4話.痛みってしばらくすると忘れちゃうよね
……あれ、私今まで何してたっけ?……えっと……あ、そうだ!死んじゃったお詫びにえるたんが新しい世界に転生させてあげるって言ってた!それから挨拶して……確か、えるたんが最後に不吉な呟きをしてたような……何だったんだあれ?
……待て待て、そういえばココどこ!?
もしやここが新しい世界とか?……私、こんな真っ暗な世界に生まれたの?……ウソでしょ!?えぇ、いやだあ!こんな真っ暗だったら前も後ろも夢も希望も見れないよ!生まれ変わるなら明るい世界がよかった……わがままだとは思いますがペンライトくらいの明るさは下さい……。
___わがまま言うならせめてLEDライトくらいの明るさは願え。ペンライトで見えるのは推しへの愛くらいである。
いや落ち着こう、そんなことよりまず別問題を解決するべきだったわ。この……さっきから襲いかかってくる原因不明の頭の痛み!!もう我慢できない、イタタタ……助けて!ナニカがめっちゃ頭締め付けてくるんですけど!やめてくれ!誰だ私の頭をアイアンクローしてるのわ!それになんか身動きもできないんですけど!助けてください!ヘルプミー!早くどうにかしないと最悪私の頭がトマトみたいにグチャって潰されちゃいます!!お願いします助けて下さい!!
マジなんだなんだ一体、今どういう状況なんですか!?え、もしかして、もしかすると転生失敗したの!?いったい私に何が起こってるの!?
混乱しながらも身動きがとれない体を必死に動かそうとしているとナニカに引き寄せられるように体が動き始めた。
「奥様頭が出てきました!あともう少しです!」
「はいっ……くっ……」
……え?頭?まさか今から私産まれるの?そして今は出産中なのでは?ま、まじですかー!進行形なんですね?出産アイエヌジーなんですね!?おー!!がんばれぇ!お母さん私は何もできないが応援してます!!いや、お母さんだと前の母親イメージしちゃうから別の呼び方にしようかな。えっと、マッマ、マミー、ママン、あとどんなのがあるっけ?
___いや、気は確かか?もっと普通の呼び方にしろ。
あ!お母様、かか様、おかーたま、母上、ママ上?
___違う!!
やっぱ、無難にママでいいっか。
___正解!!
「大丈夫ですよ奥様!もうすぐお子様に会えます!さあ呼吸を整えて!」
「はあー……んーーーっ」
ファイトー!ヒッヒッフーだよ!ママがんばれっ!がんばれっ!いやーホント逆子じゃなくてよかった。逆子だったらもっと大変だったかも。
あー怖くてまだ目が開けれない……。今どの位の進歩状況なのかな?まあ出産って長丁場だもんね。私ちゃんと大人しくしてるよ!だから最後まで頑張ろうね!
必死に母親を応援してると急に頭の締め付けがなくなり、身動きがとれなかった体が何かに押されたかと思うと次の瞬間ぬるんっと全身が出てきた。
え、早くない……?いやでも、出産って命懸けって聞くし安産でよかった。私無事生まれたんですよね?いやちょっと待って、何か苦しくなってきたんですけど!もしや今、口呼吸できてないのでは?ぐっ……そう考えたら余計苦しくなってきた。生まれたばかりなのにもう死んじゃう!!早く息しないと……でもどうやって息してたんだっけ!?吸って、吐いてだよね!?
「オンギャー!オンギャー!」
はあ……よかった息できた。
苦しくて辛かったからか口から泣き声しかでません誰か助けてください。
「奥様産まれましたよ!元気な女の……子で……す。……え?」
「あ、ありがとう……ございま……す。先生」
よかった~私女の子なんだ。これで男の子だったらめっちゃ困ってたわ。だって私、立ったままオシッコする方法知らないです。
ん?この声の人はお医者さんかな?……何かすっごい戸惑ってない?なになに?私何かおかしいのか?……角でも生えてる?それともやっぱり下半身に触覚生えてた?どーなの?何かおかしいの?そこんとこきちんと教えて下さい!
