……。闇犬の仕事は前々から聞いてはいたんですけど、どこか信じられない自分がいたのも確かです。」
使千の事情と、ついでに俺たち十二支の事について話した。クロートーさんは信じてくれて、自分も世界政府は嫌いだと言った。
「おい虎閃。」
「あー?」
「俺はこのままお前といる方が、俺とお前のためになると思ってる。」
確かに的を得ていた。右腕が無い俺と、身体の無い使千。彼は、おそらくこのまま強引に使千? と合体しても、また自我が出られなくなると言っていた。
すると、ちょうどいい所に闇犬が戻ってきた。
「ほ、ほら。」
闇犬は使千? になにか促した。
「使千。僕は君とちゃんと決着をつけたい。一週間後、またここで会おう。」
そう言って、放置してた身体を動かして頭をはめ、半透明の紅い翼を広げてどこかへ飛んで行った。
「あー、あいつと何話してたの?」
闇犬に聞く。
「彼は、自分が元の人格じゃないってかっちゃんに言われたらしいの。そこから自分はなんだろって考え出したら怖くなっちゃったみたいで。どうしたい? って聞いたら、どちらが使千の器に相応しいか勝負したいって。」
彼も彼なりに考えていたらしい。
「俺はな……。」
使千が話し始めた。使千は、彼の気持ちがよく分かると言った。自分に意識が芽生えた頃から、自分は人とは違い人じゃない。それなら自分はなんなのか、何をすればいいのか分からなかったそうだ。そこでふとした時にコーラに出会い、生きているとこんな刺激があるのかと、物事を前向きに捉え始めるようになっていったらしい。身体を完全に取り戻した後は、命を感じられるものが欲しいと言った。
「いいね。」
闇犬は、今度どこかに出かけようと使千を誘った。
「そういえば、闇犬って何しに来たの?」
「あ! 忘れてた!」
闇犬は、なにかの紙を取り出してクロートーに渡した。
「げ、あのおっさん何かしようとしてんの?」
「うん、なんでも、1年後に世界政府に喧嘩売るらしいよ。」
闇犬は笑いながら淡々と話していった。
「わかった、何とかしよう。」
用を終えたのか、闇犬は「帰ろ」と言って白い家の敷地から出る。クロートーさんは複数の部下を連れて、俺と闇犬が住んでるホテルに送迎してくれた。




