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ぐーぱんカタパルト  作者: 焼きモンブラン
二章 タビにでる
32/46

32 黒 買い食い

「サクヤは人混みが苦手らしいな」

「うん、こんなになるとは思わなかったよ。治って良かったぁ」


 ワタシが落ち着いたのを見て、パパとお姉ちゃんが話し始めた。

 部屋の中に居るのは、お姉ちゃんとパパと空気よめない人、あと一人知らない女の人。

 背の高さはモズさんくらいかな、目が尖ってる。


「でも大した事なくて良かったです、ちゃんと知り合いみたいですし。 正直子供なのにムカつくくらいにやたらと整った顔立ちとかしてくれやがっちゃってますし、リーダーさんとはイロイロ全然違うから、さらって来た子なんじゃないかととても怪しんでましたよ」


「あー、この口が悪い奴はここの宿屋の子だ、ガキの頃からこんな奴だから気にしないでいい」


 頭を抱えながら、いちおう紹介してくれるパパ。

 ワタシが感じた、抑えてた感情はこれかなぁ、昔からこんなだったらいろいろ大変そう。


「まぁでも、リーダーさんが咄嗟に頼ってくれたのがウチだった事は結構嬉しかったですよ〜、これで他の宿屋に一歩差を付けられるかんじ」


「嬉しいポイントそこかよ」


 ツッコミを入れる空気よめない人、空気よめないくせになまいき。

 空気よめない人と尖った人は、そのまま何か言い合ってるみたい。

 まぁそれはどうでもいいんだけど、ちょっと頭痛いとは別の困った事が、ワタシの体に起きていた。


「おなかすいた」

「あ、わたしも安心したらおなかすいた」


 なんだろう、すごくお腹が空いている。


「じゃあ俺が何か買って来よう、ここの宿でメシ頼んじゃ駄目だぞ」

「ちょっと、リーダーさんどういう意味ですか!うちの宿はヤドリの町でも三番目に食事が美味しいと評判なんですよ?」


「ああ、町で三番目に食事が美味しい宿屋で、宿屋は三軒しかないから間違いではないな」

「ほら!ケンセンさんのお墨付きです、私の料理はちゃんと美味しいんですよ」


 空気よめない人は美味しいと思ってるらしくて、それに胸を張る尖った人。

 でもパパと空気よめない人の意見だったらパパのほうが信じられると思うな。


「パパに任せるとお肉ばっかりになるからわたしもいく〜」

「ワタシもいく〜」


 お姉ちゃんが行くなら、ワタシも見に行きたい。


「サクヤはまだ休んでた方が」

「ワタシもいく〜」


 なにか言いかける青毛、だいじなことなので二回言いました。


「あー、サクヤ大丈夫だったみたいだし、俺はウチ帰るわ。嫁とクモキリが待ってるし」


 空気よめない人はワタシが起きたから自分の家に帰るみたいで、ワタシとお姉ちゃんとパパの三人で、ろてんめぐりをすることになった。


 朝のごはんを買う人たちであふれかえる通り

 昨日の痛みの記憶で一瞬足が震える、ダメだ、見せちゃいけない、お姉ちゃんが心配する。


 ちょっとだけ怖かったけど、痛みも気持ち悪さもだいじょうぶだった。


「サクヤ、無理はするなよ?コノハも気を付けてやってくれ」

「わかった、サクヤ、きつかったらちゃんと言ってね?」

「だいじょぶ〜」


 そんな事よりごはん〜

 通りにはいい匂いがあふれてる、はやく、はやく!


 ワタシがちゃんとだいじょうぶにしてるのを見て納得してくれたみたいで、二人も自分のごはんを選び始める。


 パパは串に刺して焼いたお肉をいっぱい買うらしい、お姉ちゃんはくれーぷ?とかいう薄いパン?を丸く巻いた食べ物と、なにか果物を買ってる、ワタシは何にしようかな〜


 なにかを串に刺して焼いてるお店が多いみたい、その他にも食べるものはとてもいっぱいあって、どれもおいしそう。

 あとはなんかすごい魔法のアクセサリーとか、大きくならないヒヨコとか、当たると宝石がもらえるくじびき?とか。


 物を買う、という事をやるのは初めてだ。

 選ぶだけでもとても楽しい、だからみんな集まってるんだなぁ。


 

 あ、人の形のへんな野菜がある、これがいい

「サクヤそれは食べ物じゃないからだめ、お腹壊すよ」


 あ、へんなムシのフライがある、これがいい

「うっ、サクヤお願いそれはやめて」


 あ、へんなネズミのぬいぐるみがある、これほしい

「食べ物じゃないから駄目だぞ、普通の物の方が多いのに、やたら変な物ばかり選んで来るなぁ」


 ろてんめぐり、楽しいけどむずかしい。



 結局、ワタシの朝ごはんは顔のかたちのパンにした。

 他の食べ物を買った時とおなじに、お店の人にキラキラを渡そうとしてるパパ、あれがおかねかぁ……あ、ワタシがやる!おかね払う!

 両手を出して催促すると、パパが小さいサイフのふくろを渡してくれた。

 ふくろに入ってるのは銅貨というおかねらしい。

 ふくろから銅貨を出して、丸い顔のお店の人におかねを払う。


 えっと、2銅貨、いち、に、はい。

 ワタシが2銅貨払ったら、お店の人が笑いながら、お釣りに銅貨を2枚渡してくれた。

 おー、これがお釣り〜、買い物たのしい。

 パパとお姉ちゃんも楽しそうに笑ってる。

 満足したので、サイフのふくろにお釣りを入れてパパに返した。


 座る場所を探して、通りにあったおっきいイスに3人で座ってあさごはん。

 お腹が空いてるならぼくの顔をお食べよ、って言われた気がしたから顔パンを選んだんだけど、ちょっと大き過ぎたかなあ。

 甘くておいしかったけど、おなかいっぱい過ぎてちからがでない〜。


 余ったパンを見て、あーんと口を開けるお姉ちゃんに食べさせてあげたけど、結構余ってしまった、もうたべれない。


「食べ終わったら馬を見に行こうか、次の町に行くのに必要だしな」


 ふたりで頑張ってたべたよ、はやく〜。

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