「お医者様……私の子供を抱かせてくれませんか……?」
「……は、はい!少々お待ち下さい!今からお子様がきちんと健康かどうか検査致しますので奥様は先に治療を受けて下さい!」
おいおい!その挙動不審はなんなんだ!私は今どんな状況で産まれてきたんだ?無事なんだよね?
……おでこに第三の目とかないよね?
「はい。子供をよろしくお願い致します」
ママー!私を一人にしないでー!
このお医者さん何か変だよー!
「それでは奥様治療をしますね?治癒魔法をおかけしますが、流した血液が戻ってくるわけではありませんのでしばらく安静にしていてください」
なに!?魔法だと!?
「……はい、分かりました」
魔法見たいよー!ちょっとお医者さんママの近くに行ってくれー!
抵抗虚しく母親から引き離された私はよく分からないところに連れていかれ、医者の腕から下されたかと思うとすぐに温かいお湯の中に入れられ布で体を丁寧に拭われる。生まれたばかりで全身パリパリしてたからすごくスッキリしました。ありがとうございますお医者さん。顔も拭ってくれたお陰でこの度開眼できます。
"ぱちりっ"
見える!はっきりくっきり見えるぞ!第三の目はなさそうだね?よかった~。ん〜あれ?赤ちゃんの時は視力あんまり良くないんじゃなかったかな?それともこっちの赤ちゃんは異世界仕様で産まれた時から視界良好なのかな?
ん?見える視界の範囲に手術着っぽい服装の女性と男性がいるな。もしかしてこの人達がお医者さんかな?でもなんで囲んで私を見てるの?やっぱり私何か変なのか?何故ピクリとも動かないんですか?もしもーし生きてますよね?医者っぽいマネキンじゃないですよね?
……あの怖いんで何か言ってもらっていいですか!?
「あぶ~あぶあぶ~」
(あ、あの〜大丈夫ですか……?)
私が喋りだすとお医者さん達は"ハッ!"とした様に動きだしこそこそ喋り始めた。
「このお子様……そうですよね?」
「あ、あぁ……間違いない……」
「ああ、今日は何て良き日なんでしょうか!」
「まるで夢でも見てるかのようです………」
なに?どうしたの?あなた達の声が小さくて全然聞こえないんですが。どうしてみんなでコソコソしてるの?……もしかして私の悪口か!?いーけないんだーいけないんだー!!陰口はダメだよ?そういう大人の姿を見たら子供がマネするんですからね?
あれ?コソコソ話が終わったと思ったら今度はなに?どうして産まれたばかりの赤子をそんな眩しそうに見るの?私全身発光でもしてる?サングラス貸そうか?……すいません一応探してみたけど持ってなかったです。……あと、謝りますんで全員で凝視してくるのやめてもらっていいですか?さすがにそんな見られると怖いんですけど!
「あ"ーあ"ー!んぎゃー!」
いやー!!怖いよーー!!助けてーー!!このお医者さん達なんか変だよーー!!
「……先生早く検査致しませんとお体が冷えてしまいます」
「あ、そうですね。すいません神子様、今から御体に悪い所がないか調べますね?」
なにこれ、暖かい何かが体に流れてくる感じがする!めっちゃ気持ちいい~。も、もしや今のが魔法?この暖かいのが魔力とか?すげぇーーさすが異世界!!
……ん?そういえば今私の事〈みこさま〉って呼ばなかった?もしや、私の名前みこなの?でもそれって普通親から一番初めに呼ばれない?ダメだよーお医者さん勝手に名前呼んじゃ~。
「はい、もう大丈夫ですよ」
「神子様の御体は問題なかったですか?」
「えぇ。健康体です。どこにも異常はみられません」
「よかったですね!」
周りの医者達が私を囲みとても嬉しそうに話し出す。
よかった~私健康体なんだ!お医者さんの様子おかしかったから病気かと思っちゃったよ~。
それよりずっと気になってたんですが……どうしてそんな泣いてるの?まあ確かに、出産って命を生み出す事だから神秘的だし感動するのは分かる。でもお医者さん達のリアクションちょっとおかしいくない?
