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Judge all  作者: 蒼猪
45/80

二一戒 嗚呼

 ビチャ――


 グチャ――


 生暖かい血肉が弾ける。硬い骨が折れる。臓腑が飛び散る。


 ニチャ――


 ブチ――


 目玉が視神経を剥き出しにして転がる。頭蓋が割れ脳が溶けだす。


 ガチ――


 ガチ――


 地面を殴る。血溜まりを殴る。ああ! なんて楽s……


「もうやめな。」

「っ! 」

 蒼猪さんの一言で我に返る。親父は跡形も無くなった。人間の約60パーセントが水分である、ということが良く分かるぐらい、辺りは血に溢れている。剥き出しの臓腑や脳、人体模型でしか見た事ない骨など、普段は見れないような物までしっかりと見える。

「ハァ……、ハァ……、親父は死んだのか?」

「それで死んでなかったら逆に怖ぇよ。」

 殺した。親父を。

 俺は、達成感とは違うがとても似たような感覚が身体を巡った。

「腹痛ぇー。おい虎閃、病院行こうぜ病院。」

「あー、親父はどうすればいいかな。」

「好きにすればいいんじゃねぇの。」

 蒼猪さんは颯爽と歩き出した。



「なぁ虎閃。」

 蒼猪さんは俺を元気づけようとしてくれているのかもしれない。いつもより声色が優しく、病院に行く途中や帰りの今も会話を絶やしていない。

「あー、何。」

「あたし、十二支になったかも。」

 蒼猪さんは笑いながらそう言った。

「なんか気絶してる時に夢見たんだ。気持ちわりぃ天使みたいなやつが現れて、俺に殺されるか契約するか選べって。もちろん死にたくないから後者を選んだ。」

 俺と同じだ。蒼猪さんには文字の輪の段々とか、光る結晶とか出てなかったのに。

「そしたらよ、『お前で契約者は揃った。終(・)わ(・)り(・)が(・)出(・)来(・)た(・)な(・)。(・)』って言っててよ。訳わかん無くね。」

 そうか、そ(・)う(・)い(・)う(・)事(・)だったのか。だから親父を殺せたのか。

「あー、そうだね。」

「なんだよ素っ気ねぇなー。てか、使千いなくね?」

 確かに見てない。結構歩いているのに、噂のひとつもしない。

「あー、先帰ったかも。」

「そうだな。あたし達も帰ろう。」

 戒盾十三人をやめた人が政府庁に帰ろうって言うのはギャグ? と言おうとしたけど、さすがに殴られるかと思ってやめた。


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