二八戒 鼠
俺たち以外に客はいない。だけどめちゃくちゃ騒がしい。たった十数人しかいないのに、まるで大賑わいの時のような騒がしさだった。
「んで、話だけどよ。」
騒いでる他のやつをよそに、かっちゃんは食うのを止めて俺に話しかけてくる。
「蒼猪にはとっくに話してあんだ。あとはお前だけなんだよ。」
そう言ってかっちゃんは話し始めた。
長い話が2時間も続いた。俺からの質問とかも含めてめっちゃ時間かかった。要点は5つ。
1つ目は、俺たち戒盾と十二支について。元々十二支は、『神』と呼ばれる存在から分離した個性らしい。つまり、神を12分割したのが十二支だ。だから、人間離れした身体能力があったり、使千器という強力な武器を扱えたり、自分の中にいる『幻獣』と呼ばれるキモイやつが居たりする。その十二支のコピーが戒盾十三人らしい。十二支は元々12人で、猪もいたらしい。でも居なくなった。実際は、居たのか居なかったのか分からなかったそうだ。誰も会ったことがないらしい。だから干支で言う終わりの猪がいないため、彼らの命にも『終わりが無い』。しかし先日の上華下民共和国で、蒼猪さんが幻獣と契約したために命に終わりが来て親父は死んだ。
2つ目は、俺が新しい十二支の虎になった事。蒼猪さんが幻獣と契約して十二支になったように、俺もあのとき幻獣と契約をしてる。そして元々居た虎の親父を殺して、十二支の虎の座を俺が奪った。戒盾にいるみんなや政府のエル、アイ、エヌ、……、が気になるが、あの時既に死んだんだ俺は。だからどっちみち、戒盾でも十二支でもやる事はそんなに変わらないと思った。
3つ目は、かっちゃんの名前が『鼠勝』で、十二支の鼠だったこと。だから最初にかっちゃんと会った時、蒼猪さんはびっくりするよって言ってたらしい。確かに驚いた。ちなみに、かっちゃんの使千器はサングラスで、『天眼』と言うらしい。戦闘の役にはたたないけど、その他の情報系でサポートをしてるって言っていた。
4つ目は、世界政府の目的。俺たちがやっていた使千器回収は、十二支のコピーである戒盾と、使千器が合体した『獣器』十二個を1箇所に集めて、神と同等の存在を作って世界を破壊する為だったらしい。急展開すぎて、この辺の話は何度も聞いた。ようするに、十二支は世界の破壊を阻止するために活動してたらしい。よく考え直すと、十二支って悪い事はしてないなって思った。牛騎も、無闇に人を殺す事はしなかったし、親父も、法を破る様な事はしてなかった。長年政府の犬として活動してきたが、こんな話は初めて聞いた。この話をしてる時蒼猪さんが入ってきてこう言った。
「あんた、前にあたしがなんで戒盾やめたか聞いてたでしょ。これだよ。政府のやってる事が訳分からなすぎてやめた。その時だ、あんたも知ってんだろ。リオンとドンパチがあった。」
蒼猪さんは義手の両腕を触った。