それとも異世界ではこの態度が普通なの?まー考えても分かんないしとりあえず五体満足であったことを喜ぼう!ありがとう健康体で生んでくれて!あ、そうだお医者さん!ママに会わせて!さっきから君達の顔しか見てないよ?早くこの世界の家族とご対面させて~!新しいパパもいますか?それとも立ち合ってないんですかね?
「神子様、それでは今からご両親のもとへお運び致しますね」
よろしくお願いしますねお医者さん!それにしてもここのお医者さん凄い丁寧に話しかけるな〜。普通の赤ちゃんはそんな話しかけられても分かんないと思うよ?
……あれかい?
私と一緒で通じないと思っても話しかけちゃうタイプ?だったらお医者さんとは話が合うと思うな~!通じてたらいいなって思って話しかけるもんね?そして結局通じてなくても話しかけたいから話すもんね!めっちゃ気持ち分かるわ~!よかったねお医者さん!私にはちゃんと通じてますよ!!
「あぶあぶ~!」
(優しく運んでくださいね!)
失礼致します、という言葉と共に私は抱き上げられ母親のもとに連れていかれる。
お~抱っこされると流石に怖いな~。なんか巨人に抱えられてる気分だわ。丁寧に運んでくれてるからいいけど、もしこれ落っことされたら死んじゃうな~と考えていると私を抱っこしているお医者さんに誰かが話しかけてきた。
「その子が私達の子供か?」
え?もしかして新しいパパですかー!?立ち合ってはなかったみたいだけどちゃんと出産終わるまで待ってたんだね?両親が仲良さそうでよかった。それになんだか子煩悩の気配がするし。これなら虐待とかの心配もなさそうかな。そうと決まればお医者さん、パパに早く私を渡してくれー!
「はい、公爵閣下の御子様です……」
こうしゃく?……公爵!?公爵って確か貴族じゃなかった?え、私貴族の家に生まれたの!?
「そして神の御子でもあります」
ってうぉーーーーーい!!!
今新しい家のことで悩んでんの!それなのに次から次へと問題を押し付けるのはやめてくれー!何?神の御子様って!あれか?生まれたての赤ちゃんはみんな神の子なのか?そうだよね!この世界は宗教でそう決まってるって事だよね!?お願いそうだと言ってドクター!
混乱している気持ちを置き去りに医者は抱いていた私を父親に優しく手渡す。
おいおいおい!私の疑問には答えてくれないの?
そっとパパに渡すのやめて!確かに早く渡せって言ったよ?でもね、"神の御子様"発言の謎はまだ解かれてないから!真実が見えてないから!じっちゃんの名にかけられないよ?教えてお医者さん!!
へい!ドクター!神の御子様の謎!
___その人はSiriではなく医師なので何も答えてはくれません。
あ、パパごめん!別に抱っこされるのが嫌なわけじゃないからね?それにしてもパパ……凄い体ガチガチじゃん。もしかして抱っこしなれてないの?まあいい、それでは念願の新しい父親の顔を確認しようじゃありませんか!!
意気込んで父親のほうに顔を向けるが私はすぐに絶句することとなる。
……前世の穏やかで優しかったお父さん、小さかったけど肝っ玉なお母さん、地味だったけど家族思いのお兄ちゃん、お元気ですか?私は無事新しい世界に誕生したみたいです。でも異世界に転生することの意味を正しく理解してなかったようです。今みんなにとても会いたいです。
……だって目の前にいる新しい父親めっちゃイケメンなんですけど!!
