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ぐーぱんカタパルト  作者: 焼きモンブラン
二章 タビにでる
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36 黒 ごんごんきゃいん

 離れた所に立って剣を構えたエントントンボルトは、なにか複雑な感じに剣を振ってからまた構えた。


「オレの必殺剣、見せてやるから覚悟しやがれ!」


 殺意、かなぁ?やっつけてやる、という感情をこちらに向けている。


狼鬼鬼撃剣コボルディックストライク!」


 お姉ちゃんの前に出たワタシに向けて叫びながら走ってくるエントントン、なんかかっこいい!


 走って来て剣を振り下ろして来たけど、えっと……あれ?なにか特別な攻撃じゃないの?

 剣から犬が出るとか。


 かっこいいを損したような気分になりながらとりあえず避けたけど、ワタシが避ける事を考えてなかったみたいでけっこう派手に転ぶエントントン。


「えーと、一応聞いとくけどどんな技なの?」


 お姉ちゃんもふしぎだったみたい。


「見たらわかるだろう!オレのコボルドパワーを剣に集中して、ゴブリンを内部から爆発させる技だ」

「ワタシ、ゴブリンじゃないよ」「サクヤはゴブリンじゃないし」


 起き上がりながら叫ぶエントントンに、お姉ちゃんとワタシが同時にツッコむ。


「というかそんな技があるなら何でさっき使わなかったのよ」

「うっさいな、さっきは使う暇がなかったんだよ」

「ゴブリン相手の技がゴブリン相手に使えないんじゃ意味が」

「うるさいうるさい!次はお前らの番だぞ!さっさとかかってこいよ!」


 手と剣を振り回しながら騒ぐエントントン、どうやら今度はワタシの番らしい、なにか技を考えればいいのかな。


 えーと……よし。


「さくやぐーぱんち〜」


 両手を上げて、ひっさつわざのぽーず。


「ああ、乗るんだ…… で、サクヤはどんな技なの?」

「つかまえて、なんかいかグーでなぐるひっさつわざ」

「……え?」


 まだそこにいたエントントンの手をしっかり捕まえて、ワタシのひっさつわざを開始する。


「キャイン!キャイン!キャイン!」

「うわぁ〜けっこうエゲツない」


 きみが泣いても殴るのをやめない。



 エントントンが鼻から血を出して汚いのでひっさつわざ(さくやぐーぱんち)を途中で止めると、エントントンは倒れこんで泣き出した。

 まだ途中なんだけどなぁ。


「ぞんだど、ひっざづわざじゃだいぃ〜い」


 泣きながら喋るエントントン、ちゃんとわかる言葉で喋ってくれないとわかんないよ。

 負けてない、って感情は発してるからわかるけど。


「気持ちはわからなくもないけど、まぁ勝負は明らかよね?」


 うん、たぶんワタシのかち。

 でもひっさつわざまだ途中なんだけどなぁ。


「ズルじゃないかあーー!」


 鼻を拭いて言葉がふつうになったエントントンは不満らしい。

 じゃあつづけていいよね!


「ひっさつわざ、まだとちゅう」

「……サクヤがすっごい笑顔だし時間はまだあるから続けてもいいけど、ほんとにまだやるの?」


 なんかもう帰りたそうなお姉ちゃん。


「いいさやってやるこんちくしょう!泣いても知らねーからな!」


 泣いてたのはエントントンなのに。


「今度はこっちから行くぞ、狼鬼(コボルディック)……」「さくやぐーぱんちー」


「キャイン!キャイン!キャイン!キャイン!」

「あ、サクヤがやめてない時に途中で倒れこむとやばいと思うよー、もう遅いけど」


 ワタシがさくやぐーぱんちで攻撃していると、上に乗りやすい感じに倒れ込むエントントン。

 これはとどめさす するべきよね?

 倒れたエントントンの上に座って、つぎのひっさつわざ。


「さくやとどめさすー」

「それもう必殺技じゃなくて行為だと思うの」


「ギャン!ギャワン!ギャイン!」


 声が変になってきたエントントン、だいじょうぶ、まだまだいける〜

「サクヤ、そろそろほんとに死んじゃいそうだから止めてあげて?」


 えー?もう?

 お姉ちゃんに言われて仕方なくエントントンから離れようとすると、ワタシを突き飛ばして起き上がってダッシュで逃げ出すエントントン。

 ちょっとフラフラして……あ、転んだ。


「もはや捨て台詞もなかったわねー」

「ひっさつわざ、まだとちゅう」

「それはもういいから。……追いかけなくていいからね?」


 起き上がって手と服についた草と土を払って、今なら追いかければ間に合うかなーと思ったけど、お姉ちゃんは追いかけたくないみたい。

 じゃあいいや。




 お姉ちゃんと一緒に、離れたところでのんびり座ってたそれぞれのみゅすに乗って……

 あー、みゅすの練習は今日はもうおわりなのかぁ、兵士の人が帰りなさいって言ってたし。


「まだ夕飯にはちょっと早いけど、ゆっくりお買い物して帰ろっか」

「うん!」


 エントントンも練習も、ちょっと気になるけどまあいいや。


 町に帰るために感情を見るチカラを閉ざすと、手のキラキラもゆっくり消えていく。

 チカラを分けて閉じれるようにならなきゃかなぁ、と少し思いながら、お姉ちゃんのみゅすについて町に帰った。




 ニコニコして手を振ってる、さっきとは別の門の兵士の人の横を通ると、お姉ちゃんがつぶやいてる


「あれ見たら流石に引かれるよねぇ」

 なんだろう?お姉ちゃんは兵士の人のニコニコが気になったみたい。


 それはいいけどお買い物、やっぱり色々な物があって迷うなぁ〜


 お姉ちゃんはケーキ?なにかさんかくの黄色い食べ物と果物、あとパパがたべるお肉を買っている。

 お金をはらう時に、ワタシがやりたいと言うと、ふくろじゃなくて銅貨を渡してくれた。

 かぞえなくていいからこれはこれでいいなぁ。


 ワタシは、動物のカタチのやきがし?と、トゲトゲがいっぱいのハリネズミのパンにした。


 帰り道、何回もふくろを開けて眺めてみる。

 やきがし?いいにおい、はやくたべたいな。


 お買い物の時に、たまに遠くの方からチラチラと毛むくじゃらのエントントンボルトが居たけど、お姉ちゃんがぜんぜん気にしてないからたぶん別のエントントンボルトじゃないかなぁ。


 宿への道は、みゅすもワタシもお姉ちゃんもみんな覚えてたみたい。

 そろそろ夕暮れになるくらいの時間、すこしおなかが空きはじめた頃、ほんのちょっとの冒険を終えたワタシ達は、ワタシ達のやどやに帰って来た。

 コノハが選んだケーキはチーズケーキです、焼き菓子は、クッキーだったり何か砂糖菓子だったり、サクヤがカタチだけ見て気に入った物を買ってます。

 どうやら匂いも気に入ったみたいなので、サクヤも味覚自体は子供らしいのかも知れません。





 あとまぁカミツキ君ですが、書いてて違和感があった物を修正して行ってたら、なんというか……こうなりました。

 最初のタイトルはぐるぐるキャインだったんだけどなぁ。


 本人は子供のチャンバラ的な必殺技ごっこみたいなのを想定していたので実際はゴブリン爆発しないんですが、サクヤはそんなに甘くはないというか文字通りの必殺を狙ってます。

 素手の女の子相手に剣振り回しておいては、手加減しては貰えませんでした。


 まぁナニカがついて来てるようですし、誤差の範囲で収まりそうですよ。

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