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モンペな神様のお陰で悪役フラグが消滅しました  作者: 深沢心
幼女時代

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7/22

5話.絵柄が好みでも内容も好みとは限らない

むかしむかし、とおいむかし。

〈かみさま〉はじぶんがたのしめる、じぶんのためのはこにわをつくることにしました。


まずは、〈うみ〉をつくりました。

とてもきれいでした。

そして〈だいち〉と〈しぜん〉をつくりました。

とてもうつくしく、しばらくながめていました。


しかし、それだけではさみしくなりつぎは〈どうぶつ〉をつくりました。

すこしにぎやかになりました。


でもやっぱりものたりなくなり、つぎは〈ヒト〉をつくりました。

はこにわは、とてもにぎやかになりました。


それからかみさまは、かんさつすることにしました。

すると〈どうぶつ〉は〈ヒト〉をころしはじめました。

〈ヒト〉はどうぶつよりよわかったのです。


このままだと〈ヒト〉がいなくなるとこまった〈かみさま〉は〈ヒト〉にちからをあたえました。

それが"まほう"です。


〈ヒト〉はつよくなりました。

〈どうぶつ〉にころされることもあまりなくなりました。

しばらくすると〈ヒト〉は〈ヒト〉がくらせる〈むら〉をつくりはじめました。

はこにわがにぎやかになり〈かみさま〉はうれしくなりました。


しばらくへいわなはこにわをながめていたら、つぎは〈ヒト〉と〈ヒト〉があらそいはじめました。

〈まほう〉のちからで〈ヒト〉はずっとあらそいつづけました。


こまったかみさまは〈ヒト〉のてきをつくることにしました。

そしたら〈ヒト〉はなかよくなれるとおもったからです。

てきは〈まもの〉とよばれるようになりました。


かみさまのよそうどおり〈ヒト〉は〈ヒト〉とあらそわず〈まもの〉とあらそうようになりました。


それからしばらくたつと〈ヒト〉がふえはじめました。

〈まほう〉のつよいものが〈むら〉よりおおきな〈まち〉をつくりはじめました。

はこにわはもっとにぎやかになりました。


それから〈まち〉がふえ、つぎはもっとおおきな〈くに〉というものができはじめました。

はこにわは、もっともっとにぎやかになりました。


しかし、しばらくすると〈くに〉と〈くに〉であらそいがはじまりました。


いつも〈まほう〉のちからをあらそうことにつかう〈ヒト〉たちをみて〈かみさま〉はふしぎにおもいました。

なぜなら〈まほう〉のちからは〈ヒト〉がしあわせになれるようにあげたちからだったからです。

けっしてあらそうためにあげたわけではなかったからです。

〈かみさま〉はなんで〈ヒト〉があらそうのかわかりませんでした。


だから〈まほう〉のちからをとりあげることにしました。

するとたたかえる〈ヒト〉がいなくなりあらそいはおわりしまた。

しかし、たたかうちからがなくなった〈ヒト〉はいきていけなくり、すぐしぬようになりました。


まえのはこにわはにぎわっていたのに、いまはさびしくなりました。

〈ヒト〉は〈かみさま〉にあやまりました。

〈かみさま〉はゆるすことにして〈まほう〉のちからを〈ヒト〉にかえしました。


〈ヒト〉にちからをあげるのをこれでさいごにし、これからはどれだけ〈ヒト〉があらそい〈ヒト〉がへったとしてもみまもるだけにしようとおもいました。

あらそいはなくなりませんでしたが〈ヒト〉はへることなくふえはじめ、またにぎやかになりました。


そしてみまもっているうちに〈かみさま〉は、はこにわへあそびにいきたくなりました。

でも〈かみさま〉は、いそがしいのでじかんがありません。

だから〈かみさま〉のかわりに、はこにわへいってくれる〈ヒト〉をつくりました。

それが〈みこさま〉です。


しかし、はこにわはあらそいがあります。

しんぱいした〈かみさま〉は〈みこさま〉に〈かご〉をあたえて、とてもつよい〈ヒト〉をつくりました。


〈かみのかご〉と〈みこさま〉じしんのちからで、はこにわはもっとにぎやかになりました。