髪は青色だしに瞳は水色、ビジュアルも“もし二次元のキャラが三次元に存在したらこのくらいイケメンであれ”の基準値を大幅に上回るほとの顔面。……ナメてたわ異世界。え、どうしよう、こんなキラキラした父親に馴染める気がしない。こんなイケメン中のイケメンに会ったことないんで緊張して絶対まともに話せない……。
___さて、エルピスという人外美形に会っただろう?と思った方、このおバカさんは可愛い仔犬の方が印象に残っていて人型の印象を忘れています。ちなみに覚えていても人型のエルピスはエロ本という括りになっているのでイケメンとしての印象はこれっぽっちありません。……エルピスは泣いていい。
……もう一度確認してみようかな?さっきは初めてみたイケメンに予想以上衝撃を受けただけでもしかしたらそれほどイケメンじゃなかったかもしれないし……。よ、よーし、もう一回じっくり見てみるぞ。
わーお、やっぱあなたイッケメーン。どっからどう見てもイケメンでしかない。俳優だとしたら[ヒロインが働いてるところの上司で普段から厳しくて冷たいのにヒロインが困った時は気付かれないように裏で色々助けてたりして、ヒロインが上司の優しさに気付いた時には王道の俺様ヒーローとヒロインは既にいい感じになってて、最後にはヒロインの為に潔く身を引くタイプのクール系イケメン]だわ。あまりにいい男すぎて最終回後にめっちゃテレビ局に苦情きそうだし、ヒロインとくっついて欲しかったって放送後めっちゃツブやかれてそう。
……え、あなた見た目が冷たそうなだけで中身はきっと優しい人ですよね?見た目どうり性格も冷たいなんてないですよね?私、新しい家族に早く馴染めるように努力するんでどうか優しくしてください……。
どうしよう……新しいパパが私を抱いたままピクリともしないんですが。
……私おブスなんですか?パパが定めた顔面基準値を下回ってるんですか?お貴族様は美形じゃないと認めない家系なんですか?だからさっきからノーリアクションなんですね!?……す、捨てないで下さい。私生まれたてホヤホヤなんで捨てられたら生きていけません……せ、せめて歩けるようになるまでは育てて下さいお願いします。
___只今、ネガティヴモード中です。新しい父親を勝手に極悪非道な奴にしていますがこれはおバカさんの勝手な被害妄想です。
あ、そうだ!生まれたばかりはみんなくしゃくしゃなお猿さんぽい顔だから多分成長すれば可愛くなるかもしれません!だから是非ともチャンスを!それに精神大人なんで普通の赤ちゃんみたいに手がかからないと思います!!なのでとってもお得です!!
「あ~ぶっ!ぶっ!あ~!」
(ママは見てないから分かんないけどパパの美形遺伝があるなら可愛くなるはず!だから早まって捨てないで下さい!)
私の声で我に返った父親はピクッと体を震わせると一瞬にして表情を変えた。先程まで冷たい印象を与えた水色の瞳に薄く涙が浮かび、硬くなっていた表情は慈愛に満ちた笑顔に変わった。
その表情を見て、ああこの人は私の父親なんだと実感し今まで抱えてきた不安がなくなり、ただただ与えられる優しい愛情に嬉しくなった。
……もしかして今まで表情が怖かったのは“捨てるor育てる”を迷ってたからじゃなくて緊張してたのかな?そうだよ、おブスなら捨てられるなんて私の勝手な思い込みだったんだよ。ごめんねパパ……あなたはおブスは家族と認めない派閥に所属している方だと思ってました。
___もっと誠心誠意謝罪しろ。
「ロバート様!私にも抱かせてください!」
この声はママ!私を生んでくれてありがとうございます。そういえば体はもう大丈夫ですか?出産って物凄く大変なんだよね……魔法でちゃんと治った?
「マーガレット……私達の子供は本物天使だよ。本当にありがとう」
え?天使?ありがとうございます。やっぱりパパって外見はクール系美形だけど中身は優しいんですね。誰よ美形じゃないと捨てる冷酷な人なんて言ってた奴は……ホント失礼な人もいたもんですね!
