三十戒 新たな目的
「あー、ところでさ。」
俺は使千に話しかけた。彼は首を傾げて不思議そうに見てた。
「君、僕と会った事ないよね? でも、僕は君を知っているような感覚があるんだ。」
使千はおかしな事を言ってた。しかも話し方まで違う、まるで子供と話しているようだ。
「君? 僕? あー、お前気持ち悪いな。いつもみたいに話してくれよ。」
「いつもみたいって何さ。あ、あれの事かな。」
使千は右腕をさする。考えてみればおかしかった。別れた後急に十二支になってて、話し方も変だし、全身紅い鎧だし。
「あー、お前、使千じゃねぇのか?」
「? 僕は使千だよ?お前は俺って言ってたんだ。」
使千の言ってる事がよく分からなかった。
「それにしても君、右腕が無いね。ふふ、前の僕みたいだ。」
使千は嫌な感じに笑った。
それを見た時やっと分かった。今までの使千だった右腕と、右腕以外の部位は人格が違っていて、使千はこの子供みたいなやつに飲み込まれたんだ。
「右腕のやつはどこいった?」
「僕の中にいるけど、もう時期いなくなるんじゃないかなぁ?」
使千はまた嫌な笑いをした。
「おーい虎閃!」
かっちゃんに呼ばれた。かっちゃんの所へ行くと、真剣な顔で座っていた。
「使千器ってのはな、2つあるモンが1つに合体して獣器っつーのになる。」
「あー、それは知ってる。」
「だがな、もう一段階あるんだ。」
かっちゃんはサングラスをかけた。
「四聖獣って知ってるか? 玄武、青龍、朱雀、白虎だ。この四聖獣だけ、獣器の上に行ける。」
俺は虎だから更に武器を強くできるらしい。
「だがな、こいつはちと厄介だ。獣器の熟練度の高さと、幻獣白虎を呼び出す事が必要になる。」
本日2回目の意味わからん事だった。
「つまり、もう一度幻獣を出して、今度は幻獣に打ち勝たなきゃいけない。」
うえぇぇぇ。
「一年、期間をやる。物にしろ。」
「あー、でも俺片腕しかないんだけど……?」
うるせー知らん、と、かっちゃんは言ってきた。だいぶ無茶振りだ。
「だ、大丈夫だよ。あたしがお手伝いするから。」
俺ががっくりしていると、フードを被って全身の肌が見えない格好の女の人が寄ってきた。
「急にごめんね……。あたしは闇犬って言うの。よ、よろしく。」
声と雰囲気が、どことなく誰かに似ていた。でも、闇犬は少し根暗な感じの人だった。白虎退治をこの人が手伝ってくれるのか、と、正直不安だった。