〈かみさま〉は〈みこさま〉がたのしんでいてとてもうれしくなりました。


それからも〈かみさま〉は〈みこさま〉をはこにわへあそびにいかせました。

〈みこさま〉はとてもゆうしゅうで〈みこさま〉があそびにくるたびにはこにわは、もっとにぎやかになりました。

それからなんども〈みこさま〉をはこにわへあそびにいかせました。


しかし、とある〈みこさま〉はいままでの〈みこさま〉とちがい〈ヒト〉にたくさんきずつけられました。


〈みこさま〉をきずつけたのは〈くに〉の〈おうさま〉でした。


〈おうさま〉は〈みこさま〉をきらいました。


〈おうさま〉は〈みこさま〉をたたきました。


〈おうさま〉は〈みこさま〉をなかせました。


そしてさいごに〈おうさま〉は〈みこさま〉をたくさんの〈ヒト〉のまえでころしました。


〈かみさま〉はとてもおこりました。


〈かみさま〉はとてもゆるせませんでした。


だから〈かみさま〉は〈おうさま〉の〈くに〉にバツをあたえることにしました。


〈かみさま〉のバツで〈くに〉はなくなりました。


〈かみさま〉のバツで〈くに〉にいた〈ヒト〉はみんなしにました。


〈かみさま〉は、かなしくてずっとないていました。


〈かみさま〉のなみだがあめとなってふりつづけました。


〈かみさま〉のバツで、あながあいたばしょに〈かみさま〉のなみだがたまりました。


そのばしょは、いま〈みずうみ〉になりました。


〈かみさま〉は、もうぜったいに〈みこさま〉を〈ヒト〉がきずつけないようにきまりごとをつくりました。


そして、きまりごとををまもらない〈わるいヒト〉にはバツをあたえることにしました。


それでも〈わるいヒト〉は〈みこさま〉をきずつけようとしましたが、〈かみさま〉がひとりのこらずバツをあたえると〈わるいヒト〉は、しにました。


しばらくすると、つぎは〈みこさま〉のニセモノがでてきました。


〈みこさま〉のニセモノはじぶんが〈みこさま〉だとうそをつき〈ヒト〉をきずつけはじめました。


それをみていた〈かみさま〉がニセモノにもバツをあたえるとニセモノも、しにました。


そのあとにもたくさんのニセモノがでてきましたが〈かみさま〉のバツでひとりのこらず、しにました。


〈かみさま〉は〈みこさま〉をきずつけるとおこります。


〈みこさま〉は〈かみさま〉のだいじな〈ヒト〉なのでたいせつにしましょう。


〈みこさま〉をたいせつにするとせかいがにぎやかになります。


それから、はこにわはへいわになりました。


〈かみさま〉のはこにわは〈エルピス〉となまえがつけられ、いまも〈みこさま〉がたまにあそびにきます。





メイドのアメリアは読んでいた絵本から顔を上げ自分がお仕えしている大切なお嬢様の顔を見た。

そこには、キラキラと美しく輝く瞳からは光が消え、可愛らしく微笑んでいた顔からも表情が消えた無表情のローズがいた。いつも可愛らしい笑顔を浮かべているローズの、見たことのない表情にアメリアは大いに焦った。


「ローズお嬢様どうしました?ご気分でも優れないのですか?お医者様をお呼び致しましょうか!?」


「だ、だいじょ~ぶだよぉ~アメリア!びっくりしただけだからぁ~!」

「本当に大丈夫ですか?」

「もちろん!わたしはげんきだよ~!」



もちろん空元気(ウソ)である。しかし、ローズは大好きなアメリアに心配かけまいと必死に誤魔化した。



こんにちは!私はローズ・ウィルソン!少し前に3歳になりました。そして目の前にいるメイドはアメリアといって私の専属メイドさんである。

他にも部屋を掃除したりする専用のメイドさんが何人かいるが、アメリアはその人達とは違い私のお世話全般を任されているのだ。


オリーブ色(暗い灰みの黄緑)の髪に少し切れ長のオブシディアン(黒色)の瞳をもった美しいオメイド。綺麗に纏め上げた髪にヘッドドレスをつけ、我が家専用のメイド服に身を包んだ完璧な美人メイドさん!しかも我が家のメイド服はふりっふりのメイド服ではなく落ち着いたクラシカルなメイド服。それがもうアメリアに似合うのなんの!本当に眼福です。ありがとうございます!