___父親を血も涙もない奴にしてたのはおまえだよ。さっきのことも忘れるなんてお前の頭の中はスーファミのカセットか。ちょっとの刺激でデーター飛ぶんか。
父親から母親にそっと渡されると流石母親なのか抱き方はきちんと安定している。私はきちんと顔を見ようと母親の方に顔を向けた。
初めましてママ。……うん、ですよね、分かってましたよちゃんと。……やっぱりママもめっちゃ美人ですやん!!やったーーーさすがパパ!!パパの顔面見た時から期待してました。私調べによるとイケメンの奥さんは絶対美人って決まってるんです!!
___根拠のないおバカさん調べです。
蜂蜜色の髪にピンクの垂れた瞳……この人も完全に二次元キャラ的美人さんですよ。はあ……ステキ♡こんな美人さんが新しいママなんて。……マジでえるたんありがとうーーー!!
___父親の時とテンションが違う。女はイケメンには興味はないが可愛い人と美人な人が大好物であった。……父親も泣いていい。
あれ?今凄いことに気付いたかも……。この美形夫婦が両親なら私も美人になる可能性があるのでは?今世の人生めっちゃ明るいんじゃない!?こ、恋人もできるかもしれない!!
……いやだめだ落ち着こう。両親に似ない場合もあるから過度の期待はやめとこう……。鏡見てショック受けるかもしれないし。そうよ、健康体で生まれて両親が揃ってるだけで幸せなんだし贅沢言ったらイケないね!それに顔なんて大人になれば化粧があるからどうとでもなるはず!
ってか、やっぱりママも私の顔見て動かないんですけど……そんなくしゃくしゃ顔がショックですか?でも赤ちゃんはみんなそうだから大丈夫ですよ心配しないでください!それに中身大人だから迷惑かけません!夜泣きもしないから育児ノイローゼーの危険は下がります!だから今のくしゃくしゃ顔は大目に見て下さい!
「あ~うっ。あ~う~!」
(ホント大丈夫?瞬き全然してないけど……)
次の瞬間、母親はピクリと体を震わせピンク色の綺麗な瞳から涙を溢れさせた。
ぎゃーー!!!なになに?私が泣かせたの!?そ、そんなにこのベビーフェイスがお気に召さなかった?ごめんなさい!泣かせるつもりはなかったんです……。
泣かせてしまったと焦っていたし時、今まで泣いていた母親が涙を止め花が咲くようにふんわり笑った。その笑顔は、幸せだと、あなたが愛しいと、そういう想いが溢れたとても母親らしい表情であった。
よ、よかった笑ってくれて……。やっぱり美人は涙より笑顔が似合いますからね。新しいママもすっごい優しそうで安心しました。不束な者ですがこれから家族としてよろしくお願いします!
そしたらいつの間にか私の名前を決める話題になっていた。
あれ?私の名前“みこ”じゃなかった?もしや、お医者さん達が勝手に付けたあだ名だったの?なんだみこじゃなかったんだ。じゃあ何て名前になるか楽しみだな〜。
おっと、そろそろ決まりそうだね。
「「ローズ」」
へー!ローズか~!しかし考えた名前が二人一緒ってそんなに私見た目が薔薇っぽいの?でも綺麗な名前だね~私気に入りました!ありがとうございます!初めてのプレゼント大事にしますね!
「君の名前はローズ・ウィルソン。すくすく元気に育ってね」
「私達の元へ来てくれてありがとう!愛してるわ!」
私も愛してます!これからよろしくお願いします!
その後、生まれてからの怒涛の展開でさすがに疲れたのか私はすぐに寝てしまった。そして次に起きた時には〈神の御子〉問題をすっかり忘れていた。……半年後、その問題の答えが恐怖と共に襲いかかってくるとも知らずに私はのんきに赤ちゃんライフを楽しむのであった。