↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Judge all  作者: 蒼猪
48/80

二四戒 帰路

 結果は目に見えていた。俺の打った極限駆動(マキシマムドライブ)は、通常の平拳を何倍もの力と速さで打つ打撃に近しい斬撃技だ。反対に、相手が打ってきた判虎(はんこ)は腕を突っ張って掌底を放つ技で、相手の腕は一直線になっていた。まるで薪割りのように、俺の平拳は相手の腕を2つに裂いていった。

「あああああぁぁぁ!!!」

 もう片方の手で脇腹を狙った拳が飛んでくる。俺はすぐさま一回転し肘打ちを顔面に入れる。

 グチャ――

 相手の左目は潰れ、脇腹を狙ってた拳を開いて目に当てた。

「ぐっ…、ああぁぁ!!」

 それでも男は諦めず立ち向かってきた。男は捨て身のドロップキックを放ってくる。俺は男のふくらはぎを蹴りあげると、つま先がふくらはぎにめり込んで突き刺さった。

「ああぁぁ……。」

 片手片足を失い、膝立ちのような状態になってようやく止まった。

「あー、お前は強かった。」

「バカ言え、何も出来なかった。」

 男は電池の無くなったおもちゃのように弱々しくなっていく。

「俺の負けだ。もう好きにしてくれ。」

 親父の死を聞き、俺に負け、もう何も考えたくないのだろう。信仰してた人物が、死んだり虚構だったりするのは、信者にとってどれ程の損失かは分からない。

「虎閃、終わったなら帰ろうぜ。」

 俺は男に言葉をかける事も、トドメを指すこともせずに蒼猪さんと政府庁へ向かった。

「っと、ちょっと待っててくれ。」

 蒼猪さんは少し離れて携帯を取り出して誰かと話していた。興味が無かったから、会話の内容は聞いてなかった。




「おかえりなさい。……って、使千さんは一緒じゃないんですか?」

 鼠乃が迎えてくれた。上華下民共和国で親父と戦った事、変な宗教団体に絡まれた事、使千が失踪した事を報告した。

「そうだったんですか。お疲れ様です。使千さんはしばらくすれば帰ってくるでしょう。」

 俺と蒼猪さんは飯を食ってからリオンを呼んだ。

「はいは〜い。……って、虎閃くんの使千器ってそんなんだったっけ?」

 俺は親父の使千器を奪ったら合体して変形したことを伝えた。

「ふーん、そっか、何ともないの?」

「あー、何が?」

「何でもないよ〜ん。とにかく、使千器を渡してくれる?」

 そういえば、どうやってこれ戻すのだろう。ずっと付けてても違和感無かったから気に止めてなかったけど、言われてみれば戻し方が分からない。

「は〜や〜く〜。」

 ウザイなこいつは。

「皆さん大変です! 外で騒ぎがあるみたいなんですが、騒ぎの渦中に十二支がいるみたいなんです!」

 鼠乃が慌てた声で入ってきた。

「あー、蒼猪さん行こうぜ!」

「えー、あたし関係ないじゃん〜。」

 このアマ、この期に及んで知らんぷりかよ……。

 ズウゥゥン――

 パリン――

 結構やばそうな音がしてきた。

「虎閃、僕は偉い人を避難させてくるよ。あとは任せたよ。」

「あーい。」

 俺は襲ってきた十二支を迎え撃ちに行った。ここが俺の運命の分かれ目だったんだと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。