アメリアの年齢は20代前半とまだ若いがとても優秀なのでこの度私の専属に大抜擢されたらしい。アメリアを私専属にしてくれたお父様、お母様ありがとう。娘は今めっちゃ幸せです。私は専属のメイド(美人)さんにテンションが上がり初対面から遠慮な色々な質問をした。



その時は「なんで?」「どうして?」と事あるごとにアメリアに聞きまくり普通だったら大変面倒臭かったと思うが、アメリアはそれに対しそれはそれは嬉しそうに答えていた。流石プロである。



そして分かった事は、アメリアは貴族であったが家を出ることになり我が家に働きに来たみたいだ。

実家とは縁を切って平民となったが貴族であった頃より今の方が幸せらしい。嬉しい限りである。

本当にアメリアは優しくて、知りたい事も何でも教えてくれた。そこで私は、ずっと知りたかったこの世界の事を教えてほしいとアメリアにお願いすると、一冊の絵本を持ってきてくれた。


寝る前にはママが、昼間はアメリアがよく読み聞かせてくれていたが、今まで読んでくれていた絵本は日本で言うところの童話によく似た物語ばかりだった。


私はふわふわの絨毯の上に腰をおろし、大きなクッションを背もたれにし準備万端とばかりに絵本を楽しみに待っていた。アメリアが絵本を片手に私の向かい側に腰を下ろしついに朗読が始まった。


今回はこの世界の事を教えてくれるみたいだし楽しみだな~とわくわくしていた私はすぐに後悔することとなる。何故なら、今回の絵本はいつもの絵本とはかなり趣向の違うものであったからだ。いつもの絵本がメルヘン童話だとすると今回の絵本は悲惨な事件をスクラップにした新聞である。


まず持ってきた絵本のタイトルが『かみさまとみこさま』だった。もうタイトルからして嫌な予感はしていた。しかし、表紙の絵がとっても可愛かったのでその予感をスルーしてしまった。

そしていざ話が始まると、デフォルメされた可愛い絵からは予想もつかない物語が……。



絵柄と内容が違いすぎて脳が混乱するわ!私のわくわく返して!!ページごとに可愛い絵が描かれているけど話の内容が怖くてぜんっぜん絵柄を楽しめないんですけど!何この絵本!童話は童話でも斬新なグリム童話じゃないの?内容が重くて消化不良おこすわ!

……え、誰か胃薬持ってません?


え?待って。これってほんとの話なの?まさかノンフィクション(本当にあった怖い話)じゃないよね?


[この絵本はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。]だよね?…………そうだよ!!だって神様ってえるたんだよね?あんな可愛いわんちゃんにこんなひどい事できないって!!あれでしょ?事実をめっちゃ盛りまくって大袈裟に書いてるんだよね?そうだと言って下さいアメリア(マイメイド)


___本当の神様の姿は可愛い仔犬ではありません。きちんと思い出してあげましょう。


「アメリア~このおはなしってつくりばなしだよねぇ?」


___初めて会った時を思い出せ。そのファンシーフィルターを外して現実をしっかり見るんだ。あの人外美形ならこれくらいのことはするとキミも納得するはずだ。


「え?違いますよローズお嬢様。この絵本に書いてあることは全て事実でございます」



まじですか?本当の本当なの?……お願い嘘だと言って下さい。これマジで事実なの……全部本当にあったんだ……。


「そーなんだ〜……」


「どうかなさいましたか?このお話がお気に召さなかったですか…?申し訳ありませんローズお嬢様…。この世界の事が知りたいと仰ったので史実に基づき、そして簡潔にまとめられ分かりやすい本を選んだつもりなのですがですが、宜しければ別の本を御用意致しましょうか?」


あの内容簡潔にされてるの!?もしや、絵本に書かれてない事もあるの?も、もうやめて……。これ以上私を恐怖のどん底に落とさないで!


「う、ううん!だいじょうぶ!すっごくわかりやすかったよ~!アメリアありがとねぇ!」


ほんと分かりやすかったよ~。内容は人はすぐ死んじゃうよって事を伝えたかったんだよね?だってすごい簡単にぽこぽこ人が死んでるもんね?しかもその犯人がまさかの神様だったしね!私あんな序盤から犯人が分かったの初めてだったよ!もしや頭が良くなったのかも。迷宮なしの探偵になれるかもしれない!今度メガネ買ってもらわなきゃ。


___ふざけてる場合ではない。それに絶対キミは名探偵にはなれない。



私が世界の事教えて?ってお願いしたからあの絵本読んでくれたんだもんね。アメリアは全然悪くないよ。もう私が悪いね?知りたいとか言ったからこんな事になったんだもんね!いや、でもいつかは知ることになるんだから早めに知れて逆に良かったよ、うん!


「ローズお嬢様、この絵本の内容で何か分からないことや気になることがあれば聞いてください」


これがまじで子供向けの絵本かどうかを聞きたい。


「あのね、アメリアはかみさまのことどうおもってる~?」


あとえるたんが人間にどう思われてるか知りたい。



ちなみに絵本を呼んだ今私はえるたんの事を、「こっわ!なにより神子への愛が重っ!えるたんってただの神子ガチ勢のモンペ属性じゃん!」と心底思っている。


「エルピス様はとても素晴らしい神様だと思っております。今この世界があるのは全てエルピス様のお陰で御座います。何よりこのウィルソン家をローズお嬢様の生家にお選びして下さった事にとても感激致しました。やはり神はちゃんと見て下さっているのです。ですので私はエルピス様をとても信仰しております」


ローズはそのノンブレスで語るアメリアの姿に衝撃を受けた。これは近所の綺麗で優しかった憧れのお姉さんが久しぶりに会った時に「ねえ?神様って信じる?私は唯一の神様に出会えたから◯◯ちゃんにも教えたくて」と新興主教を勧められた時の衝撃に似ていた。


そう……コ レ は あ か ん状態。


え、アメリア洗脳されてない?だ、大丈夫?いや、何を信仰するかなんて自由だもんね!!で、でも他人に強要するのはやめてね?(トラウマ)


しかしえるたん嫌われてなくて良かったよ。えるたんとは死んだ時しか会った事ないけどあの時は気さくでノリがよくて優しかったもん。何よりめっちゃ可愛かったし♡


___何度も言うがあの愛らしい仔犬姿は幻である。


まあ、この絵本に書いてあることがえるたんの全てな訳ではないもんね。内容もほんの一部っぽいし。私は絵本の内容の衝撃で毒親(モンペ)にしか見えなくなったけど世界を創った凄い神様だもん、きっと信仰される理由が他にもたくさんあるんだろうな。……絶対そうだよね?ただの神子のモンペじゃないよね?


___いいえ、ただのモンペです。


問題の解決方法が力業過ぎたけど、ただの八つ当たりじゃないんだよね?即死系の呪文しか持ってない訳じゃないよね?神子を傷付ける奴は絶対殺すマンとかじゃないよね……?


___残念ながら神様は神子過激派モンペ属性です。


いや……これ以上深く考えるのはやめよう。これはパンドラの箱だ。そして開けても絶対希望は残されてない。ちっぽけな人間でしかない私が神様の考えを理解しようだなんて烏滸がましすぎたわ。

これは決して臭いものに蓋をする訳ではない。ないったらない。


そもそも神様と人を同じ物差しで測ったらだめだね!えるたんが昔そうやって決まり事をつくってくれたお陰で今までの神子達は平和に生きていけたんだもんね。神子にとってはまさしく救世主だよ!

何よりえるたんがいるから私は今、危険に脅かされる事なく平穏に暮らしていけるんだもん!


他人事じゃなくなったから言わせて?


えるたん本当にありがと~!過去のあなたに今の私は救われております!怖いとか言ってごめんね!

あなたは素晴らしい神様です!


そうお気付きの方もいらっしゃると思いますが言わせてください。


私がその"神子様"なんですけど!そんな事、転生する時言ってた?私は聞いてないよ!これってクーリングオフ可能なの?

答えてえるたん~!!!

誤字脱字報告お待ちしております!

拙い文章を楽しんで読んで頂けるのか不安ではありますがこれからもマイペースに更新していきます!

優しい読者の皆様方、私は応援してくださると飛び上がるほど喜びます!

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